葉月七日の歌
秋に向かふ道しるべ既に立ちたれど我が秋も未だ遠しとぞ思ふ
今日は立秋。放送などではよく、「暦の上では、もう秋」 なんて決まり文句のようにいうが、それは正しいようで、正しくないようで、微妙なところである。
「暦便覧」 によると、「立秋」 というのは 「初めて秋の気立つがゆへなれば也」 ということになっている。「もう秋」 というよりは、「秋の気配が初めて感じられる日」 といことのようだ。
秋らしい秋が今日から始まるわけでは決してない。「秋に向かう道しるべが立つ日」 ぐらいに思うのが無難だ。二月初めの立春の頃が一番寒いのと同じで、実は今頃が一番暑いのである。
八月二十三日が 「処暑」 という日で、「陽気とどまりて、初めて退きやまんとすれば也」 ということになっているので、それまでは、「陽気」 というのはとどまらず、暑い日が続くと、覚悟しておく方がいい。
というわけで、今日も朝から暑いので、実感的に 「夏の歌」 ということにしておく。
私もまた、先月に五十六歳になってしまったが、まだまだ 「人生の秋に向かう道しるべが立ったのみ」 と思うことにしようと思う。
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