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2008年12月31日

平成二十年大晦日の歌

蒼鷺の立ちて留まる岸辺より逃げし白鷺戻りまた立つ


Wakalog_081231_2 我が家の裏手を流れる川の向こう岸に、白鷺と蒼鷺が並んでいた。白鷺はしょっちゅう来るが、蒼鷺は、見ないわけじゃないが、白鷺ほどにはお馴染みじゃない。

それだけに、白鷺と蒼鷺の並んでいるショットなんて珍しいから、さっそくデジカメをもって近付くと、白鷺は気配を察して飛び去ってしまった。

いつも思うのだが、白鷺はかなり神経過敏で、人の気配や物音を敏感に察知してすぐに飛び去る。しかし、蒼鷺は呑気というか豪毅というか、相当に近付いても平気で立っている。

白鷺は自然界にいて目立つので、やはりどうしても用心深くなってしまうのだろう。蒼鷺は、保護色っぽいといえばいえる。諦めきれずにしばらく待っていると、白鷺が戻ってきた。よほど気持ちのいいスポットのようだ。こんどは静かに近寄り、そっとシャッターを押した。

ただ、川の向こう岸だけに、いかにも遠すぎる。私のカメラは望遠七・一倍と、コンパクト・デジカメとしてはちょっとしたスペックなのだが、それでも、トリミングしてこの程度だ。これ以上トリミングすると、ボケボケになってしまう。

こんな時、三十倍ぐらいで写せるカメラが欲しくなったりするが、それだと大きすぎて気軽にどこでも持ち歩くというわけにいかなくなる。当和歌ログは、和歌と、あちこちで気軽に写した写真と、日記と、それと最近では英訳詩の四点セットなので、やはりコンパクト・デジカメに軍配があがる。

ちなみに英訳詩の方は、「英文自由律和歌」 と思うことにした。

A snowy heron suddenly flew away
From the opposite bank of the stream
Where a grayish heron kept to stay
Then, the snowy came back with a gleam

Wishing you all a Happy New Year!

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2008年12月30日

師走三十日の歌

行く年よ夕べの月の行く川に動かず映る如く鎮まれ


Wakalog_081230 今年もあと二日、というより、今日はもう暮れかかっているので、あと一日ちょっとである。

今年の暮れは、あわただしさの上に家族が風邪でダウンしてしまい、年末のルーティンワークが全然進んでいない。

今年のゴミ収集は終わってしまったので、今頃下手に大掃除すると、正月をゴミ袋に埋もれて迎えなければならない。いっそ、三が日を過ぎてから大掃除しようと思う。大変則だ。

今日は静かに開けて静かに暮れた。裏の小川もほとんど波立たず、静かに流れている。その向こうの県道は、家路に着く車にヘッドライトが灯され始めた。

せめて年の最後だけは静かに暮れてもらいたい。

May this year go not so soon
Show us the final scene as calm
As a image of the twilight moon
On the stream go through farm

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2008年12月29日

師走二十九日の歌

さざ波に揺るる己の白き影に食ひ込む魚を鷺は捕るなり


Wakalog_081229 今日から来年の正月四日までどこにも出かけなくていい日が始まる。ただ、出かけなくてもいいだけで、仕事はついて回っている。

仕上げなくてはならない原稿が二つある。やれやれ。

裏の川に、今日も白鷺が来ている。時々じっと首を曲げて水面をうかがっている。

決して水面に映る自分の姿に見とれているわけではなく、水面下の魚の動きに注目しているようなのだ。

さっと頭を水に突っ込み、すぐに引き上げると、くちばしから少しだけはみ出して動く、魚の尾のような影が見える。無理矢理に上を向いて、喉の奥に流し込む。丸呑みだ。よくまあ、あの細い首の中を通って胃の中まで落ちていくものである。

それに、こちらからはよく見えないが、鷺の足許には案外多くの魚が泳いでいるようなのだ。魚は鷺の脚を恐れずに近付いてしまうようなのである。水底から生える植物と錯覚してしまうのだろうか。

A snowy heron keeps watching in the sream
On little fish under its own rippled image
Suddenly, it caught and swallowed a quivering bream
Straightening up its thin neck and ridge

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2008年12月28日

師走二十八日の歌

日暮れたる道に値札を燦然と示し居並ぶ中古車の群れ


Wakalog_081228

家族が揃って風でダウンしているので、一番先に風邪を引いて峠を越してしまった私が、家事に仕事に大車輪である。

昼前に寝込んでいる家族を後に仕事にでかけ、日が暮れてから戻ってみると、全員かなり回復していた。やれやれだが、私の方が少々バテ気味である。決して全快しているわけじゃないので。

というわけで、明日は久しぶりでぐっすり朝寝をしようと思う。

日が暮れてから国道を辿ると、今年の暮れは街に活気がないように感じられる。その中で、軽自動車専門の中古車屋が、ひときわ明るい光を発していた。フロントガラスに張ってある値段をみると、ちょっと前なら軽自動車を新車で買えそうな、強気の額が表示してある。

これも時代を反映しているのだろうか。

Evening highway fade up stars
Those price cards look so proud
On the windshield of used light cars
Displayed in line to be aloud

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2008年12月27日

師走二十七日の歌

風吹きて岸の篠竹なびくほど冬の川面の波は際立つ


Wakalog_081227 昨日で御用納めになった人が多いと思う。今年の年末年始休暇は、とくに有給休暇を挟まなくても今日から来年の一月六日までの九日間ということで、かなり休み甲斐があるだろう。

とはいえ、土日が関係ない私としては、今日と明日までは忙しい。そして二十九日ぐらいまで原稿に追われる。年賀状を作るのは、三十日になりそうだ。

ということは、大掃除はまさに大晦日になってしまう。やれやれ。

私に続いて妻が風邪を引き、さらに末娘が三十九度の熱でダウンした。全員峠は越えたようだが、まだ治りきってはいない。今日が少し暖かくなったのはありがたいが、風が強く、空気は相変わらずカラカラだ。年内には全員風邪から抜け出したいものである。

Cold winds blow outside the windows
The more bamboo grass on the banks yield
The deeper ripples inscribe shadows
On the river flows across the paddy field

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2008年12月26日

師走二十六日の歌

年の瀬のビルの隙間の青空に現れそして去る千切れ雲


Wakalog_081226 昨日は街を歩いていると汗ばむほどの暖かさだったが、夜明け前に空気が入れ替わったらしい。目が覚めてみると、きりりとした冬らしい寒さである。

北西の風が強まったので、車のフロントガラスに霜が全く降りていない。空気はからからだ。

東京都心は澄み切った青空だが、西と北の方角には分厚そうな雲の固まりが見える。そこから千切れた雲が、ビルの細い隙間を足早に流れていくのが見える。

今年も今日を入れて六日間しかなくなった。一年中で時の経つのが一番早く感じられる頃である。

The final week in the year of 2008
Scattered clouds come and disappear
Cross the blue sky beyond a slit-narrow gate
Of high-rise buildings so close and linear

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2008年12月25日

師走二十五日の歌

川面にはつましき光映りゐて聖夜の調べ聞こえ来るなり


Wakalog_081225 クリスマスである。今年の年の瀬はとても質素だ。浮かれていない。不況のせいなのだろうが、私にはなんだか好ましく感じられる。

写真は秋葉原駅近くの昭和通りの橋の上から、神田川を望んだところ。向こうに見えるのは、お茶の水方向の景色である。

水面に映る光の色も、クリスマス色はない。年の瀬色でもない。普段の色である。

普段の色のバックグラウンドに、Silent Night の静かな歌が聞こえる。

The Kandagawa River reflects the evening light
As modestly as the breeze draw sweet
Listening the melody of "Silent Night"
Whistled by somebody walks down the street

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2008年12月24日

師走二十四日の歌

吉祥の白梅もまたクリスマスイブを寿ぐ狂い咲きして


Wakalog_081224 今日は本郷あたりに用事があり、さんざん歩き回った。途中、吉祥寺に立ち寄ると、なんと、梅の花がクリスマスイブの日に狂い咲きしていた。一昨日までの暖かさのせいだろうか。

珍しい写真が撮れると喜んだが、なんと、デジカメのバッテリーを入れ忘れてしまっていて、仕方がないのでケータイのカメラで写した。やはり使い慣れないのでまともに撮れていない。残念なことである。

吉祥寺は、明暦の振袖火事の八百屋お七が見初めた寺小姓の吉三がいたといわれる寺である。武蔵野市の吉祥寺は、ここの門前の農民が新田を開拓したのでその名がついたのだそうだ。

ちなみに、吉祥寺の読み方は 「きっしょうじ」。

Along the approach to the Kisshoji worship shrine
White blossams of ume were so allusive
Though out of season, a fortunate sign
That blesses our Christmas Eve

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2008年12月23日

師走二十三日の歌

大君を寿ぐ空の雲晴れて入り日に映ゆる利根のさざ波


Wakalog_081223 天皇誕生日はいつも天気がいい。少なくとも、過去四年間の首都東京の天皇誕生日は、いつも上天気である。この和歌ログの過去ログをあたってみると、写真入りで証明される。

で、今日もやっぱり上天気だった。昨日までのような妙な暖かさも過ぎて、きちんとした冬らしい一日だった。

この一週間以上引いていた風邪も、かなり良くなってきたのだが、申し訳ないことに、妻に移してしまったようである。さっきから鼻をグシュグシュさせて、私の三~四日前ぐらいの様相だ。早く休んで治ってもらおう。

写真は利根川の向こうに沈む夕日。神々しいほどの色だった。

Blesses the sky the Emperors' Birthday
All the clouds have faded away
And the Tonne river reflects the golden ray

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2008年12月22日

師走二十二日の歌

日は暮れてフロントガラスに解けきらぬ霙の粒の当たりゐるなり


Wakalog_081222 汗ばむような冬至の翌日は、ようやく本当の冬になったようだ。昼過ぎから降りだした雨が、夜になるとますます冷たい氷雨に変わった。

車を運転していると、フロントガラスに当たる雨粒の中に、液体になりきれていない粒が混じっていて、みぞれになっているとわかった。

明日の茨城県南部の天気予報を見ると、最低気温が氷点下一度で、今日より十六度も低くなるという。最高気温は今日より九度さがって、九度。ということは、今日は明け方の最低気温からたった三度しか上がらず、後は下がる一方だったようなのである。道理で、午後からはずっと寒かったわけだ。

Driving home in the evening town
Upon the windshield, I see a pelt
Sometimes sleets fall down
Seems just only to melt

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2008年12月21日

師走二十一日の歌

 枯れ薄冬至の低き日射し受け思ひがけなき南風に揺る


Wakalog_081221 冬至である。確かに冬至ではあるのだが、やたらに暖かい。関東の最高気温は二十度近くになるという。

今日は仕事で鹿嶋に出かけている。途中で水郷地帯を通るのだが、まるで春のような景色だ。冬至になってしまったら 「小春日和」 とは言いがたいのだろうが、小春日和以上の陽気である。

写真は外浪逆浦という湖水の景色。日を受けたさざ波がきれいだ。明後日からはまた気温が下がるらしい。天皇誕生日とクリスマスイブは、普通の冬の気候で迎えられそうだ。

Silver grass withered into gold
The sun gives me low angled ray
Lakeside winds never be so cold
On this year's winter solstice day

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2008年12月20日

師走二十日の歌

鳥海と月山かけて覆ひたる雪の白鳥蒼天を飛ぶ


Wakalog_081220a 庄内の最上川河口近くでは、この季節、朝になると 「コウ、コウ」 と甲高く鳴く白鳥の声がひっきりなしに聞こえる。河口に飛来している白鳥たちが、餌の落ち穂をあさるために、田んぼに飛んでいくのだ。

今朝は庄内の冬にしては珍しい上天気で、白鳥の飛ぶ姿が青い空にくっきりと浮かび、とても美しく見えた。

昼過ぎに酒田を発って帰路についても青空はさらに澄み渡り、朝には鳥海山の頂上付近を覆っていた雲まで晴れた。鳥海山の左側の峰が雲の影になってしまっているが、見事に見渡せた (写真左下)。

さらに酒田から南東方向には、月山の雪を頂いた姿もくっきりと見渡せた (写真右下)。冬の月山は黒雲に覆われていることが多く、冠雪した月山の頂上まで、こんなにも見事に見えるのは本当に珍しい。

この月山の中腹を走る月山道路 (国道百十二号線、通称 「六十里越え」) を走り抜けて、夜になってから帰宅した。念のためスタッドレスタイヤを履いて出かけたのだが、それはまったく必要のない快適なドライブだった。

Wakalog081220b Wakalog_081220c

As white as the snow that lie
On the peaks of Chokai and Gassan
I see a flock of swans fly
Across a blue sky reflecting the Sun

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2008年12月19日

師走十九日の歌

みちのくの凍ゆる風を羽に受けて白鳥はこの冬を越すなり


Wakalog_081219 母の墓参りのついでに、最上川河口のスワンパークに行ってきた。ここには、例年一万羽以上の白鳥が飛来する。この飛来数は日本一らしい。

とはいえ、日中は、白鳥は庄内平野の田んぼで餌をあさっていて、あまり残っていない。今日も十数羽が見られただけだ。

今年からは鳥インフルエンザ対策で、餌付け禁止、白鳥に近づくことも禁止になっている。なかなか大変だ。

いくら近寄ることを禁止しても、白鳥はあちこちの田んぼで餌をあさるから、あまり意味はなさそうに思うがなあ。

At the mouth of the Mogami River
Bearing freezing  winds blow
Swans sing a song of winter
To make their wings shine and glow

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2008年12月18日

師走十八日の歌

虹の立つ彼方の山を越え行けば垂乳根の母眠るふるさと


Wakalog_081218 今朝つくばの地を発って、妻と二人で酒田に来ている。真冬になってしまったらそう気軽には来られないので、年内のうちに父の様子を見に来たわけだ。

母が亡くなってから一年半以上が経過したが、元気に暮らしているようで、安心である。頭も全然ぼけていないし。

二時頃に山形道を寒河江で降りて月山道に向かうとき、きれいな虹が見えた。ちょうど南西の方角の雲が切れて太陽がのぞき、そこから差し込む光でできたようだ。

故郷を前にして、歓迎を受けたような気がした。

Driving to my home town
Over the booundary hill
I see a rainbow shows
Where mother sleeps still

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2008年12月17日

師走十七日の歌

窮屈に曲げたる首を不意に伸ばし白鷺は今日も飛び去りにけり


Wakalog_081217前日までの予報では昼頃から雨と言っていたのだが、夜が明けてみれば朝方からぽつりぽつりと降りだしている。まあ、風邪引きにはありがたいお湿りだ。

裏の川に今日も白鷺が来ている。階段の踊り場の窓をそっと開ける。この時点で、既にこちらの気配に気付いてはいるようだが、まだ逃げない。

網戸も開ける。まだ大丈夫。デジタルカメラを構えてシャッターを押す。OK。もう一枚撮ろうとした瞬間、ついに羽を広げて飛んでいってしまった。飛ぶ瞬間も撮ろうと思ったのだが、取り損ねてしまった。

鷺というのは、本当に用心深い。スズメやハトなら、もっとずっと近づけるのに。

Straightening its neck long and white
A snowy heron has flown out of my sight

なんだか今日は、英語バージョンの方ができがいいような気がする。

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2008年12月16日

師走十六日の歌

それぞれが行き先もちて街を行く取り敢へず行く行き先なれど


Wakalog_081215 風邪がなかなか抜けない。大して重症ではないのだが、鼻づまりと咳が続いている。前回までには、あと二~三日かかるかもしれない。

年の瀬である。しかし、まだ年賀状を作っていない。なかなか時間が取れない。

日の暮れるのが、いよいよ早くなった。四時半頃にはもう暗くなっている。神田の街もだんだんと年の瀬らしい様子になってきた。ネオンの下を、みな忙しげに通り過ぎる。

夜景モードで露出を長く取って写真を写すと、行き過ぎる人並みが全部ぼける。このぼけ方が、ムードを表現していると思う。

今日から、時間的余裕がある時は、自分の歌を英訳して載っけることにした。(時間のない時はご勘弁)

Everybody goes
Illuminated urban road
With decoration
Of tiny destination

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2008年12月15日

師走十五日の歌

石上 (いそのかみ) 降りたる霜を解かしつつ今久方の日は昇り来ぬ


Wakalog_081215 今朝は今シーズン一番の冷え込みになったようだ。我が家の裏の土手の道は、霜柱で白くなっている。こういう景色は、この冬初めてだ。

車で出ようとしたら、フロントガラスにびっしりと霜が降りていて、全然前が見えない。これもこの冬初めてだ。

こういう場合は、無理に掻き落とそうとするとガラスに傷が付いたりする。一番楽な方法は、風呂の残り湯を一杯すくってきて、ざっとかけることだ。一瞬にして霜が溶ける。

そのかわり、早めにワイパーで払わないと、その溶けた水がまた凍ってこびりついてしまう。関東とはいえ、さすがに利根川を越えた北関東である。

昨日当たりからなんだか鼻づまりがひどいと思っていたら、どうやら風邪を引いてしまったようだ。幸い、仕事が一段落した状態なので、今日は早めに寝よう。

なお、「石上 (いそのかみ)」 は、「降る」 にかかる枕詞。

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2008年12月14日

師走十四日の歌

黒雲の高きに去れば筑波嶺の二つの峰に雪ぞ降りける


Wakalog_081214 今日は赤穂浪士討ち入りの日だ。元禄十五年十二月十四日は雪の夜になったというが、これは旧暦の話で、今の暦に換算すると一月三十日になるらしい。

なるほど、江戸に雪の降る頃である。新暦の十二月十四日では、まだ関東地方に本格的に雪の降る季節に至っていない。

とはいえ、今日は筑波山の山頂がうっすらと雪化粧した。初めは雲がかかっているのかと思ったが、どうみても雪である。明日になれば解けてしまうかもしれないので、しっかりと写真に収めておいた。

今日は関東地方としてはちょっとした冷え込みで、朝から冷たい雨が降っていた。「これだけ寒いと、雪でもおかしくないね」 なんて言っていたのだが、午後になって雲が薄れてみると、筑波山頂付近ではちゃんと雪だったとわかった。

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師走十三日の歌

声高にあらねど時は冬の夜の風の速さで通り過ぎ行く


Wakalog_081213 昨日までと比べると、急に寒くなったような気がする。とくに、今日は仕事で水戸の北まで行ったので、一段と寒さを感じた。

日が暮れて帰り道を辿り、途中でつくば学園都市のショッピングセンターにある家電量販店で、CD-R のまとめ買いをする。1枚当たり 40円しない。安くなったものだ。

ショッピングセンターの広い駐車場から建物を望む。まるで、米国の郊外みたいな光景だ。クリスマス・イルミネーションが控えめなのは、ここが日本だからか、あるいは単に景気のせいなのか。

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2008年12月12日

師走十二日の歌

立ち枯れて年越す頃も道の辺の野菊は色をとどむるらむか


Wakalog_081212_2 今日の最高気温は昨日より五度も下がるという予報で、実際、まさにその通りになったのだが、昨日が暖かすぎたので、五度下がってもまだ平年よりも暖かいのだそうだ。

道理で外を歩いてもちっとも寒いと思わなかった。週末からは冷え込むのだそうだが。

写真は、朝の道、冬枯れの野菊である。立ったままで押し花みたいになっている。

「野菊」 というのは便利な言葉で、菊っぽい野草は 「野菊」 と言っておけばほぼ間違いない。というのは、「ノギク」 という種類の花はないそうで、それっぽいものの総称なんだそうだ。だから、私のような草花に詳しくない者でも、安心して言える。

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2008年12月11日

師走十一日の歌

ビル風は如何に吹けども銀杏の木年越すまでの葉を残しをり


Wakalog_081211 二日続きの暖かな冬の日。今日は日が暮れてからもそれほど寒くならない。明日からはまた少し冷え込むらしいが。

東京神田周辺は、イチョウ並木が黄葉し、風に舞って散っている。場所によっては、風で飛ばされてきた落ち葉が渦を巻き、吹きだまりになっている。

それにしても、落ちても落ちても、まだ木にはたくさんの葉がしがみついている。つくばのイチョウはほとんど裸の状態になったが、都心のイチョウは年内は散り尽くさない。年を越して正月の初出勤で、初めて葉を落とし尽くした姿が見られる。

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2008年12月10日

師走十日の歌

春らしき春 夏らしき夏ありて 秋らしき秋 冬ぞ如何なる


Wakalog_081210 今日は昨日までとはうって変わってむしろ暖かい一日だった。もしかしたら、寒さに体が慣れてしまって、少し日差しが出ただけで暖かく感じてしまったのだろうか。

とはいいながら、日が暮れてしまうとやはり寒い。神田駅のホームを中央線の電車が過ぎると、冷たい風が巻き起こる。

今年はなんだか、春らしい春、夏らしい夏、秋らしい秋と続いてきたような気がする。当たり前といえば当たり前だが、近頃はあたりまえでない天気が続いていたので、そんなことが貴重に思えてしまう。

それで今度は、冬らしい冬になるのだろうか。それだとすると、しっかり寒さに備えなければ。

今日は言葉遊びみたいな歌である。

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師走九日の歌

冬の雨冷たき路に街の灯の影を刻みて未だ降り止まず


Wakalog_081209 朝のうちは晴れ間もあったが、昼過ぎから雨が降り出した。冷たい冬の雨である。関東の宵の口は、この冷たい雨で冷やされて寒い。

常磐線取手駅西口のペデストリアンデッキにも、水たまりができるほどだ。ネオンの灯りが映りこんでいる。雨の夜の視界は、車の運転には本当にやっかりだ。

この雨は明日の朝までには止むという。ありがたい。

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2008年12月 8日

師走八日の歌

風よ歌へ丸き小さきレンズなる眼鏡の人の死に給ふ日に


Wakalog_081208 今日、十二月八日ははジョン・レノンの命日だ。二十八年前の十二月八日、じゃないな、時差があるから、日本では九日だったはずだが、私は車を運転していて、ニュースでジョンが殺されたことを知った。

とても動揺してしまって、そのまま運転を続けるのは不可能だった。車を左に寄せて停めたまま、三十分ぐらい動けなかったのを覚えている。確か仕事先に急いでいたはずなのに。

夕方六時過ぎに秋葉原で買い物をし、そのまま常磐線快速電車で戻ってきた。途中で少し信号停止があったが、数分遅れただけで取手駅に着いた。ところが、それ以後の常磐線は動かないという。人身事故があったらしい。運転再開はいつになるかわからないとアナウンスされている。

辛うじて取手駅に戻れたわけだ。その取手駅周辺では、クリスマス・イルミネーションの上を冷たい風が吹いている。

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2008年12月 7日

師走七日の歌

ぬばたまの闇路の空をくらげなす気球の内の赤き血の色


Wakalog_081207_2 日が暮れるまで水戸方面で仕事をし、夜の常磐道をひた走って帰ってきた。つくば学園都市で常磐道を降りて遅い夕食をとり、ふと空を見上げると、夜空に浮かぶ赤い物体がある。

熱気球のようだ。ただ、誰かが乗って夜空を飛んでいるわけではなく、地上にロープで結ばれて、ただ風に漂っているだけのようだ。

どこかの店の宣伝用のように思えるが、どの店のものだかもわからず、意味不明に漂っている。夜の海中を漂う赤いクラゲのようにも見える。

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2008年12月 6日

師走六日の歌

散り落ちし白き花こそ久しけれ木槿の枝の赤き日に映ゆ


Wakalog_081206 予報では一日中晴れるということだったのだが、つくば周辺は、午前中は黒い雲の面積が大きく、晴れてきたのは午後になってからである。

冬の日射しは赤味を帯びている。午後二時を過ぎれば、夏の夕暮れのような色合いになる。太陽が一日中低いところにあるのだから、当然といえば当然だ。

夏から秋にかけてずっと咲き続けていたムクゲも、新たな花が咲かなくなって久しい。枝には花弁を落としたガクの部分だけがいつまでも残っている。

その干からびた色が、冬の日射しの色と相まって、ちょっとほっとするような雰囲気を見せている。ただ、日が当たらないと単に枯れた色になってしまうのだが。

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2008年12月 5日

師走五日の歌

いたづらにうつむくなかれこの朝は木枯らしに舞ふ落ち葉見ゆれど


Wakalog_081205 今日から雨が降って、それが上がるとぐっと冷え込むという天気予報だったが、その言葉通り、夕方前から雨が降ってきた。雷まで鳴るとは思わなかったので、ちょっと驚いたが。

冷え込むというのは、朝から風がやや強かったので、実感として予感できた。神田の並木のイチョウも、見る間にはらはらと散っている。

走りすぎる車の起こす風に煽られて、大通りをイチョウが舞うという景色は、東京ではけっこう珍しい。

寂しげな都市の光景をみても、そんなことで落ち込んではいけない。ニール・ヤングも、"Don't Let It Bring You Down" と歌ってる。私はこの歌詞にぐっときてしまう。1971年の米国の都市は、もっと荒涼としていた。

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2008年12月 4日

師走四日の歌

冬の日の淡き日差しに坂道の放置自転車の影長く延ぶ


Wakalog_081204 朝からいい天気で、それだけに明け方はかなり冷え込んだ。明日は崩れ、週末は持ち直すが、ぐっと冷え込むそうだ。朝に起き出すのがつらい季節になってきた。

常磐線取手駅までの近道を辿ると、ところどころに自転車や原付が放置されている。通勤や通学に使っている人が、ちょっと目立たないところに停めておくのだ。

駅前広場とロータリーはご多分に漏れず駐輪禁止になっていて、自転車を停めておくことができない。ちょうどよさそうなスペースにもロープが張られたりガードレールが設置されたりして、何も置けないようになっている。

おかげで、駅前のスーパーで買い物するにも、自転車で来た買い物客はどこにも停めておけない。なんだかなあ。

買い物客がちょっとだけ停めておくのでも認めてしまったら、放置自転車が際限なく増えてしまうということなのだろう。不便だが仕方ないようで、それでも不便なようで、なんとも言いようがない。

で、駅の周辺に自転車を停めておけなくなった人たちが、自転車で駅まで来るのを諦めるかと言えば、そういうわけでもない。駅から少し離れた目立たない (わけではないが) ところに停めておくのである。

道すがら見渡すと、あちらに五~六台、こちらに二~三台、ぽつりぽつりと放置してある。ところが、当局もさるもの、放置自転車のあるところにはたいてい 「駐輪禁止 放置自転車は撤去します」 という張り紙がしてある。撤去されるリスクを冒してまで、自転車に乗ってきて放置するのだ。

乗って来て放置する人も、それをさせまいとする当局も、ご苦労なことなのである。

こちらは当事者ではないので呑気なものだ。冬の放置自転車は、日差しが低いので、影が長く伸び、なかなか風情があるなんてことを思ってしまう。

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2008年12月 3日

師走三日の歌

ささやかにイルミネーションさしかけて駅前広場華やぎにけり


Wakalog_081203 今日は某大学で臨時講師を務めた。といっても、業界関係のプレゼンテーションだから、面白くも何ともない話である。そりゃ、和歌を語るほどのウンチクがあるわけじゃないし。日本の伝統芸能についてなら、ある程度語れるけど。

取手駅のロータリーが、クリスマス・イルミネーションでいつもよりほんの少しだけ華やかになっている。もっと金をかければゴテゴテにできるのだろうけれど、この程度のが好ましい。

今年は、フツーの家がイルミネーションを競うというのも、少し下火になっているようだ。電気代の節約だろうか。エコのためにはいいことだ。

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2008年12月 2日

師走二日の歌

変はる街変はらぬ店を抱きゐて師走二日は和歌ログ記念日


Wakalog_081202 そういえば、今日十二月二日は 「和歌ログ記念日」 だった。五年前の今日、ふとした思いつきで、毎日歌を一首詠んで、それをサイトにアップすることにしたのだ。

あれからもう五年間も、掛け値なしに毎日毎日、歌を読み続けてきたのである。我ながらよく続くものだ。「継続とは力なり」 というが、果たして本当に 「力」 はついているのだろうか。

で、昨年のこの日まで、「師走二日は和歌ログ記念日」 という下の句で、枯れ葉をテーマにした歌を詠むことに決めていたのだった。枯れ葉がテーマというのは、和歌ログの最初の歌がたまたま枯れ葉を詠み込んだものだったからという、単なる行きがかり上の理由である。

しかし、今日はそんなことは忘れてしまっていて、枯れ葉の写真なんか撮っていない。もう日が暮れてしまったので、今さら外に出て枯れ葉を探す気にもなれない。

というわけで、今年から 「枯れ葉」 をテーマにするのはやめ。下の句だけを引き継ぐことにした。自分で決めた自分だけのルールだから、変えるのも勝手である。

今日は十五年ぶりぐらいで、仕事で町田の街に行ったので、大層あわただしかったのだ。何しろ、私の家から町田までは三時間近くかかる。新幹線なら大阪に行ってしまうほどの時間である。

写真の正面に見えるのは、小田急線町田駅前のジーンズショップ、マルカワ本店。昔、繊維業界紙の記者だった頃、何度か取材したことがある。当時、この店は日本一ジーンズを売る専門店だったのだ。

今は昔の話だが、今でもそれなりに繁盛しているようで安心した。

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2008年12月 1日

師走一日の歌

遙々 (はるばる) と彼方より来てさらにまた遠くへと去る芋売りの声


Wakalog_081201 今日は既に十二月。せわしいことである。

「い~しやぁきいもぉ~、おいも、おいも、おいもぉ~」  焼き芋屋の売り声が響く季節になった。

私は焼き芋は嫌いというわけではないが、好んで食べようとも思わない。しかし、女性には焼き芋好きが多いような気がする。

以前努めていた会社の経理のおばさんは、石焼き芋の売り声が聞こえると、窓を開けて 「やきいもやさぁ~ん、今行くからねぇ~」 と叫び、すぐに飛び出して行ったものだ。

焼き芋屋の売り声は、遠くから聞こえて長い時間をかけて近づいてくる。そして、同じぐらいの長い時間をかけて遠ざかる。

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