霜月一日の歌
朝 (あした) にはこりりとかたく噛みし柿を昼には易くさくりとぞ食む
今日から十一月だ。今年が終わるまで、あとたったの二ヶ月。何となく、心が急かされてしまう。
先月の十八日にも書いたが、今年のつくば周辺は柿が豊作だ。あちこちの柿の木に赤い柿のみがたわわに実っている。
自分の庭の柿の木に成った大量の実が食べきれるわけもなく、あちこちにお裾分けの大攻勢だ。我が家も、ご近所からいただいて、連日二個も三個も食べさせられる。
今日も朝食のデザートのように柿が一つ添えられていたのを食べ、昼食にもまた一つ出てきた。面白いことに、朝に食べた柿はまだ堅くてこりこりとした歯触りだったのに、昼に出たのは、もう少し柔らかくしっとりとしていた。
同じ家から同じ日にもらった柿だから、たった四時間ほどで、熟し加減が進んだもののようだ。
柿というのは、こんな風にどんどん熟してしまうから、食べ頃が本当に短い。放っておいたら、あっという間にゼリー状になってしまう。そんなわけで、連日柿責めが続く。
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コメント
これは擬音語がとてもよいリズムとなっていますね。
短歌の中に擬音をいれるというのは
とても勇気がいります。私などはとてもとてもこわくて・・・。
何故か高村光太郎の智恵子抄を思い出しました。
智恵子がレモンをかじる下りです。
投稿: 順 | 2006年11月 4日 14時45分
順さん:
私とて、なかなかそんな冒険を犯したくはなかったんですが、いろいろいじくり回している内に、いつの間にか、こうなってしまいました。
(この歌、結構手間がかかってます)
「噛みし」 と 「食む」 も、ちょっと思い切りました。
>智恵子がレモンをかじる下りです。
「がりり」 ですね。
10月 5日は、智恵子の命日にちなんで、「レモンの日」 なんだそうです。
10月 5日にこれを読まなくてよかった。
投稿: tak | 2006年11月 4日 21時24分