皐月十八日の歌
遥かなる酒田囃の鉦太鼓雪渓残る鳥海の峰
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酒田に来ている。明日には帰るのだが、その明日が酒田まつりの初日である。残念である。
酒田まつりは、以前は山王祭といって、慶長十四年から一度も欠かさずに、毎年開かれてきた由緒ある祭りである。それだけに、酒田の街は今、少しだけハイになっている。
山王祭 (私にとっては、今でも 「山王祭」 だ) は、ここ三十年も見たことがないが、今でも酒田囃しの鉦と太鼓の音は耳の奥で鳴ることがある。祇園囃の 「こんちきちん」 に似た、単純な囃しである。
今日は朝からいい天気だ。薄雲がないわけではないが、五月の日差しはそれに負けずに照りつけて、外を歩くと首筋が焼ける気がする。
ところが鳥海山の方向を望んでも、くっきりとは見えない。かすみの彼方に、雪渓の白いまだらがぼんやりと見えるだけだ。やはり梅雨前線がそれほど遠くではないということだ。
鳥海山も、酒田囃しも、おぼろだが、私の眼の奥、耳の奥には、とてもはっきりと残っている。
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