皐月八日の歌
そのままで役には立たぬ花ゆゑに白さゆかしき庭の鈴蘭
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庭にスズランの花が咲いている。妻がどこからか貰ってきた株を植えておいたようだ。
スズランの花はとても可憐で、人気があるが、アイヌ文化に詳しい父によると、アイヌ民族はちっともありがたがらないそうだ。
毒があって、食用にも薬用にもならないからだ。ちなみに、アイヌ語でスズランは 「セタプクサ」 という。「セタ」 は 「犬」 で、「プクサ」 は 「ギョウジャニンニク」 のこと。「犬のギョウジャニンニク」、つまり、役立たずなのである。
役立たずとはいえ、庭に咲いていると、そこだけが別の空気をもっているように見える。役に立つばかりがいいことというわけではない。
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