葉月一日の歌
蝉として宿りゐたりし命のみ抜けてぞかろき抜け殻揺るる
今朝、取手駅に向かう途中の道で、セミの抜け殻を見つけた (多分、セミのものだと思う)。
セミの抜け殻といえば、樹の幹に引っ付いていたり、根元に転がっていたりということが多いが、今日の抜け殻は、草の縁がお尻の突起に引っかかって、アクロバティックな姿でぶら下がっている。なかなか珍しい姿なので、思わずデジカメで撮ってしまった。
土中で数年間、羽のない虫の姿で生きてきたものが、地上に現れて古い殻を脱ぎ捨てる。そこから先は、僅か一週間ほどの命とはいえ、内に宿る命の、止むに止まれぬ衝動だ。
抜け殻というのは、なかなか面白い。死骸ではなく、単に命の抜け出た殻なので、悲しいイメージがない。あっけらかんとしている。
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