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2007年8月31日

葉月三十一日の歌

暑き日を雲に隠して多数派となりつつあるかつくつくほふし


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だいぶ涼しくなったとはいえ、ちょっと前なら、真夏の暑い盛りでもこのくらいの気温の日は、いくらでもあった。この頃は、三十二度以内なら涼しく感じてしまうこともあるのがおそろしい。

ようやく、聞こえてくる蝉の声の中でも、ツクツクホウシが多数派を形成しつつある。普通の年なら盆明け頃からそうなっていたような気がするが、今年はまあ、あの暑さだったのだから仕方がない。

蝉は暑い夏の生き物だとばかり思っていたが、いくら何でも暑すぎるのには弱いらしい。三十五度を越すと、死んでしまうこともあるという。そういえば、今年の夏は、木の下などに蝉の死体がぽろぽろと転がっているのが目立った。

これでようやく涼しくなるのかと思っていたが、週間天気予報をみると、東京は九月二日過ぎから三十度以上の日が続く。やれやれ。

 

 

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2007年8月30日

葉月三十日の歌

待ちゐたるこの涼しさを予報士は秋雨前線てふ名で呼びき


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二日間にわたって関わった展示会も終わり、普通の日常 (日常はそもそも普通のものだが) に戻った。

東京の気温は二十七度との予報だが、湿度が高いので蒸し暑く感じるが、一歩ビルの中に入ると、今度はエアコンで湿度が低くなるので、涼しすぎる。

というわけで、今日は今年初めて 「秋の歌」 というカテゴリーに分類しておきたい

多くのビルで、あの暑かった八月中旬と同じような冷房設定のままなんじゃないかと思う。入り口から入ったとたんにひんやりしすぎる気がする。暑さに慣れすぎたせいか、朝晩は肌寒く感じるほどだし。まったく、現代人の皮膚感覚は贅沢だ。

ビルの入り口、小雨に濡れた部分だけが色が変わっている。

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2007年8月29日

葉月二十九日の歌

降らぬ雨待つベイエリア工事中のクレーンはいつ動き始むる


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今日は唐突に、朝から涼しい。昨日から続いている展示会の会場から眺める空も、打って変わって重苦しい曇り空だ。

せっかく涼しそうなのに、展示会場に缶詰めで、外に出ることができない。大きなガラスから外をうかがうだけだ。

窓の外には大きなビルが立ち並び、その手前でも多分ビルを建てるのだろう、工事が進んでいる。こうした景色を眺めながら、今日は日が暮れるまで閉じこもっている。

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2007年8月28日

葉月二十八日の歌

夏の日の真白き光和らげば吹き抜けに射す黄昏の色


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天気予報では昨日が 「暑さの峠」 なんて言っていたのに、なんだ、今日もしっかり暑かったじゃないか。日が暮れてからは、少しは涼しくなったが、日が暮れたのだもの、これぐらい涼しくなってくれなきゃ、困る。

とはいいながら、明日の気温は二十七度ほどになると予想されている。ずいぶん急に下がるものだ。

実は今日から明日まで、某展示会に関わっている。初日の日程が閉幕して、会場の吹き抜けから見下ろすと、来場者が三々五々帰るのが見える。

この吹き抜けは、日中はさんさんと日が当たってまぶしいほどだったが、日が暮れると急に黄昏色に染められる。

さて、明日は雨になるそうだから、今日よりは人手が落ちるだろうか。

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2007年8月27日

葉月二十七日の歌

セルロイドの哀しき色のかざぐるま路地裏に待つ吹かぬ秋風


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今日が 「暑さの峠」 なんだそうだ。ということは、今日の暑さを通過すれば、明日からは少しずつでも涼しくなると期待していいのだろう。

ただ、あまり大層に期待すると、裏切られた時にショックが大きいだろうから、ほんの少しだけの期待にしておこう。

そう思って、Goo の天気予報をみると、東京は明日以後も三十度以上の真夏日が続くことには変わりないようだ。まあ、三十度とか三十二度ぐらいなら、三十五度に慣れた身には、まだ楽だろうが、それでも、やはり 「ほんの少しだけ」 の期待にとどめておく方がいいかもしれない。

取手駅に行くいつもの道に、どういう趣向か、門の前の小さな花壇に風車を四本立てている家がある。ところが、風の通りにくい路地なものだから、この風車、まともに回っているのを見たことがない。

ああ、涼しい風が欲しい。

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2007年8月26日

葉月二十六日の歌

行く夏を惜しむ人あり風渡る高速道のパーキングにて


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もう、行く夏を惜しむ人などいないと思っていたが、やはり、八月最後の日曜日である。あちこち、かなり混雑した。

私は仕事で出かけたのだが、高速道路は渋滞というほどではないが、それなりに混んでいて、パーキングは夏祭りの縁日のような演出になっている。

やはり行く夏を惜しむ人はいるのである。夏休みは今月末で終わっても、九月の最初の二日間が土日だから、子どもたちにとってはラッキーなんだろうけど、その頃には雨模様になるとの予報なので、やはり、今日が最後の夏休みの日曜日だったのだ。

そしてパーキングのはずれの方では、縁日の喧噪に馴染めないライダー達が、涼んでいた。

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2007年8月25日

葉月二十五日の歌

先駆けて鳴き始めたる一匹のつくつくほふしの声途絶えたり


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昨日はようやく真夏日が途切れたと思ったのに、今日はまたしても三十二度になり、明日はつくば周辺でも三十五度の猛暑日になるそうだ。やれやれ。

昨日付の 「今日の一撃」 にも書いたが、先週末に聞こえ始めたツクツクホウシの鳴き声が一向に増えない。猛暑がいつまでも続くので、早めに羽化してしまったツクツクホウシは、フライングを悔いているのかもしれない。

今朝から近くで一匹だけ盛んに鳴いていたツクツクホウシも、昼を過ぎて三十度を越してしまったあたりから、ぱったりと鳴き止んでしまった。もしかしたら、先週末から一週間の寿命が尽きてしまったのかもしれない。

ミンミンゼミとアブラゼミとヒグラシは、相変わらず盛大な合唱を続けている。

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2007年8月24日

葉月二十四日の歌

筑波嶺を仰ぐ地を灼く真夏日の途切れたる日の稲穂は重し<


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今日は東京が三十三度になるなんて言われていたが、途中で予報も修正されて、三十一度ほどで済んだようだ。茨城南部は二十九度で、ようやく真夏日が途切れた。

三十四、五度に慣れてしまうと、二十九度は涼しい。思い切り深呼吸をしても、頭がくらくらしない。なかなかいい気持ちの日だった。

とはいえ、二十九度で涼しく感じるというのは、今年の夏がいかに猛暑だったかということで、あまり嬉しくもない。

田んぼの稲は、かなり頭を垂れてきた。もうすぐ稲刈りが始まるだろう。

私の故郷、庄内では、稲刈りを 「いなかり」 (より正確には 「いながり」 と訛る) と言う。だが、ワープロでは 「いなかり」 と入力しても 「稲刈り」 に変換されない。それで初めて、共通語では 「いねかり」 なのだと知った。

「いなかり」 の方が雰囲気出るんだがなあ。私のイメージでは、「いねかり」 で収穫されるのは 「普通の米」 で、「いなかり」 で収穫されるのが 「おいしい米」 ということになっている。

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2007年8月23日

葉月二十三日の歌

朝雨に濡れゐし道は儚くも乾きて今は夕立を待つ


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昨日から待望の雨が降って、世界が少しは冷やされた。ただ、待望の雨とはいいながら、もう少しまともに降ってくれてもいいような気がする。

昨日の帰りは、落雷による停電とやらで、常磐線が一時間以上も遅れていたのだが、その割には、関東南部の雨は大したことがなかったようだ。

本格的に降ったのは、私の故郷の庄内の方で、天気情報をみたら、大雨洪水警報が出ていた。どうも、天気はうまく均等には収まらないようで、あちこちに極端が現れる。

とはいえ、都心の朝は、久しぶりに普通に呼吸してもむっとならない涼しさで、濡れた路面にはビルがくっきりと映っていた。

明日はまた三十四度になるというのだが、今のうちにもうちょっと雨が降って、地面を冷やせるだけ冷やしておいてくれないものかと期待している。

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2007年8月22日

葉月二十二日の歌

言ふまいと思ふことさへ諦めて言はぬ人なし今日の暑さを


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毎日こればかりみたいだが、暑い。とにかく暑い。今日は昨日よりもっと暑い。

もう誰も、「言うまいと・・・」 なんてことは思っていない。皆、顔さえ合わせれば 「暑い、暑い」 と言う。思いっきり言う。口に出しでもしないと、ストレスが溜まる。

近頃は、いくら暑くても日が暮れさえすれば、少しは涼しくなるような気がしていたが、昨夜は、風が吹いてもむっとするような熱風で、世界がほとんど冷えなかった。

ほとんど冷えないところに、またしても強烈な日が昇ってきたのだから、今日の電力使用量は大変なことになっているだろう。

朝、日陰を選んで歩いていても、ところどころ妙にまぶしくて暑い。ふと気付くと写真のように、反対側のビルの窓からの反射光が落ちていて、純然たる日陰じゃなくなっているのだった。日陰すらも侵略されている。

今日の歌は、なんだか狂歌じみてしまった。ああ、一雨欲しい。ざっと一降りしてもらいたい。

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2007年8月21日

葉月二十一日の歌

この街になきものなれば一本の大樹となりて風を呼びたし


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いやはや、暑い。東京は今日も猛暑日だったろう。朝、神田駅から下町の路地を歩いているだけで、頭がくらくらするほどだ。

予報では、今月末まで真夏日が続くらしい。やれやれ。

オフィスの中に入っても、ビルの外壁が熱くなりきっているせいか、冷房をそこそこ利かせていてもじっとりと汗ばんでしまう。

いつもの年なら、お盆が過ぎれば行く夏を惜しむような感慨にとらわれてしまったりすることもあるのだが、今年に限っては、全然そんな感傷的な気分にならない。さっさと秋になってくれることを願うばかりである。

 

 

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2007年8月20日

葉月二十日の歌

日暮れては温かき雨通り過ぎかはづの寝ぬる草枕かな


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十一日振りに東京都心に出てきて仕事をしている。今日も都心は三十六度に達する猛暑日。それでも、十六日や十七日の暑さと比べたら少しはましだ。

朝、出掛けに車のフロントフードにアマガエルがいた。この写真を撮った直後に、ワイパーの収納される隙間の奥に隠れてしまったので、つまみ出すわけにいかず、急いでもいたので、そのまま出発。

そのうち音を上げて、信号待ちの時にでも飛び出すかと思っていたのだが、なかなかしぶとく隠れたままである。ついに駅近くに借りている駐車場まで辛抱していた。

そのままにして駅に向かったのだが、あのカエルは全然知らないところに連れてこられて、さぞかし面食らってしまっただろう。ただ、日が暮れてから雷とともに一雨来たので、案外新しい環境に順応してしまったかもしれない。

帰化植物とか動物とかいうのも、こうしたケースの壮大スケール版で生じてしまうのかもしれない。

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2007年8月19日

葉月十九日の歌

鳴き方を研ぎ澄ます間もなく死ぬるつくつくほふしの夏ははかなし 


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嘘のようにしのぎやすかったのは昨日一日だけで、今日はまた暑さが戻ってきた。とはいえ、体に耐性ができてしまっているのか、三十三度や三十四度では、「まだまだ大丈夫」 という気がする。

耐性ができてしまったのはありがたいが、そうなってしまうほどの今年の暑さは、あまりありがたくない。

ツクツクホウシの鳴き声が目立ってきた。シズル感たぷりのアブラゼミの声に取って代って、この声が主流派になると、今年の夏も終わりに近づく。例年なら、夏の終わりは名残惜しいような気がするが、今年は 「早く終わってくれ」 と思うばかりだ。

以前、"Today's Crack" の 「ツクツクホウシの修練」 という記事に、"ツクツクホウシは、「オウシ、ツクツクツク・・・オウシ、ツクツクツク・・・」 と、何度か繰り返すと、根気が続かなくなり、「ツクツク・・・ピーギョーピーギョー」 と、ウヤムヤに帰してしまうのである" と書いたことがある。

ツクツクホウシは、蝉の中では最も複雑な鳴き方をするのだが、悲しいことに、その鳴き方を完成段階にまで高めることができない。鳴き始めてたった一週間で命が尽きてしまうので、ウグイスのようには修練ができないからだと、私は根拠もなく思っている。

蝉の命と同様に、夏もはかない。今年の 「はかなさ」 は、ちょっと強烈だが。

 

 

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2007年8月18日

葉月十八日の歌

荒妙の俵藤太の祀らるる山より望む将門の里 


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今日は本当に過ごしやすい一日だった。朝のうちに雨がぱらついたが、栃木県佐野市への出張中には完全にあがり、それでも、気温はそれほど上がらずにすんで、生き返ったような気がした。

昨日までの滅茶苦茶な暑さに順応しようとしていた体には、今朝の涼しさは肌寒いまでに感じたが、このしのぎやすさも今日一日だけのようで、明日からはまた、最高気温が三十三度に達する真夏日が続くようだ。

ただ、熱帯夜からは解放されそうなのでありがたい。このところの熱帯夜は、二十五度なんてものじゃなく、二十七度ぐらいあったから、部屋の中の熱気が冷め切らず、本当に寝苦しかった。

今日は佐野の唐沢山というところに案内してもらった。ここは、平将門を討った藤原秀郷 (俵藤太) の子孫、佐野氏が城を構えたところだという。俵藤太を祭神とする唐沢山神社もある。

写真は唐沢山からのながめ。空気が澄んだ正月などは、新宿副都心のビルも望まれるという。将門の本拠、下総の地はすぐ間近である。

「荒妙の (あらたへの)」 は、「藤」 にかかる枕詞。今回は無理矢理、俵藤太にかけてみた。

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2007年8月17日

葉月十七日の歌

かろうじて深呼吸する暑き日に白き木槿は雨を待ちゐる 


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昼前までは天気予報通りに曇っていて、かなりしのぎやすかったが、昼過ぎからはすっかり晴れて、また暑くなってしまった。

とはいえ、昨日までの気の狂ったような暑さと比べれば、まだ大分ましだ。三十三度でしのぎやすく感じてしまうというのも、おかしな話だが、とにかく昨日までは暑すぎた。

昨日は、日陰だろうが、風通しがよかろうが、勘弁してくれというほどの暑さだったが、今日は、風通しのいい日陰ならば、かろうじて昼寝ができそうなぐらいの気温だ。

確かに、昨日までとは空気が違っている。昨日は息を吸っただけで、体温より高い空気が肺の中に入ってきて、頭がぼうっとしそうだったが、今日は気持ちよく深呼吸ができる。少しは生き返ったような気になる。

明日は栃木県に出張。北関東は曇り時々雨で、気温は三十度を切るという予報が出ている。晴れ男の私が出張する日は、「時々雨」 程度の予報では大抵晴れてしまうのだが、明日に限ってはこの予報、どうか外れないでもらいたい。

ムクゲの花も、雨を待っているような風情である。

 

 

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2007年8月16日

葉月十六日の歌

日暮れても降る蝉の声その中につくつくほふしの初音ぞ聞こゆる


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あんまり暑すぎて、夕方になるまでは屋外の写真なんか撮る気になれない。夕暮れに土手を散歩しながら、夕焼けの写真を収めた。

今日はあちこちで四十度を超えてしまったようだ。山形市の不滅の記録だった四十・八度が、七十四年ぶりに破られて、多治見市と熊谷市で四十・九度を記録。山形は、たった一日でナンバー・スリーに落ちてしまった。

多治見と熊谷の人たちとしては、こんなことで記録を更新しても、あまりうれしくはないだろうが、話の種にはなるかもしれない。

暑さは今日がピークらしく、明日は少しは気温が下がるようだ。確かに、夕方になってからは、これまでとは空気が違って来ているような気配がある。少しだけ涼しい風が吹き始めた。

暮れかけても蝉の声は止まないが、その中に、ちらほらとつくつくほうしの声が混じり始めた。この声が聞こえてくれば、夏は終わりに近づいているということだ。

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2007年8月15日

葉月十五日の歌

暑き盆ひねもす蝉の声聞けば昔のことのみ思はるるなり


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今日も大変な暑さだった。群馬県の館林では、四十・二度を記録したという。つくば周辺の最高気温は三十六度。明日は三十七度になるという予報だ。

今日と明日が暑さのピークで、土曜日からは少しは気温が下がるということのようだが、なにとぞ、そうであってもらいたい。明後日以後もこんなのでは、体がもたない。

そういえば、我が故郷、酒田も、昭和五十三年八月三日に、四十・一度を記録している。これは台風のフェーン現象によるものだったが、ちょうどその日、私と妻は、南アルプスの三千メートルの稜線で、ちっぽけなテントにこもって、そのフェーン現象の原因である台風の過ぎるのを待っていたのだった。

風の音が強まるたびに飴のように曲がるテントの中で、ラジオの天気予報を聞いていると、酒田で四十・一度を記録したと告げていたので、びっくりした記憶がある。

後で家族に聞いてみると、あの日は日陰にあるものでも、触るとみんな熱かったそうだ。直前まで人の座っていた座布団に座ると、ひんやりと感じたというのだからすごい。

夕方六時ごろ、雷鳴が聞こえたので外をみると、筑波山の方角に、雷雲が手前と向こう側の二重になって湧いていた。手前の雲でも相当なものだが、その向こう側のは、超大型である。沈みかけた夕日を受けて、なかなかの見ものだった。

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2007年8月14日

葉月十四日の歌

あれほどに湧き上がりたる白雲の鎮まる夕べ夏は短し


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彼岸の中日。少しはゆっくりできるかと思っていたら、とんでもない。忙しい一日なのだった。

まずは運転免許の更新。誕生日は先月の二十六日で、これまで誕生日以後に更新したことはなかったのだが、今年はすっかり忘れていた。

郵便物の整理をしていて、免許更新通知の葉書が見つかったので、かろうじて思い出したが、うっかりすると失効してしまうところだった。

免許を更新したついでに、車の六ヶ月点検。しばらくまともな点検をしていなかったので、販売店にもちこんでみてもらった。とくに異常なし。安心。

そして、携帯電話の機種交換。昨年の五月 (参照) に続いて、またしても洗濯物のポケットに入れたまま、洗濯機で洗ってしまったのだ。前回は中のデータが完璧に死んでしまったが、今回は真夏の炎天下で車のダッシュボードの上に放置して乾かしたら、かろうじて生き返った。

というわけで、なかなか忙しい一日なのであった。空には入道雲が湧いていた。

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2007年8月13日

葉月十三日の歌

夕暮れの家々の影長く伸び小さき川を越えて映りぬ


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彼岸である。つくばに戻って、朝のうちは涼しいような気がしていたが、午後になるとどんどん気温が上がって、やはり関東の夏という一日になった。

いろいろな種類のセミの声が入り交じって響く。人間は汗をたらしながら、それを聞いている。

それでも、午後五時を過ぎると、日が陰り始めて、影が長くなる。裏の小川の土手に、家々の影が映っている。

この土手も今年限りで、冬になれば崩されてしまう。新しい土手は既に向こう側に築かれている。あそこまで影が伸びることは、なかなかないだろう。夏の夕暮れの景色が変わってしまう。

 

 

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2007年8月12日

葉月十二日の歌

立ち昇る蒸気の中に我はゐて五十余年の夏を見下ろす


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今日は忙しすぎて、写真を撮っている暇がなかったので、昨日撮影した鳥海山の写真で失礼。昨日のがクローズアップ、今日のが遠景だ。

空の上の方は真っ青だが、下の方は立ち上る蒸気で白っぽい。あれはまさに、湯気である。

朝に酒田を発ち、仙台で妻の親戚廻りをして、夜になってつくばの里に戻ってきた。

今回の東北の暑さは大変なものだった。途中で、寒河江の道の駅に寄った時などは、肌が焼け焦げそうな勢いの暑さだった。

仙台はあまり極端な暑さになることのない土地だが、今日は大変な日射しで、頭がクラクラしそうだった。

夜になって帰ってきたつくばは、東北ほどの暑さじゃないような気がする。それでも、天気予報をみると、あしたは三十四度になるという。やっぱり暑さは変わらない。

ただただ、暑い暑いと言いっぱなしの四日間だった。

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2007年8月11日

葉月十一日の歌

変はらざる位置と形と白さにて雪渓見ゆる夏の鳥海


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酒田は関東に比べて少しは涼しいだろうと期待していたが、とんでもない。大変な暑さになってしまった。

昨日はお昼に大雨が降ったのに、三十二度まで上がり、今日は三十四度になるという。明日はさらに上がって、三十六度まであがると予想されている。まるで酒田じゃないみたいだ。

今夜は熱帯夜になることが確実だという。やれやれ。

近くを流れる新井田川 (にいだがわ) の土手から見える鳥海山は、頂上が少しだけ雲に隠れている。頂上直下に、万年雪の雪渓が見える。幼い頃から、どんな夏でも変わらぬ形だ。

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2007年8月10日

葉月十日の歌

聞こえ来る方角ごとに数ふれど数へきれなき蝉の声降る


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酒田に来ている。母の新盆の直前だが、十日が命日なので、昼前に坊さんが来て、お経を上げてくれた。

朝のうちに、父と一緒に墓参りを済ませておいた。どうも虫の知らせで、早く済ませておいたほうがいいような気がしたのである。

案の定、坊さんが帰るあたりから大雨になった。天気予報では曇りで、降水確率は二十パーセントだったのだが、どうみても二十パーセントという降り方ではない。

早く墓参りに行っておいてよかった。

雨が止むと、庭に面した引き戸の網戸に、セミがやってきて、かなり長い間止まっていた。生きて止まっているセミを腹の側から見るというのは、なかなか珍しいことである。

この辺りはセミが多い。夜になっても、公園の明かりで勘違いしたセミが急に鳴いたりする。

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2007年8月 9日

葉月九日の歌

夕暮れに入道雲の静まればしばし際立つ空の青さよ


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午後五時頃につくばの地を発って、車でひた走りに走り、日付が変わってから酒田に着いた。試しに、高速道路をまったく使わずに走ってみたのだが、九時間がかりの道のりだった。

高速道路を使っても、大体六時間ぐらいはかかるから、急ぐ旅でなければ、一般道を使う方が楽しい。高速道路は、道路に閉じ込められているような気がして、あまり好きではない。

もっとも、十日になったら、帰省ラッシュが始まって、こんなわけにはいかないだろう。多分、高速道を使っても八時間ぐらいかかると思う。一日早く出発したおかげで、スムーズに楽しみながら来れた。

写真は、日が沈む前に写したもの。栃木県境を越えた辺りである。あれだけもくもくと湧き上がっていた入道雲が、見る間に静まってゆく頃だ。空だけはまだ十分に青い。

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2007年8月 8日

葉月八日の歌

稲の穂の一夜のうちに垂れかかる田の中にこそ秋は立つなれ


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立秋だが、あまりにも暑いので、カテゴリーは 「夏の歌」 にしておく。立秋とは、夏の中で秋の気配の生じ始める日だと考えるのが、実際の季節感に沿っている。

確かに、暑い中でも、とくに植物の世界で秋の気配は生じ始めている。昨日は、稲の穂が色づき始めながらも、まだ垂れるまではいたっていないという歌を詠んだが、一夜にして稲は頭を垂れ始めているのだった。

夏の日差しの威力はすごい。

さて、私は明日から酒田に逃げることになる。出発は夕方なので、もしかしたら更新は夜中近くになるかもしれない。酒田は少しはしのぎやすいだろう。

 

 

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2007年8月 7日

葉月七日の歌

稲の穂のやや黄味を帯びしかもなほ垂るる能はず明日は立秋


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ようやく梅雨が明けたと思うまもなく、明日が立秋である。今日までは 「暑中見舞い」 だが、明日からは 「残暑見舞い」 だ。ずいぶんしんどい残暑にはなるだろうが。

立秋になると、放送などでは 「暦の上ではもう秋」 などと枕詞のように言われるが、「もう秋」 というよりは、「秋の気配のスタート」 の日という意味合いだと、私は思っている。

秋への道しるべの立つ日だと思えばいい。そういえば、夏至の頃と比べて、既に夜がずいぶん長くなっている。関東では、七時になればもう立派な 「宵の口」 だ。

近所の田んぼでも、稲の穂が出始めた。八月末になれば、稲刈りの始まるところもある。季節の移ろいは早い。

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2007年8月 6日

葉月六日の歌

露ほどの隙間のあらば埋めんとす夏の命の草に宿りて


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今日の気温は三十三度まで上がるそうだ。Goo の天気予報ページをみると、東京は明日から一週間、ずっと晴れマークの連続で、最高気温も三十四度と表示されている。

私は今週末から酒田に逃げることになる (新盆だし) ので、向こうの天気予報をみると、最高気温はせいぜい三十度だ。ああ、庄内は住みやすい。

今朝、駅に向かう道で、コンクリートのひびからツタが伸び始めているのを見つけた。このひびは、あるかなしかの亀裂で、よくまあ、こんなところから生えてきたものだと感心する。

それよりも、このコンクリートの内側はどうなってるんだろう。

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2007年8月 5日

葉月五日の歌

立ち上る乳白色の朝霧の彼方に見ゆる彼の夏の我


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「なつの あさ」 という絵本がある。作者は谷内こうた。内容の一部は、こちら で見ることができる。

今月になって梅雨の明けた頃から、「なつの あさは みんな しろい」 というフレーズが、いつも頭の中で繰り返されていた。これは 「なつの あさ」 の書き出しである。

この絵本は、一九七〇年初版。私がまだ高校生のときだ。そして、妻と一緒になり、長女の生まれるずっと前に、この本を買ったのだという記憶がある。自分が気に入って買ったのだ。

何が気に入ったといって、この 「なつの あさは みんな しろい」 というフレーズに参ってしまったのである。これでもう、日本の夏は言い尽くされていうるような気さえする。

「一晩眠ればケロリ」 というブログのびっけさんという方が、この絵本について、とても素敵な解説をしてくれている (参照) ので、私の言うことはこれ以上ない。日付をみて、わずか四日前に書かれたエントリーと知った。

この季節に、同じ絵本を開きたくなる人がいると知って、ちょっとうれしくなった。本当に、夏の朝は白いから。

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2007年8月 4日

葉月四日の歌

刈草の根無し草ともなるを得ずただ灼けてゆく熱き日を浴び


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朝から黙っていても汗が流れ落ちるほどの暑さ。しかし、台風に吹き込むのだろう。風が強い。

うちの田舎は、昨日、台風の影響によるフェーン現象で、三十七度まで気温が上がったそうだ。まあ、フェーン現象だから、湿度が上がらないので、それほど死にそうな暑さではなかっただろうが、それでも、日陰の壁を触ってもなま暖かく感じる暑さである。

裏の川は、先日草刈り専用車が来て、土手の草をきれいに刈ってしまった。刈られて細かく粉砕された草が焼けて、まるでサバンナのような色合いになって土手を覆っている。

ここまで暑いと、根から離れた草は、「根無し草」 などと言っている暇もない。一気に死の色になる。

そして、雑草の目隠しが取れてしまったので、今ある土手の向こうに、新しくできた土手が見通せるようになった。(写真では、重なって見えるのでわかりにくいかもしれない)

この冬には、手前の土手が崩されて、川幅が二倍になるのだろう。そうなると、景色がかなり変わってしまう。

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2007年8月 3日

葉月三日の歌

生くるもの死にたるもののなひ交ぜの蒸気は昇る雨の止む夏


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夜明け前からむっとするような蒸し暑さで、日が昇るにつれて不快指数はみるみるうちに増してゆく。

朝、取手駅近くに借りている駐車場に車を置いて、駅に向かう道を辿ると、このあたりは早朝に雨が降ったらしく、路面がじっとりと濡れている。

林の中にも降り注いだ雨が蒸発するにつれて、むっとするほどの有機質の臭いが漂う。濃い夏の臭いである。

ようやく、関東にもあの暑い夏が来たのだと実感する。

昼に外に出ると、気温が上がった分、相対的に湿度が下がったようで、思いのほか風の湿り気は軽くなっていた。しかし、夕方を過ぎて気温が下がると、また寝苦しい夜になるだろう。

台風は日本海に抜けたようだが、私の故郷の方に向かって進んでいるようだ。早く勢力を弱めて、恵みの雨だけを降らしてくれるとありがたい。

 

 

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2007年8月 2日

葉月二日の歌

無花果の青く硬きに我が青さ変はらざること重ねみる夏


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取手駅に行く道すがら、イチジクの実がふくらみ始めている。まだ青く、いかにも硬そうだが、秋になれば熟して色が変わるのだろう。

イチジクは秋の果物だと思っているので、こんなに早くからふくらみ始めるというのは、意外な気がした。じっくりと一月以上かけて熟すのだろう。

そして、熟す前に鳥に食べられてしまってはかなわないから、こうして周囲の葉と同じ色のまま、時期を待つのだろう。本当に目立たない。今日の写真は、ほとんど緑色だけだ。

ところで、私ときたら、いつになったら熟すのだろう。

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2007年8月 1日

葉月一日の歌

蝉として宿りゐたりし命のみ抜けてぞかろき抜け殻揺るる


0708011

今朝、取手駅に向かう途中の道で、セミの抜け殻を見つけた (多分、セミのものだと思う)。

セミの抜け殻といえば、樹の幹に引っ付いていたり、根元に転がっていたりということが多いが、今日の抜け殻は、草の縁がお尻の突起に引っかかって、アクロバティックな姿でぶら下がっている。なかなか珍しい姿なので、思わずデジカメで撮ってしまった。

土中で数年間、羽のない虫の姿で生きてきたものが、地上に現れて古い殻を脱ぎ捨てる。そこから先は、僅か一週間ほどの命とはいえ、内に宿る命の、止むに止まれぬ衝動だ。

抜け殻というのは、なかなか面白い。死骸ではなく、単に命の抜け出た殻なので、悲しいイメージがない。あっけらかんとしている。

 

 

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