卯月二十三日の歌
稀人を待ちて磨きし軒先につばくろはこの春も来たれり
「ああ、やだねえ、最近の新入社員たちの格好」 出先で、昼食からオフィスに戻った年配の重役が言う。「皆、似合いもしない、おんなじ黒づくめのスーツで、つるんで歩いてやがる」
確かに、この四月に新社会人になった連中は、一目見ただけでわかる。毛先をピョンピョン立たせたヘアスタイルで、全員、ピッタンコにフィットしたコムサの (多分) 黒いスーツだ。
私も、彼に共感する。ああまで同じ格好で、しかも群れて歩かなくてもよさそうなものだ。「個性の時代」 なんて、完全に嘘だ。ユニフォームの時代である。
話は変わるが、今年もスタバにツバメがやってきた。ツバメの白と黒のユニフォームは、歓迎である。
まだ雛は孵っていないようだ。日が暮れたので、一羽が卵を抱いている間は、もう一羽が外に出て、あたりを警戒している。
雛が孵ると、店先のロゴの一番右側にある "E" の文字は、糞に汚れてしまうのだが、スタバのスタッフは巣立つまでじっと我慢している。それがかえって美しい気がする。
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