長月三十日の歌
空蝉の川の流れは忘れゐるうちに変はりて久しかるらむ
涼しい秋の朝である。
我が家の裏を流れている川の拡幅工事が、本格的に始まった。昨年の冬に着手されたのだが、今年の田植えが始まる前に中断していた工事である。
時々地震のようにぐらぐらとした揺れまで伝わってくる。何やら掘削をする塔のようなものも建って、そこから地下の排水をして工事をしやすくしている様子である。
この工事も、来年春の田植えが始まるまでの期間となるのだろうが、どこまで進むのか、見守りたい。
この辺りの人は、ほとんど、今年の春までには工事が終わるものと思っていたのだが、全然そんな様子でもなかったので、来年の春までに終わるとも思わなくなっている。もしかしたら、再来年までかかるかも知れない。
元々は、この川も江戸期の新田開拓に伴い、人の手で掘削して作った流れである。その流れの幅が、平成の御代になって倍になろうとしている。
世の流れとは、ゆったりと変わるものである。じっと見ていると、その変化は遅々としているが、忘れた頃にふと眺めると、変わっていることに気付く。
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