七草とはいうものの
灰色の雲の増しゆく冬空に暖かきもの敢へて見むとす
さしもの十三日間続いた冬晴れもようやく下り坂にさしかかったようで、朝の出がけの空は、灰色の雲に覆われかけていた。それでも、青空の面積がそれなりにあるので、気象庁スタンダードでは 「晴れ」 というのだろう。
ところが、青空の面積が広がってきて、東京都内に着いた頃には、押しも押されもせぬ 「晴れ」 そのものに変わっていた。
常磐線快速電車に久しぶりに乗り、十二日ぶりの都心である。ところが、道路の車の行き来を見ただけで、あまり活気のないのが感じられる。世界中が不況風に吹かれているようだ。
あのバブル経済絶頂期ですら、外資系団体にいて円高余波で右往左往していたぐらいで、社会に出てから一度も好景気の恩恵を被ったことがない私としては、別にどうということがない。常にこんなものである。しかし、世の中は案外打たれ弱い。
ところで、今日は 「七草」 なんだそうだが、一昨日が小寒で大寒がこれからだというのに、「春の七草」 とは妙な話である。これは旧暦の一月七日にすべきところで、新暦に直すと、今年の場合は二月一日が、本来の春の七草ということになる。これなら立春のちょっと前で、なんとか格好が付く。
でもまあ、最近はビニール栽培という手もあるし、いいか。こんな日は、敢えて暖かいお粥をいただくのもいいかもしれない。
Why don't you have a cup of warm gruel
Cooked with the seven herbs of spring
With that meal, the world is not so cruel
Even sky is grey, maybe a grateful almsgiving
今日の和歌と英詩は、ちょっとかけ離れたものになったかもしれないが、同じ雰囲気を詠っている。
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