神無月十二日の歌
有明の聳ゆるビルを幻と化してセイタカアワダチソウ生ゆ
仕事で東京湾岸の有明に来ている。ここはかの有名なビッグサイトを始め、最近はいろいろなビルが林立している。
「ゆりかもめ」 の有明駅で下車し、延々とエスカレーターを下ると、そこに、二十年前の有明の姿を残す一画があり、セイタカアワダチソウがぼうぼうと生い茂っている。
バブルの絶頂期の頃、某紙の取材で、このあたりを歩き回ったことがある。荒地の中に、ところどころ、びっくりするようなデザインの建物があり、中でも目立ったのが MZA 有明 (エムザ有明) なんていうイベントホールだった。
周囲には、ディスコ (当時はまだ 「クラブ」 じゃなく 「ディスコ」 と言ってたなあ) などもあって、六本木との間にシャトル・バスが行ったり来たりしていた。あたりを見渡すと、まさに見渡す限りのセイタカアワダチソウばかりだったのだが。
「トレンディを気取るのも大変だな」 としみじみ感じた覚えがある。今は昔の物語。この建物の跡地には、今は格闘技専用アリーナの 「ディファ有明」 というのが建っている。
あの頃のセイタカアワダチソウは背丈より高かったが、今では日本の風土の中でモディファイされてしまったようで、だいぶ背が低くなった。
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