長月二十五日に詠める歌
魚の跳ぶ音せし川に流星の残像のごと波紋を眺む
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台風は房総半島の東側に抜けてくれそうで、雨は降らずに済みそうだが、風だけは強い。
土手のすすきなどは大きく煽られているが、小川の水面は、土手から遙か下になって守られているので、驚くほど静かだ。
散歩していると、時々魚の跳ねる音がする。水面低く飛ぶ虫を捕らえるのだろう。ポチャリという音に振り向くと、いつも既に魚の姿はなく、波紋が静かに広がっているばかりだ。
たまに、視界の中で魚の跳ねるのが捉えられることがある。しかし、そんな時でもカメラのシャッターを押すのは不可能だ。
魚の跳ねるのを写すなんて、まるで流れ星が消えないうちに願い事をとなえるようなものである。
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