如月九日の歌
列島のサニーサイドを歩みつつ吹雪を耐ふる郷の思はる
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昨日のうららかな陽気が消し飛んでしまって、今日は冷たい冬晴れだ。
街を歩く人はみな、肩をすぼめていかにも寒そうだ。木枯らしで頬が冷たい。
神田の街で、昼食をとりに行くとき、何気なしに日陰のサイドを歩いてしまった。帰りにふと気づいて、道の反対側を歩いてみると、さっきの身を切るほどの冷たさはない。
アメリカの昔の歌に "Keep the Sunnyside Up" というのがあることを思い出した。
自分は日本列島のサニーサイドに住むくせに、最近、思いはいつも吹雪の吹きつける庄内の地に飛んでいる。早く春になってもらいたい。
私は文語の歌を標榜しているくせに、「サニーサイド」 というカタカナ言葉を過去に二度使っている。
くつきりと影の際だつ朝なればサニーサイドをそぞろ歩かむ
(平成十六年神無月二十三日)願わくはサニーサイドを我行かん日陰に残る今朝の薄霜
(同年師走二十七日)
それで、これが三度目になる。
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