葉月五日の歌
立ち上る乳白色の朝霧の彼方に見ゆる彼の夏の我
「なつの あさ」 という絵本がある。作者は谷内こうた。内容の一部は、こちら で見ることができる。
今月になって梅雨の明けた頃から、「なつの あさは みんな しろい」 というフレーズが、いつも頭の中で繰り返されていた。これは 「なつの あさ」 の書き出しである。
この絵本は、一九七〇年初版。私がまだ高校生のときだ。そして、妻と一緒になり、長女の生まれるずっと前に、この本を買ったのだという記憶がある。自分が気に入って買ったのだ。
何が気に入ったといって、この 「なつの あさは みんな しろい」 というフレーズに参ってしまったのである。これでもう、日本の夏は言い尽くされていうるような気さえする。
「一晩眠ればケロリ」 というブログのびっけさんという方が、この絵本について、とても素敵な解説をしてくれている (参照) ので、私の言うことはこれ以上ない。日付をみて、わずか四日前に書かれたエントリーと知った。
この季節に、同じ絵本を開きたくなる人がいると知って、ちょっとうれしくなった。本当に、夏の朝は白いから。
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コメント
はじめまして。
私のつたない記事に共感していただき、さらにはトラックバックもつけていただきまして、ありがとうございます。
「立ち上る 乳白色の朝霧の 彼方に見ゆる 彼の夏の我」
この絵本の風景にピッタリの、夏の朝の情感が伝わる、すてきな短歌ですね。
写真も白い霧がかった田んぼの感じがとても好きです。
実家が仙台なのですが、ちょっと故郷を思い出しました。
投稿: びっけ | 2007年8月 6日 00時05分
びっけ さん:
コメント、ありがとうございます。
実は「なつのあさはみんなしろい」のキーワードでググッてみつけました。
すばらしい記事だと思って、ついトラックバックさせていただきました。
今後もちょくちょくお邪魔させていただきますので、よろしく。
投稿: tak | 2007年8月 6日 11時23分