皐月二十九日の歌
涼風に薄紅葵の蜜を吸う蜂の羽音のしめやかに満つ
昼過ぎから曇りがちになってしまったが、朝のうちはとてもいい天気だった。土手の道に、マーロウの花が咲いている。和名は 「ウスベニアオイ」 というらしい。
多分、我が家の庭で育てていたのが、飛んでいったのだろうと思う。マーロウにはいろいろ変種があるらしいのだが、花の形が我が家のものとまったく同じだからだ。
このマーロウの前に立つと、蜂の羽音がブンブンと聞こえる。よくみると、何匹もの蜂が蜜を吸いに飛んできている。
空に満ちている鳥の声は賑やかだが、花の周りには蜂の羽音は、目立たずしめやかに聞こえる。それでも、命の気配の満ち満ちているのが感じられるのは、夏が近づきつつあるからだろう。
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