神無月四日の歌
真直なる夏色消えし野の宵に狂ほしきまで曼珠沙華咲く
いつもの年より花が遅れ気味だった彼岸花が、秋の彼岸を過ぎて、ようやく増えてきた。
写真は、夕方の帰宅途中に、土手の斜面に密生しているのを撮ったもの。フラッシュを使わずに撮った方は、光の加減は自然でいいのだが、手ブレしていて使い物にならなかった。残念。
彼岸花が彼岸を過ぎて咲くのは、他の植物との競合を避けているのだと聞いたことがある。春から夏にかけては、植物にとって最もエネルギーを吸収しやすい季節だが、それだけに、多くの花がどっと咲こうとして、大変な競合状態になる。
彼岸花など、秋から冬にかけて咲く花というのは、こうした激しい競合の時期を避けているらしい。夏に比べたらちょっと条件は悪いけれど、他と争わなくても済むタイミングを選んでいるわけだ。
夏に咲く花の色は、黄、ピンク、白、橙など、素直な明るい色が多い。そうした色が消えてから現れる彼岸花は、それまで堪えていた鬱積を発散させるように、物狂おしいほどの赤さだ。
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