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2007年4月30日

卯月三十日の歌

連休といふものの身に覚えなき暮らしとなりて夏日を送る


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一応 「春の歌」 というカテゴリーにしておくが、関東は夏日である。夜が更けても、Tシャツ一枚で全然平気だ。

暑い暑いと言っているうちに、まともな写真を撮らないまま、日が暮れてしまった。というわけで、今日の写真は、朝日を受けたベネシャンブラインドという、何の変哲もないもの。

明日からは天気が下り坂というので、こんな感じの画像は、しばらく撮れないだろうから、まあ、ウチのサイトとしては珍しい感じでもあるし、勘弁していただこう。

サラリーマンから足を洗ってしまったので、ゴールデンウィークなんて全然関係のない暮らしである。今日も、一日あちこち駆け回った。

連休が終わった後に提出する企画書を、いくつも書きまくらなければならないし、一応落ち着くのは、五月の下旬になってからになるような気がする。

ただ、十四日の週に、奈良に出張することになったのが楽しみだ。

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2007年4月29日

卯月二十九日の歌

田の水に天の蒼きの曇りなく映りて今日の地は鎮まれり


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私なぞは、今でも四月二十九日を 「天皇誕生日」 と言いそうになってしまうが、今年から 「昭和の日」 になったのだそうだ。まあ、とにかく、昭和というのは大変な変化の時代だったのだな。

今日は昨日までとはうって変わって、安定した春の晴天である。昭和天皇のお誕生日は、とにかくよく晴れる。明治天皇のお誕生日である文化の日もそうだが。

そうか、今日の空を晴れにするために、昨日まで二日がかりで、雨と雷で、空の掃除がされていたのかもしれない。

田んぼに水が張られ始めた。この辺りでは、毎年連休直前頃から地上に空が映るようになる。

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2007年4月28日

卯月二十八日の歌

カーラジオのノイズは絶え間なくつなぐ積乱雲と地を行く我を


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昨日に続いて、盛大な雷である。しかもその襲来は昨日よりもずっと早かった。

予報では、夕方から雨で、所により雷と言っていたが、実際は三時過ぎからカーラジオはガリガリというノイズを拾いっぱなし。

水戸方面から車を運転して帰ってきたが、常磐道は雨のため、時速五十キロ制限。そんな制限を守るドライバーは一人もいないが。

時々窓の外を稲妻が光ると、カーラジオのノイズもひときわ大きく鳴る。上空の雷雲と地を行く自分とをつなぐメディアが、ノイズのようだ。

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2007年4月27日

卯月二十七日の歌

黄昏の屋根屋根にテレビアンテナはしめやかに立つ影絵と化して


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晴れることは晴れても、朝などは涼しいというより寒い風が吹いていた。出がけに西の方角を見ると、雪を頂いた富士山の頭が見えた。

風の強い冬の朝などはよく富士山が見えるが、春になってからあんなにくっきりと見えるというのは、何だかおかしい。近頃、本当に天気がエキセントリックである。

今日は久しぶりで、某お役所 (お国の役所) で、業界向けプレゼンを一つこなした。これを発端として、これから忙しくなりそうである。

夕方は日が暮れる前に取手駅に着いた。ちょっと変わった雲の向こうに日が沈む。こういうのを 「地震雲」 なんて言ったら、もっともらしいだろうか。

 

 

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2007年4月26日

卯月二十六日の歌

久方の光の野辺に溢れゐる花鳥虫のいのちの気配


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久しぶりで晴れた。気持ちのいい春の空である。

今日は一日家にこもって、連休前が締め切りの原稿を仕上げなければならない。とはいえ、せっかくの上天気だから、昼前に少し土手の道を歩いてみた。

外は生き物の気配が濃厚だ。花は咲き乱れ、鳥の鳴き声は絶え間なく、蝶は飛び交い、蜂の羽音が耳のそばまで近づいてくる。

蜂たちは、菜の花に誘われて飛んできているようだ。絶えず飛び回っている蜂を写すのはちょっと大変だったが、ようやくまともに写したのがこの一枚である。真ん中の花の右上の影にも、蜂がいるのがおわかりだろうか。

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2007年4月25日

卯月二十五日の歌

電脳の街の歩道に咲き誇る躑躅を愛でる人の少なし 


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涼しい日が続いた。ただ、天気予報によるとそれは今日までで、明日からは春らしい陽気になるそうだ。

秋葉原のヨドバシカメラのある通りにの歩道にも、ツツジの植え込みがある。涼しいとはいえ、もう満開だ。赤、ピンク、白など、彩りが美しい。

いつもの年は、連休明けにツツジが満開になるというイメージがあるのだが、今年はずいぶん早いような気がする。

ただ、電脳の街の入り口に咲くツツジを愛でる人は、とても少ない。私も明日は、連休前の原稿を大急ぎで仕上げなければならない。今のうちに愛でておこう。

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2007年4月24日

卯月二十四日の歌

若草の色で川面に映れるを欺きてまで緑深まる


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寒いというほどではないが、二~三日前まではもう春爛漫だと思っていたので、涼しいというよりは 「涼しすぎる」 という感覚だ。

近所を流れる小貝川は、田植えのシーズンを控えて堰の水門を閉じ、水かさを増している。秋から冬にかけては河川敷となっている部分も、水中に没して、一部盛り上がったところが水面に出ている。

木々の若葉はようやく密度を増して、色も濃くなってきた。水面に映る姿が美しい。

木曜日あたりから、また晴れ間が見えてくるらしい。今日は、私は一日中籠って、資料作成である。だから、雨が降るなら今のうちだ。

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2007年4月23日

卯月二十三日の歌

稀人を待ちて磨きし軒先につばくろはこの春も来たれり


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「ああ、やだねえ、最近の新入社員たちの格好」 出先で、昼食からオフィスに戻った年配の重役が言う。「皆、似合いもしない、おんなじ黒づくめのスーツで、つるんで歩いてやがる」

確かに、この四月に新社会人になった連中は、一目見ただけでわかる。毛先をピョンピョン立たせたヘアスタイルで、全員、ピッタンコにフィットしたコムサの (多分) 黒いスーツだ。

私も、彼に共感する。ああまで同じ格好で、しかも群れて歩かなくてもよさそうなものだ。「個性の時代」 なんて、完全に嘘だ。ユニフォームの時代である。

話は変わるが、今年もスタバにツバメがやってきた。ツバメの白と黒のユニフォームは、歓迎である。

まだ雛は孵っていないようだ。日が暮れたので、一羽が卵を抱いている間は、もう一羽が外に出て、あたりを警戒している。

雛が孵ると、店先のロゴの一番右側にある "E" の文字は、糞に汚れてしまうのだが、スタバのスタッフは巣立つまでじっと我慢している。それがかえって美しい気がする。

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2007年4月22日

卯月二十二日の歌

千早振る神代に渡る浮橋の朧なりけり瀬戸内の春


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明石から帰ってきた。夜の十時を過ぎている。

心配された雨も、午前中は降らずにすんだので、写真撮影はつつがなく終了。終わった途端、ぎりぎりまで待っていてくれたかのようにに、ぽつぽつと降りだし、見る間に本降りになった。

雨が降り出してからは屋内での取材に移行して、あとは夕方に新幹線で帰ってきた。帰ってみると、関東は雨の降った形跡はあるものの、私が外を歩いている間は振らずに済んだ。

我ながら、いつもながらのしぶとい晴れ男ぶりである。

阪神地方も、夕方からは雨が止んだようで、甲子園球場の巨人阪神戦も予定通り行われたようだ。めでたしめでたし。(ただし、阪神が大負けしたようで、阪神ファンにはめでたくないかもしれない)

今日の写真は、明石の江井ヶ島からみた瀬戸内海と淡路島。淡路島というのは、島というにはあまりにも大きすぎて、ちょっと驚いた。肉眼では左奥に明石海峡大橋の影がうっすらと見えていたのだが、安物のデジカメには映らなかった。

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2007年4月21日

卯月二十一日の歌

播磨なる夕暮れ遅き海つ方遥かに望む明石大橋 


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仕事で明石に来ている。仕事の本番は明日なのだが、朝イチから取り掛からなければならないので、今日の夕方に着いて、ホテルに入った。

ホテルの窓から明石海峡大橋が見える。さすがに関西は日の入りが遅い。六時半を過ぎてもまだ明るいので、写真に収めることができた。

夜になってライトアップされたが、それは私の安物のデジカメではまともに撮れなかったのが残念。

明日は屋外での撮影をしたいのだが、天気予報によると、午前中でも降水確率が五十パーセントだそうだ。なんとか降らないうちに済ませてしまいたいものだ。

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2007年4月20日

卯月二十日の歌

春風に萌ゆる若葉を透かし見る川は豊けく広がりてあり 


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今日はようやく春の陽気が戻った。近所を流れる小貝川の両岸は、若葉色に覆われている。

この季節の若葉の色をみると、本当に心が軽やかになるような気がする。

ただ、この陽気も土曜日までで、日曜から来週の前半までは雨になるようだ。菜種梅雨みたいなものかもしれない。

今日の晴天も、からりとした青空というよりは時々曇ってしまう湿っぽい晴れ方だ。やはり天気はあまり落ち着いていない。

急な出張の予定が入って、明日から神戸に発つ。日曜日の午前中は、屋外での撮影をしなければならないので、少なくとも、雨が降るのは午後からになってもらいたいなあ。

 

 

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2007年4月19日

卯月十九日の歌

ふと見れば妖しきまでに咲く著莪をこの春までは見過ごしゐたり  


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今月六日に、シャガの花の写真を上げたが、今日はそれよりもちょっとよく撮れたので、再びシャガの写真である。

私が取手駅の近くに借りている駐車場の近くに生えている。いつもは駅まで近道をして、この花の咲いている辺りは通らないのだが、今日は帰り道にちょっと遠回りをしてみた。

シャガの花はまだ咲いているのだった。一輪ごとの花は一晩でしぼんでしまうというので、次々に新しい花が開いているのだろう。注意しないと見過ごしてしまうような、それほど大きくない花なのだが、よく見ると、妖しいまでの美しさである。

こんなにすごい花を、私はこの年の春になるまで見過ごしていたのだ。せかせかと急いで通り過ぎていたために。申し訳ないことをしたような気がする。

下手すると見過ごしてしまいそうだが、ふと注目してしまうと、どっきりするほどの存在感というのは、人間でもなかなかいい。

 

 

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2007年4月18日

卯月十八日の歌

選挙カーの連呼の響く空の下 色染め分けて躑躅咲きゐる


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昨日よりもまだ寒い。冬に逆戻りのような天候だ。

天気というのは、自律的に平年値に近づこうとする傾向があるので、冬があの通りの暖冬だったために、今頃になって気温を下げて帳尻を合わせようとしているようだ。

とは言いながら、神田周辺の歩道の植え込みでは、千代田区の花であるツツジがどんどん花を開いている。区会議員選挙の選挙カーの連呼が小雨交じりの空の下、うるさく響く中、静かに着々と咲いている。

寒さが戻らなかったら、連休を前に満開になってしまうところだった。これでちょうどいい具合の頃合いに花の盛りになってくれるだろう。

一昨日に行った米沢では、多分、今頃開花し始めて、来週の連休前頃に満開になるだろう。日本列島は狭いようで広がりがある。

 

 

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2007年4月17日

卯月十七日の歌

曇天の影に僅かの赤味挿し静かに咲きぬローズマリーは


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昨日行った米沢はかなり寒かった。それは東北だからだとばかり思っていたが、実は、東日本全域が寒かったもののようだ。

今日も寒い。北東の風が入っているということで、いかにもそれらしい曇り空だ。北東の風というのが入ると夏でも涼しいが、今の季節は冬の寒さに逆戻りする。

我が家の玄関の前に植えてあるローズマリーが、紫色の花を咲かせている。今日の曇り空の色に、ちょっとだけ赤味を加えると、こんな色になりそうな気がする。

ローズマリーなんていう可愛らしい名前だが、その小さな花以外は割と無骨なイメージの常緑低木である。

ほかの町は選挙の真っ最中でかまびすしいが、うちは何もないので、聞こえるのは雲雀の昇る声だけである。

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2007年4月16日

卯月十六日の歌

福島で桜前線追ひ抜けば頬に冷たき風の米沢


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日帰り出張で米沢に行って、たった今帰ってきた。車で行ってきたので、今日は十時間も運転したことになる。

日付は変わりかけているが、私にとっては一日の継続なので、敢えて 「卯月十六日の歌」 とさせていただく。

桜前線はどのくらいまで北上しているかというと、福島あたりまでだった。その先の米沢は、気温が七度。東京でいえば真冬の寒さだ。

米沢の桜は、まだ蕾が膨らんでほころびかけているといった状態である。写真は上杉神社のある松が岬公園 (米沢城址) のお堀に面したソメイヨシノ。蕾だけが赤く色づいている。

晴れ男の私だが、今日はさすがに雨に降られた。ただ、屋外での撮影は雨の降り出す前に早めに済ませ、降り出してからは屋内での取材に切り替えることができた。夕方からはかなりの降りになったが、車で帰ってくるだけなので、濡れずにすんだ。

かろうじてセーフ。日本晴れとまではいかなくても、なんとかなるのが晴れ男のしぶとさだ。

 

 

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2007年4月15日

卯月十五日の歌

黄昏に枝垂れ桜の咲き初めてことさら赤し固き蕾は


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この辺りでは珍しい枝垂れ桜の写真を撮った。日暮れが近かったので、フラッシュをたいたら、ちょっと人工的な色になってしまったが、それはそれで、ちょっと変わった味が出た。

まだ小さな蕾もあり、これからけっこう長い間楽しめるかもしれない。

桜というのは、蕾のうちにはピンクの色素が凝縮されているので色が濃いが、咲ききってしまうと、色素が散らばって、白っぽくみえるものらしい。なるほど、この写真でそれが確認できる。

気象予報士の森田正光さんが、ラジオで 「毎年、いろいろな人に 『今年の桜は白い』 と言われる」 と言っていた。これはまったくの錯覚らしい。蕾のうちに濃いピンクだったものが、開いてしまうと薄くなるので、ことさらに 「今年の桜は白い」 と感じられるもののようだ。

明日は仕事で米沢に行く。車で行くので早起きだ。途中で、桜の満開が見られるといいのだが。

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2007年4月14日

卯月十四日の歌

様々の色と音にてこの春を染めに染めゐる命を聞かむ


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この季節になると、周囲に感じられる 「生命」 の気配がとても濃厚になる。今日は久しぶりで青空がのぞいているので、とくにそんな感じがする。

目に見えるのは、花や草の色だ。冬枯れの色に覆われていた景色にどんどんと緑色が増え、その中に黄色やピンクや紫の花の色が混じる。

さらに圧倒的なのは、鳥や蛙の鳴き声だ。雲雀は常にどこかで鳴いているので、もはや、気にかけなければ 「聞こえない音」 になってしまっている。

アマガエルやウシガエルの声も聞こえるようになってきた。我が家の裏は川が流れていて、土手は草で覆われているので、ウシガエルが何匹もいる。腹に響くような低音で鳴いている。

菜の花には、蜂や蝶が蜜を吸いに来る。

近頃、菜の花の見事さにしきりに触れているが、実は困ったことも一つある。菜の花のあの独特の 「生っぽい臭い」 が強くて、風向きによっては、むっとしてしまうことがある。

先日の強風の時は、花粉が飛んできたのか、洗濯物にあの臭いがこびりついてしまって、洗い直したこともあった。

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2007年4月13日

卯月十三日の歌

今年限りと咲き乱れゐる菜の花のその心馳せ我は忘れじ


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十三日の金曜日である。何か特別なことのように思いがちだが、単純に十二を七で割ってみれば、一年に一度以上あって、しかも、二度ある年の方が多いと知られる。

大ざっぱな私は、「へぇ、そんなにあるのか」 と、改めて驚いてしまう。

人間の脳は、嫌なことは記憶に留めないという便利な機能をもつようだ。これを 「忘却力」 と呼ぶ人もいる。これは赤瀬川源平氏のいう 「老人力」 の中でも最も重要なファクターだという。

ただ、この秋に姿を消す土手に、名残を惜しむように咲き乱れる菜の花の見事さは、長く記憶に留めておこうと思う。

 

 

 

 

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2007年4月12日

卯月十二日の歌

友とまた明日会ふまでの永遠をいかに耐ふるや高校生は


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今日は久し振りで日のあるうちに取手駅に戻ってこれた。ペデストリアンデッキから眺める西口のビルに、かなり傾いた日の赤みを帯びた光が当たっている。

歩道は、さまざまな制服を着た高校生の列で一杯だ。この辺りは、いったいいくつ高校があるんだろう。

夕日が沈む前の駅前広場は、高校生の楽園だ。皆、電車を一本か二本遅らせてでも、仲間たちとのおしゃべりに費やす時間を大切にしているようだ。その気持ち、私にもわかる。私だってずっと昔は高校生だったからね。

あの頃の独特の感覚に満たされた時の流れの後に、こんなにも長い人生があるなんて、想像もできなかった。

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2007年4月11日

卯月十一日の歌

空は如何にかき曇りても歩道には躑躅の色の鮮やかに増ゆ


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暖かめの日が続いて、東京神田の歩道では、ツツジの植え込みが花を開かせ始めている。前にも書いたかもしれないが、ツツジは千代田区の花なのだそうだ。

で、昼過ぎまでは晴れていたのだが、どんどん空が暗くなって、気温も下がってきた。天気予報では、午後から雨が降ることになっている。

夕刻からは、つくばでまた別の会議に出なければならないのだが、その頃には、もしかして雷雨になっているかもしれない。それは車での移動だからいいのだが、本当に、近頃の天気はめまぐるしい。

ツツジの花の時期は長い。これから初夏に至るまで、目を楽しませてくれるだろう。

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2007年4月10日

卯月十日の歌

菜の花は風に吹かれて行く水に盛りのいのち映しゐるなり


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天気はいいが、風の強い一日だった。久しぶりで裏の川の土手を散歩すると、満開の菜の花が風に煽られて揺れている。

風のない日は、菜の花のあの独特の生臭いような匂いが立ちこめているが、今日は風に飛ばされてあまり気にならない。

川の拡幅工事が続いていた春先までは、向こう側の土手には行けなかったが、今日は何ヶ月ぶりかで行ってみた。新しい土手がその向こう側に築かれていて、秋には取り壊されることになっている、その土手は、もう菜の花で埋まっている。

三日前にも書いたが、本当に花は今年で終わりになる土手に別れを告げるために、精一杯命を燃焼させているようだ。

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2007年4月 9日

卯月九日の歌

何処にて散れる桜か菜の花の映る水面を流れ行きたり


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裏の川にどこからか桜の花びらが流れてきた。もっとびっしりと流れているなら 「花いかだ」 と表現してもいいところだろうが、それほどの密度ではないのが残念だ。

それでも、岸の菜の花の映り込んだ水面を、桜の花びらがゆったりと流れていくのは、いかにも春の風情である。

ただ、春というのはうららかなだけではない。突如として春の嵐がやってくる。

午後二時過ぎに、一天俄にかき曇り、つむじ風が吹いて雷まで鳴り始めた。一時間ほどでまた日が射し始めたが、本当に春の天気は油断がならない。

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2007年4月 8日

卯月八日の歌

陰干しのダウンパーカを格好の羽毛布団として猫は寝る


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今日は一日水戸方面に仕事ででかけ、日がとっぷり暮れてから帰ってきた。というわけで、外の景色を撮る暇がなかったため、急遽写した我が家の猫の写真である。

冬の間に来ていたダウンパーカを陰干しして、しまおうとしていたら、猫がその上で気持ちよさそうに眠ってしまっている。

「こら!」 と声をかけても、「何がいけないの?」 とばかりに、薄目を開けてこちらをちらりと見るだけだ。本当に猫は自分の都合のみで動く。

我が家の娘たちは、猫のそうした自分勝手さが、何とも言えない魅力だという。確かにわからないでもないが。

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2007年4月 7日

卯月七日の歌

この秋に消ゆる土手とて菜の花は力振り絞り咲いてゐるなり


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我が家の裏を流れる川の土手では、菜の花が満開だ。ここの菜の花は、一年おきに見事になるのだが、今年は何故か、去年に続いて見事な咲き方である。

前にも書いたが、この土手は川幅を広げる工事のために、今年の秋には取り崩されてしまう。菜の花はそれを知っていて、この土手に名残を惜しむために、力を振り絞って咲いているかのようだ。

よく調べればそれなりの物理的な理由が見つかるのだろうが、それにしても、このあたり、なんとなく自然と生命の不思議な力を感じてしまう。

今日は朝から春らしい陽気である。これから仕事で外出だ。雨が降らないのはありがたい。

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2007年4月 6日

卯月六日の歌

黄昏の小道に咲ける著莪の花 明くれば消ゆる露の如くに


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駅の近く借りている駐車場から駅に向かう道の端に、珍しいきれいな花が咲いていたので、写真に撮っておいた。

家に帰ってから図鑑で調べると、「シャガ」 という花らしい。学名を 「アイリス・ジャポニカ」 というのだが、原産は中国ということだ。

小さな花なのだが、よく見ると妖艶なほどの美しさがある。別名を 「胡蝶花」 ともいうと書いてある。なるほどという気がする。

花は一日しかもたず、開花した翌日にはしぼんでしまうのだそうだ。いいタイミングで出会えたもののようだ。

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2007年4月 5日

卯月五日の歌

時ならぬ霙の後に日の射せば躑躅の花の芽吹きかけたり


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みぞれの降った昨日とはうって変わった春の陽気。それでも、三月中旬頃だったのだそうだ。日射しのある分、気分的には暖かく感じたのかもしれない。

神田周辺の歩道の植え込みのツツジが、ところどころで芽吹きかけている。このまま順調にいけば、連休明け頃にはとてもきれいに咲きそろう。

ちなみに、ツツジは千代田区の花なんだそうだ。

ところで、帰りがけに眺めると、取手周辺の桜は、散り始めてはいるものの、まだまだ葉桜の様相にはなっていない。十分に花見を楽しめるレベルだ。

やはり、咲きかけてから気温が下がると、長く花が楽しめるというのは本当のようだ。

 

 

 

 

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2007年4月 4日

卯月四日の歌

雷とみぞれに暮れて銀色の水銀灯に浮かぶ夜桜


 

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何でもありの天気の一日。朝は晴れ。昼頃から曇ってきて、夕方には一天にわかにかき曇り、雨、雷、みぞれ。

夕方から電車で行くには一番中途半端な距離を行かなければならなくなり、歩いているうちに土砂降り、みぞれ。晴れ男の私にしては珍しいほどのずぶ濡れになった。

時々、こうしたご奉納 (?) をしているから、大事なときはいつも晴れるのかもしれない。

日が暮れてから戻ってきくると、取手競輪場の周辺の桜は、まだ殊勝に咲いていた。月明かりもない闇夜で、水銀灯に桜色が浮かび上がる。

それにしても、この冬は雪が降らずに終わるかなどと言っていたのに、春になってから降るなんて、笑ってしまうなあ。

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2007年4月 3日

卯月三日の歌

天よりも地の賑わいの勝り行く頃とはなりぬああ花筵


 

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昨日あたりから急に寒さが戻ってきた。今日はさらに寒い。

天気予報では、夜が明けてからも気温がほとんど上がらないと言っていたが、雨が激しくなった分だけ、更に冷え込んでいるような気がする。

今日、出掛けの取手競輪場周辺の桜を見たが、まだそれほど目だって散り始めてはいない。とはいえ、少しずつ葉の緑色が目立ち始め、今日は一日雨なので、花見の時期は終わったということなのだろう。

桜が諸行無常感覚を増幅してくれるのは、満開の見事さと、葉桜になったときのギャップが大きすぎるからだろう。そのギャップが、ほんの二、三日で現出するから、ますます 「ものの哀れ」 感が強くなる。

今日あたりから、桜の木の下の 「花むしろ」 がどんどん分厚くなっていく。

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2007年4月 2日

卯月二日の歌

見上ぐれば諸行無常の花曇り後ろ姿の我を誰ぞ見る


 

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三日間、関東を離れたので、もしかしたら関東での桜の満開は見られないかもしれないと思っていたが、今日、出掛けに眺めた取手周辺の桜は、見事な満開だった。

どうやら間に合ったようだが、残念なことに、花見をしている暇がない。

今日は昨日までとは打って変わって、花曇り。気温も低くなってしまった。低くなったといっても平年並みということなのだが、昨日までがやけに暖かかったので、急に寒くなったような気がする。

花は少しずつ散り始めているが、そんなタイミングの方が満開らしい風情がある。このまま涼しい気温が続けば花も長く咲いているのだろうが、あいにく、雨になってしまうらしい。

桜が咲くと急に花冷えになって雨が降るというのは、毎年のお約束のようなものだ。考えてみれば、天気がよくて暖かくなったタイミングで開花するのだから、春先のこととて、次の波で涼しくなって天気が崩れるのは、当然のことなのかもしれない。

おしなべて、この世は諸行無常である。桜の季節は、そのことがとくに強く印象付けられる。

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2007年4月 1日

卯月一日の歌

はるばるとアジアの奥の砂漠より飛びに飛びたり山隠す砂


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昼前に酒田を発って、つくばの里に帰ってきた。途中、山形道から東北道にかけて、遠くの景色がかすんでほとんど見えない。ところどころ、茶色の土ぼこりが舞っている。

周囲に乾いた畑があるわけでもない山の中である。これはどうやら、中国から飛んできた黄砂のようだ。

車のフロントガラスにも、土ぼこりがびっしりと付いている。ウォッシャー液で拭うと、窓の下の方に、なかば泥のようになって流れ落ちる。東北方面では黄砂の被害がひどいとは聞いていたが、これほどとは知らなかった。

写真は、東北道の吾妻パーキングの様子。ご覧の通り、ごく手前の里山の影がわずかに見えるだけだ。本来なら、その向こうに重なり合う山々が遙かに見渡せるのだが。

福島県を越えて栃木県に入った辺りから、ようやく周囲の山の姿がすっきりと見えるようになった。関東ではあまり黄砂のひどさは感じられないようだ。

韓国では黄砂警報が出されたらしい。中国の環境破壊は、年々酷くなっているんじゃなかろうか。

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