皐月十四日の歌
喘ぐ如く踏切を過ぐるディーゼルの客車の蛍光灯ぞ哀しき
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今日は昨日と比べれば大分暖かかったような気がしたが、それは昨日が寒すぎただけのこと。まだ平年並みかやや低いぐらいの気温だったらしい。
日がとっぷりと暮れてから、車で家路を辿る。途中で関東電鉄というローカル私鉄の踏切を渡る。
この線は、今や日本一運賃の高い路線ということになっているらしい。なにしろ、電化されていないのである。だから、走っているのは、一見すると電車に見えないこともないが、よくみるとパンダグラフがない。
実はディーゼル・エンジンで動いているのである。
遮断機の降りた踏切で待っていると、彼方からいかにもディーゼル・エンジンらしいうなり声が聞こえてきて、ゆったりと通り過ぎる。蛍光灯の灯る車内は、人影もまばらだ。
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