葉月十六日の歌
部屋の奥によしずの影の届き来ていつより鳴くかつくつくほふし
台風が近づいている影響とやらで、朝からすっきりしない天気だ。時々雨がぱらついて、少し涼しくなった。
午後から日が射し始め、近くでツクツクホウシが鳴き始めた。この蝉の独特の鳴き声が聞こえてくると、晩夏という気がする。
子どもの頃は、ツクツクホウシの鳴き声が、夏休みの宿題の自由研究や読書感想文の仕上げを急く声に聞こえたものだ。
もっとも、酒田の市街地ではツクツクホウシの声は滅多に聞かれない。親戚の家に遊びに行ったときなど、夏の幻想に浸りきっているところに、ふと気付くと、子どもの心をやんわりと現実に引き戻すように鳴いているのである。
庄内の夏休みは短い。関東の学校が八月三十一日まで休むのに、庄内ではその一週間ほど前に夏休みが終わり、二学期が始まる。だから、ツクツクホウシの鳴き始めは、なかなか切実だった。
ところで、沖縄に行った時に撮った写真をアルバムにまとめてみたので、よろしければどうぞ。→ こちら
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