皐月二十五日の歌
安芸の地は浄めの雨の降り止みて旅路の我に薄日差し来る
広島は、いつから降りだしたものか、目が覚めたときには本格的な雨だった。午前中は、時々は土砂降りと言っていいほどの降り方になった。
私は自他共に知る晴れ男で、出張先で本格的な雨に降られたことは、少なくともこの二十年ぐらいは一度もなかったのである。
去年の沖縄出張で、「南国のスコールが見てみたい」 と念願していたら、よくよく帰り際に猛烈なスコールを目撃できた (目撃しただけで、濡れずに済んだ) のは、ご愛嬌として。
旅先では晴れるものと、悪くても小糠雨が一時的に降る程度のものと、私は漠然とという以上に信じ込んでいたのである。だから、これほどの土砂降りを旅先で見るというのが、何だか現実感がなく、不思議な感じだった。
それでも、仕事はぎりぎりで乗り切った。野外の撮影もなんとかごまかしながらクリアできてしまった。いくら土砂降りでも、ちょっとした晴れ間はあるものである。それを狙えば、なんとかなる。これまた、不思議なものである。
で、二時ごろには、なんと雨が上がってしまった。もう大丈夫。
思えば、このところ、ずっと晴れの天気が続いていたのに、この日に限って狙い撃ちのように雨が降ったのは、やっぱり 「お清め」 なのだろう。次からはまた、元の晴れ男でいけそうな気がする。
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