卯月二十八日の歌
自らの誰も渡らぬ影のみを道に刻みて歩道橋悲し
今日もまた、朝方は涼しかったものの、昼頃には初夏を思わせるような陽気になった。
所用で水戸方面に車で出かける。エアコンをつけるほどではないが、暖房を切って外気を入れてちょうどいいぐらいの、つまりとても気持ちのいい日だった。
国道六号線の信号待ちで停車していると、横断歩道橋の影が、アスファルトの上にくっきりと刻まれている。太陽の光が夏に近付きつつある。
それにしても、田舎道の歩道橋ほど悲しいものはない。誰も渡る人がない。本当に、誰も渡らないのである。多分、この歩道橋一本に一千万円以上かけて作ったのだろうに、これほど利用されない設備というものもない。
誰も渡らない歩道橋は、アスファルトに影を落とすしか役割がない。
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