睦月二十三日の歌
東京の雪は儚しわづかなる土を真白に染むる能はず
朝から雪になると聞いていたので、覚悟して雨戸を開けたら、何のことはない、単なる小雨だった。
しかし、ラジオを聞くと東京では雪になっているという。「次第に大粒の雪になってきました」 と、街灯からのレポートも興奮した声だ。
東京も筑波も両方とも雪で、ただ南に位置する東京の方が積雪が多いというのは、それほど珍しくない。関東の雪は南岸の低気圧のせいで降るからだ。しかし、つくばが雨なのに、東京が雪というのは珍しい。
電車で都心方面に向かうと、北千住を過ぎた辺りから雨が雪に変わってきた。しかし、ラジオのレポーターがあんなに興奮して伝えるほどの雪じゃない。東北生まれの目で見ると、寿司で言えば、かっぱ巻き程度の雪である。
神田では街路樹の根元がほんの少し白くなっていたが、昼が近づくにつれてみぞれになり、解けてしまった。
それにしても、関東は本当に雪が少なくなった。ちょっと前までは、雪かきで積み上げた雪の塊が、一週間ぐらい解けずに、土に汚れて真っ黒になっているという光景が見られたのに。
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