葉月十日の歌
聞こえ来る方角ごとに数ふれど数へきれなき蝉の声降る
酒田に来ている。母の新盆の直前だが、十日が命日なので、昼前に坊さんが来て、お経を上げてくれた。
朝のうちに、父と一緒に墓参りを済ませておいた。どうも虫の知らせで、早く済ませておいたほうがいいような気がしたのである。
案の定、坊さんが帰るあたりから大雨になった。天気予報では曇りで、降水確率は二十パーセントだったのだが、どうみても二十パーセントという降り方ではない。
早く墓参りに行っておいてよかった。
雨が止むと、庭に面した引き戸の網戸に、セミがやってきて、かなり長い間止まっていた。生きて止まっているセミを腹の側から見るというのは、なかなか珍しいことである。
この辺りはセミが多い。夜になっても、公園の明かりで勘違いしたセミが急に鳴いたりする。
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