長月四日の歌
朝ごとに田の畦道の決まりたる場所に一羽の鷺の待ちゐる
毎朝、車で常磐線取手駅に行くときに、田んぼの中の近道を通る。
昨年の今頃は、もう稲刈りが始まっていたが、今年は八月後半から日照が少ないためか、まだ始まっていない。とはいえ、最近は稲の穂もかなり色づいて頭を垂れてきた。
この田んぼの中の近道で、近頃いつも白鷺に出会う。毎朝同じような時刻に通ると、田んぼの畦の同じ場所に佇んでぼうっとしている。
多分、この白鷺のとっておきのお気に入りスポットなんだろう。
構わず近づいていくと、五十メートルほどの距離になったところで、面倒くさそうに飛び立って、別の場所に移る。邪魔をしたみたいで申し訳ないが、こちらも急いでいるので仕方がない。
今朝も、鷺はやはり同じところにいる。たまたま時間にちょっと余裕があったので、スピードを落として歩くような速さでそろそろと近づいていくと、いつもよりずっと間近まで寄ることができた。
そこでいきなりカメラを出したら、驚いて逃げてしまうだろうから、そうっとさりげなく取り出して、目立たないように構えて写してみた。鷺をこんなに大きく写せたのは初めてである。縮小する前の画像では、白目と黒目の境目まではっきりと映っている。
もう少し近づきたかったが、さすがに逃げられてしまった。これから時間をかけて、少しずつ距離を詰めてみようかとも思う。
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