皐月十四日の歌
人てふは死なぬものなり縁ありし人の心に生き続くれば
母の葬儀を終え、先ほどつくばの我が家に戻ってきた。なんだか、どっと疲れが出た。
不思議な感慨である。ため息ばかりもれて、悲しいことは悲しいけれど、少しもネガティブな感情ではない。むしろ、ありがたいという感慨、感謝とでもいえばいいような心情である。
その感謝は、亡き母への感謝、そして、生前に楽しい時を一緒に過ごしてくれた多くの人への感謝、そして、葬儀に身を惜しまず協力してくれた近所の人たちへの感謝でもある。
「亡き母」 と書いたが、葬儀に参列してくれた多くの人が、「死んでしまったような気がしない」 「あの笑顔で、今にも語りかけてくれそうな気がする」 と言ってくれた。そう言ってもらえる間は、まだ 「亡くなって」 いるのではない。生きているのだと思える。
思えば、人は、最後には自分以外の人たちの心の中で生きるのである。それだけに、生きているうちに周囲の人を大切にしなければならないなどと、殊勝なことを思ったりする。
そして、母は巧まずして自然にそれをしていたのだなと、感心する。
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