« 葉月十七日に詠める歌 | トップページ | 葉月十九日に詠める歌 »

2005年8月18日

葉月十八日に詠める歌

鬱蒼とした木の中で鳴き尽くしぽとり落ち来て死ぬる蝉かな

===========================

050818

朝のうちは曇っていたが、いつの間にかまた夏空になった。セミが一日鳴いている。

どこか見えない木の陰で、声だけを響かせて鳴き、死ぬときになると、突然空中からぽとりと落ちてくる。

そして地面の上で 「ジジジ・・・」 と少しだけ鳴いてみせ、あとは、朽ちていくだけだ。

セミは地上に出て幼虫から成虫になると、ほぼ 一週間の命だという。その間、ずっと鳴き暮らし、子孫を残す。

一日鳴いたら、セミとしては永遠に鳴いたような気がするかも知れない。夏の時空を埋め尽くすような響きである。

|

« 葉月十七日に詠める歌 | トップページ | 葉月十九日に詠める歌 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 葉月十八日に詠める歌:

» 蜩(ひぐらし) [夢みる短歌]
仄暗き谷間に響くひぐらしはかなかなかなし生きるは哀し  大島弓子さんの詩画集で心 [続きを読む]

受信: 2005年8月19日 06時27分

« 葉月十七日に詠める歌 | トップページ | 葉月十九日に詠める歌 »