水無月二十一日の歌
流されて惹き寄せられて舞ふ蝶のとまる花こそ浄土なりけれ
夏至である。
今さらいうほどのことでもないが、夏至というのは夏らしくない。せっかくの日の長さも、梅雨のせいで曇りがちなので、あまり実感されることがない。
そういえば、冬の場合も、冬至を過ぎてから本当に寒くなる。「暑さ寒さも彼岸」 までというのも、「毎年よ彼岸の入りが寒いのは」 という子規の句があるほどで、あまり当てにはならない。
というわけで、外は涼しい。小川の土手の道を、多くのモンシロチョウが舞い飛んでいる。むやみやたらにデジカメのシャッターを押しまくったら、偶然に二匹の蝶の羽ばたくのが写った。説明しないと何の写真かわからないかも知れないが。
蝶を撮ろうとすると、一苦労である。ゆっくりと飛んでいるようでいて、一瞬先にどっちに行くのか予測がつかない。
ただただ、何物かに流されるが如く、はたまた惹き寄せられるが如くで、自分の意志で飛んでいるようには思われない。それだけに、とまった花というのは、蝶にとって特別な物のようにも見える。
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