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2009年3月31日

竹の秋

竹の葉に青さの戻り来るまでは春の中にも侘びぞ残れる


Wakalog_090331 「竹の秋」 という言葉がある。歳時記では 「竹秋」 というはずなのだが、Goo 辞書で調べると、「竹の秋」 は出てきても、「竹秋」 だと出てこない。

さしもの ATOK でも 「ちくしゅう」 で一発変換されない。「歳時記 竹秋」 でググれば、いくらでも出てくるのになあ (参照)。

竹の秋とは、陰暦三月の別称ということになっている。で、今日は旧暦で言えば三月五日なので、まさに 「竹の秋 = 竹秋」 である。

今頃になると、古い竹の葉が黄色くなって落ちる。確かに、駅までの道の途中にある竹林の葉も、大分黄色くなってきている。陰暦の弥生というのは、本格的な春の陽気になるまでは、こんなようなわびさびっぽい光景もある。

We are in the season called "bamboo's fall"
Until bamboo leaves regain color of green
Spring has not come over the wall
Of "wabi", an element usually unseen

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2009年3月30日

木蓮散り始む

木蓮の白く重たき花びらの落つるを受けてすみれ咲きをり


Wakalog_090330 日が暮れてから取手駅にたどり着くと、駅前の白木蓮は早くも散り始めている。木の下の花壇に咲いたパンジーの上に、散ってしまった白い花びらが見える。

梅が散ってしまうと、桃と白木蓮が咲き乱れ、そのすぐ後に、桜が満開になる。桜が散ってしまえば、本当の春の陽気になるが、まだそこまで至っていない。

今年の白木蓮は、先週の中頃、夜中に降ったあられだか雹だかに当たってしまったせいか、真っ白な花びらに茶色の傷がついてしまって痛々しい。それで早めに散ってしまって、桜に舞台を明け渡そうとしている。

White petals of magnolia
Began to fall to the ground
Like bulky drops of tear
Receoiving them, pansies are all around

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2009年3月29日

つくばの桜、蕾ふくらむ

満開の頃に降るらむ春雨を知りて桜はなほ咲かむとす


Wakalog_090329 今日もなんとか春らしい気のする一日。今月は月末になってもあまり追い立てられるような締め切りもなく、今日は珍しく呑気な休日だった。

近頃、一日ゆったりと休めた日が全然なく、だいぶ疲れ気味だったので、ありがたい骨休めになった。

昼に、次女と守谷のインド料理店にカレーを食いに行く。次女は近頃インド料理に凝っていて、あちこちでカレーを食いまくっているらしい。そして守谷の店がオススメだというので、一緒に行ったのである。

なかなか繁盛している。食べたのはチキンとほうれん草のカレーとナンのセット。おいしい上に、ナンがかなり大きくて、腹一杯になった。繁盛するのも頷ける

このレストランで流しっぱなしのビデオでは、ヒマラヤ山脈をバックに歌い踊る映画が流されていた。インドの映画というのは、ひたすら歌ったり踊ったりしている。

帰りに並木の道を通ると、蕾がかなり膨らんでいて、ちらほら咲き始めている木もある。あと三~四日もすると満開になりそうだ。次の週末はちょうどいいお花見のタイミングになるだろうが、週刊天気予報では曇りマークと傘マークがついている。

桜の咲く頃は決まって雨になる。いい天気が続いた頃に開花が促進されるのだから、満開になったらそろそろ雨になるというのは、考えてみれば当たり前のことなのだが。

Cherry blossoms are about to come out
Some of their buds have already broken
In spring, all are eager to sprout
They know even cold rain is a spring token

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2009年3月28日

控えめの夕焼け

控えめの夕焼け空に綿雲とちぎれ雲との光る輪郭


Wakalog_090328 今日は久し振りで穏やかな一日だった。とはいえ、気温は相変わらず低め。低めの気温に慣れてしまったのか、それとも風が弱かったためか、あまり寒いとは感じなかった。

夕方、つくばの郊外を車で走ったら、ちょっとした夕焼けの光景が見られた。「ちょっとした」 というのは、雲が赤く染まるにはいたらない、ささやかな夕焼けだったからである。

雲の様子は、まさに冬から春に変りかけている雲である。北風に乗ったちぎれ雲と、春のこんもりとした雲の合わせ技だ。

Moderate glow shown at the sunset
In the early spring western heaven
Scattered clouds shine like velvet
While big one is black as a raven

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2009年3月27日

春宵の常磐線

春宵の常磐線は地を這ひて下町の股すり抜けて行く


Wakalog_090327 天気予報では、来週の前半までは気温は低めに推移するということだが、何のかのと言いながらも、今日はそれほどの寒さは感じなかった。もしかしたら、季節はずれの暖かさが一転したことに、ようやく体が慣れたのかもしれないが。

ふと気付けば、三月ももう二十七日になってしまった。あと四日で新年度だ。新年度の始まる頃には、もう少し暖かくなっていてもらいたいものだ。

暗くなってから取手駅に着いた。西口のペデストリアンデッキからプラットフォームを見下ろすと、自分の乗ってきた快速電車が折り返して上野駅に向かうところである。

友部正人の歌に 「中央線よ空を飛んで あの子の胸に突き刺され」 という歌詞があったが、ああ、常磐線はいつも地を這っている。

Joban line train has faced round
To go back to congested Ueno
Crawling on the evening ground
Between two legs of sentimental Tokyo

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2009年3月26日

電気街のエスカレーター

買い物に迷ひて辿る電気街のエスカレーターに人影見えず


Wakalog_090326jpg今日も風の冷たい一日だった。来週までは寒いようだ。おかげで、桜の開花がゆっくりになって、花見のできる時期が伸びるらしい。たいていの物事には、ありがたい面とありがたくない面がある。

帰りがけに秋葉原に寄って買い物。本屋のあるはずのなんとかビルに入ったら、その本屋は閉店していた。おやおや。

写真はそのビルのエスカレーター。まだ新しいビルなので、無機質の美しさはあるが、客は全然見えない。閉店するのも無理もないか。

カラープリンター (インクジェット) 複合機が壊れたので、FAX との複合機に買い換えようかと、ずっと迷っている。どうしたものかなあ。

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2009年3月25日

白木蓮と春の花壇

木蓮の真白き花の隙間より春の花壇の色を見下ろす


Wakalog_090325 今日も北風が寒い。「暑さ寒さも彼岸まで」 というのは嘘である。彼岸過ぎても真冬に毛が生えた程度だ。

年末年始頃の暖冬ぶりでは、桜の開花はずいぶん早くなるのではないかと思われたが、蓋を開けてみれば去年とさほど変わらない。全体としては温暖化しているから、「例年より早め」 ということなんだろうが。

取手駅西口の白木蓮も、かなり早く咲くんじゃないかと思われたが、満開は去年よりも遅いぐらいのものである。それほど三月になってからの気温は安定していない。

ペデストリアンデッキから見下ろすと、白木蓮の隙間に色とりどりの花壇の花が見える。なかなかよくできた光景だ。

From the pedestrian deck pf the station
I looked down white blossoms of magnolia
As well as  vivid spring coloration
In the flower bed at the rotary area

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2009年3月24日

淡きピンクの花束

送別に淡きピンクの花束を贈られし娘 (こ) は夜半に帰りぬ


Wakalog_090324末娘が仕事を変わるというので、元の職場の仲間が送別会を開いてくれたらしい。だいぶ遅くなってから帰ってきたようで、朝、リビングルームに降りると、記念にもらった花束が花瓶に活けられていた。

チューリップとバラと、あとは名前のわからない花のセットで、全部同じようなトーンのピンクに揃えてある。最近のお花屋さんは、なかなかやるものだなあ。

ちなみに花瓶は、私がシカゴ美術館のミュージアムショップで買ってきたものだ。いや、もしかして、ニューヨークの近代美術館だったかな。

ちょっと離れると、花瓶のようには見えず、ただ金属をひねった中に挟んであるように見えてしまうのがおもしろい。

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2009年3月23日

春の嵐

蒼天に風は荒るれど白波の立たぬ心は春にてあらむ


Wakalog_090323 空は晴れているが、春の嵐である。成田空港では Fedex の貨物機が突風で着陸失敗して炎上し、JR 常磐線は江戸川にかかる鉄橋を渡るのが危険なので、ラッシュ時に運転休止である。

写真は、取手駅に向かう途中の岡堰というところで写したもの。この季節になると、農業用水確保のため水門を閉じて水を満々と貯える。その水面に白波が立っている。

二月は光の春、三月は風の春というが、近頃いくらなんでも極端に走りがちだ。おかげで、私は取手駅で足止めをくらっている。途中のカーラジオでは、「常磐線は強風のため十分程度の遅れ」 と告げられていたが、駅に着いてみると、運転休止になっている。

ラジオで告げられる電車の運行情報というのは、かなりタイムラグがあって、そのまま信じるとあぶない。リアルタイムで情報を把握するためのシステムなんて、その気になればすぐにできるのだろうが、多分、相変わらずアナログなやり方に頼ってるんだろう。

仕方がないので、スタバでゆっくりとコーヒーを飲みながら、電車の動き出すのを待っている。今日は差し迫った予定があるわけでもないから、あせらずに済む。近頃忙しすぎたから、ゆったりするためのちょうどいい巡り合わせなのかもしれない。

Despite the blue sky air is so gusty
White crested waves throuout the dam
But mind keeps being rather lusty
Spring is going the way I am

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2009年3月22日

三連休終わらむとす

彼岸なる三連休は雨に暮れ郊外の道濡れて乾かず


Wakalog_090322世間は三連休だったわけだが、私にはほとんど関係ない。仕事でバタバタ飛び回っているうちに、あっという間に過ぎ去った。

昨日は一日上天気だったが、今日は曇りがちの一日で、夕方頃から雨になり、降ったり止んだりしているうちに、もう日付が変わろうとしている。

我が家の梅は満開を過ぎ、世間は桜の季節になろうとしている。路面は濡れたまま。明日の朝日が昇ってから乾くのだろう。

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2009年3月21日

銚子電鉄とぬれ煎餅

銚電の昭和の錆の浮きゐるに平成の客押し込まるなり


Wakalog_090321 今日は所用で潮来から神栖、波崎、銚子まで行った。ちょっとした旅行である。

三連休の中日、天気も上々で、銚子の犬吠埼は観光客で賑わっていた。銚子といえば、近頃有名なのは銚子電鉄、略して 「銚電」 である。

赤字で潰れかけた銚子電鉄を救ったのは、「ぬれ煎餅」 という土産物。濡れ煎餅の売り上げのおかげで、銚子電鉄は倒産の危機を免れ、休日には観光客で賑わうようになった。

たまたま犬吠埼の駅にさしかかると、観光バスから降りた団体客が、ちょうど駅に到着したたった 1両の電車に乗り込むところだった。

電車は古いガタガタの車両で、屋根なんかサビサビである。時ならぬ観光客でラッシュアワー並みのぎゅうぎゅう詰めになって、銚子方面に発っていった。観光バスは銚子駅まで先回りして待つのだろう。

ぬれ煎餅は、なかなかおいしかった。

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2009年3月20日

昔のリンゴ

色つやも形もすべて不揃ひの昔ながらの林檎食みたし


Wakalog_090320今日は彼岸の中日。朝方は雨。昼過ぎから青空が広がって、風も強くなった。日が暮れてしまうと、これまでの暖かさはどこかに行ってしまって、急に冷えてきた。

近頃毎年、「暑さ寒さも彼岸まで」 なんて、嘘だなあと思う。今回も二月までは暖かかったのに、三月の声を聞いたと思ったら急に真冬みたいな寒さになり、今週に入ってようやく暖かくなったと思ったら、彼岸の中日で寒くなる。

知り合いに青森リンゴをいただいた。形がややいびつで不揃い。色つやも不揃いで、ワックス光りしていない。そのためかえって好感度が増す。食べてみると、不自然なほどの蜜があるわけでもなく、とてもおいしい。

もっと酸っぱくてもいいぐらいだ。昔っぽいリンゴが食べたいなあ。

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2009年3月19日

宵闇に浮く白木蓮

春の宵白木蓮は咲きゐたり幾重の見えぬ水面に浮きて


Wakalog_090319 取手駅西口広場の白木蓮が綺麗に咲き始めた。今朝見た時はまだ二分咲きだったが、夜七時過ぎに帰ってみると、五分咲きに近くなっている。

ペデストリアン・デッキの上から見下ろして、フラッシュをたかずに夜景モードで撮ってみると、なんだかイラストか和服地の柄のようなイメージになった。写真って、おもしろいなあ。

黒い枝が映らないから、まるで花が空中に浮かんでいるように見える。あるいは、幾重にも重なる見えない水面にさく蓮の華のようだ。木蓮とはよくいったものである。

しばらくは綺麗な花と付き合えそうだ。

White magnolia blossoms at night
Float on the layered unseen water
Reflecting the heaven's pure light
Just like pedestals of lotus flower

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2009年3月18日

オフィスビルの街より逃亡

片仮名の名前の色の照明のビルの街よりいざ逃げむとす


Wakalog_090318 今日も帰りが遅くなってしまった。写真は、秋葉原駅のホームから街を見下ろしたところ。以前に何とかいう男がトラックで人混みに突っ込んだ現場が望まれるところである。

秋葉原は、昔はごみごみした電気街だったが、今はすっかり見違えて、洒落たオフィスビルが建ち並ぶ街になってしまった。時代の流れというのは怖ろしいものである。

私といえば、ああいう無機質のビルの中のオフィスで働くのはご免だなあと思ってしまう。そうなっている自分を想像できない。古ぼけたビルの方が性に合っている気がする。

まだ多忙の中にいて、英訳を添える余裕がない。このサイクルが一段落するまでは、日本語だけでやらせていただきたい。

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2009年3月17日

パンダ橋のスケボー少年たち

宵闇のパンダ橋にてジャンプしてターンして転ぶスケボー少年


Wakalog_090317日差しの割に冷たい風が吹いて、しかしながら日差しが日差しなので暖かいようで、とはいいながら、時々は風の冷たさを感じて、それでも夜になっても結構暖かいという、わけのわからない一日が暮れた。

わけがわからないついでに、遠くの空が黄色っぽく煙っている。黄砂が飛んできているのだそうだ。日本の、しかも中国方向は山でせき止められているはずの関東平野でこんなに空が黄色くなるのだから、大陸ではかなりのものなのだろう。気の毒に。

久しぶりに、上野駅から常磐線に乗るのが夜の十時過ぎになった。夜遊びしていたわけではなく、全うな仕事である。

一日中写真を撮りそびれたので、上野駅でちょっと改札口から外に出てみたら、生まれて初めて見る光景に遭遇した。上野駅を利用して二十五年以上になるが、こんなしゃれた光景があるとは知らなかった。

パンダ橋というのだそうだ。ちょっと調べてみたら、九年前にできたのだという。ああよかった、二十五年以上ずっと知らなかったわけじゃなく、知らなかったのは八年ぐらいのものだった。

少年たちが広い橋の上でスケボーの練習をしている。ジャンプしてターンしたり、いろいろ難しいテクニックがあるようだ。何度もトライしてはこけている。極めるのは難しそうである。

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2009年3月16日

だいぶ日が延びた

上野より北へと伸びて黄昏のレールの彼方入り日に光る


Wakalog_090316 朝からずっと暖かい一日だった。ずいぶん日も延びて、夕方六時過ぎに上野駅のホームに立っても、かなり遠くまで明るく見通すことができる。

帰宅する頃に空がまだ明るいというのは、それだけで嬉しいことである。日本も夏時間を導入すれば、四月からは明るいうちに帰宅できて、心楽しいだろうに。

そうえいば、明日は彼岸の入りである。これからどんどん日が長くなる。

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2009年3月15日

我が家の梅、満開直前

我を待つものと思へば日暮れても庭に廻りて梅をことほぐ


Wakalog_090315 どこに出しても恥ずかしくないほどの、一日中掛け値なしの快晴という日が暮れた。明日からも暖かい日が続きそうだ。

快晴の日曜日。「行楽日和」 と告げる天気予報を小耳にはさみつつ、今日も仕事。ただ、休日のビジネス街はかなり静かで空いているので、気持ちはいい。

帰ってくると日が暮れかけていた。それほどとっぷりと暮れていたわけではないが、満開直前の梅を撮るのに念のためフラッシュを使ったら、まるで夜のようなショットになった。

このところ忙しすぎて、一昨日から英訳バージョンができていない。時間ができたらまとめて作りたいが、あまり溜まると嫌になるかなあ。

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2009年3月14日

梅の花、散り残る

我が宿の遅咲きの梅啓蟄の春嵐に耐え散り残りたり


Wakalog_090314昨夜来の大荒れの天気で、せっかく満開に近付いた我が家の梅が散ってしまうのではないかと心配していたが、朝に庭を見ると、梅の花びらはしっかりとしがみついていてくれた。

今年は梅が咲き始めてからずっと寒さが続いたので、長持ちしているのではなかろうか。

夕べから強い南風に乗って暖かい空気が入り込んだようで、朝は本当に暖かかったが、雨が止んだ昼頃から空気が入れ替わってしまったようで、今度は急に寒くなった。

天気が冬型になったそうで、冷たい北風が入り込んでしまったようなのだ。おかげで、暖かさに気を許してコートなしで出かけてしまった私は、昼から震えた。まあ、車での移動だからなんとかなったが。

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2009年3月13日

満開に近付く梅

行く雲に淡き色こそ映すなれ春の嵐に梅よ散りそ


Wakalog_090313 さしもの遅咲きの我が家の梅も、満開に近付きつつある。一方、近所の梅はといえば、ほとんど散ってしまっている。

そうえいば、昨年は我が家の梅は、ついに満開の姿を見せることがなかったのだった。四月一日の嵐でせっかく満開間近だったのがほとんど散ってしまい、見るも無惨な姿になったのだった。

そのことは、昨年の四月一日の和歌日記に書いてある (参照)。がっかりしたことを思い出してしまった。

それにしても、昨年は我が家の梅は桜が咲き始めた頃に満開に近付いていたのだった。それと比べれば、今年はまだ早い方だ。ということは、まだまだ咲くだろう。まだ蕾のままになっているのもたくさんあるし。

ただ、それにつけても心配なのが春の嵐である。天気予報では、今夜から大荒れになると言っている。去年の再現にならなければいいがなあ。

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2009年3月12日

白木蓮咲き始む

春寒の梢の先に一輪の白木蓮は蕾割りたり


Wakalog_090312 空は晴れても風は冷たい。朝、玄関から外に出ると、「一体、なんなんだよ」 と言いたくなるほどの冷たい風が吹き付ける。真冬より冷たいかもしれない。

多分、気温は真冬より高いのだろうが、風のせいで体感温度は低い。震えてしまう。温暖化とはいえ、あまりにも暖冬だったので、春先に帳尻合わせがあるとは思っていたが、これほどとは思っていなかった。

暖冬ぶりが極端だと、帳尻合わせも極端になる。当たり前の話だが、それにしても寒い。

それでも健気なもので、取手駅西口ロータリーの白木蓮がついに一輪咲いた。風が強くて常に揺れているので、写真のピントが甘くなってしまったのが残念だ。

他の蕾も割れかけているので、どんどん咲き始めるだろう。満開になると、多層の見えざる水面に咲き乱れる蓮の花というイメージになる。

A white magnolia blossom has just come out
Earliest among many buds of the tree
Even chilly wind can't blows them about
Remaining will soon bloom surely in degree

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2009年3月11日

神田川のほとりに咲く梅

神田川流るる岸の白梅の秘かに映るさざ波の陰


Wakalog_090311 昨日は完全に春の気分だったのだが、夜になってから急に冷え込み、朝は寒風に震えた。天気は悪くないのだが、完全に冬型の天気。故郷の庄内は吹雪である。

立春以後、寒の戻りが何度目かわからなくなるほど繰り返されている。春先の天気は油断がならないが、今年の春はことさらだ。

本当に春らしくなるのは、来週になってからだという。しかし、正岡子規の 「毎年よ彼岸の入りに寒いのは」 という句があるぐらいだから、さらにもう一度寒の戻りがくるのを覚悟しておこう。

写真は御茶ノ水橋から神田川のほとりに咲く梅の花を見下ろしたもの。今日は梅の花も寒そうに咲いている。

The Kandagawa river flows slow
Feflecting ume blossoms' pale pink
And early spring secret shadow
Into the ripples' subtle blink

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2009年3月10日

暖かき春の日

霞み立つ日は身近なる幸ぞ良き待ちゐし春の既に来たれば


Wakalog_090310 ようやくお天気が続くようになってきた。明日もお天気で、金曜日には崩れても、日曜日にはまた持ち直すとの予報である。

今日は東京に出ることもなく、茨城県内のあちこちを駆け回った。車での移動とはいえ、あちこち行く日というのは晴れてくれるに越したことはない。

お昼頃、一時間ぐらい駐車場に車を停めて再び乗り込むと、車内がむっとするほど暑くなっていた。これはちょっと季節の回転が速すぎると思ったら、ラジオのニュースが、「四月上旬頃の気温」 と告げていた。桜の散る頃の陽気では、暖かく感じるわけだ。

写真は、取手駅近くの国道六号線にかかる歩道橋から、利根大橋の向こうに都心方向を望んだところ。冬の風の強い日は、かなり遠くのビルまで望めたが、今日は利根川の対岸に近いビルが見えるだけで、それより先は霞んでよく見えない。

春には霞がかかる。それは、無闇に彼方を望んで何事かを待つという必要のない季節だからである。待ち望んでいた季節は既に来たれり。身近に思いをいたして、喜ぶ季節である。

On a hazy spring day in this land
We can't see so long distance
Then, bless your happiness at hand
At merry season's grand entrance

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2009年3月 9日

ひこばえ

坂道に添ふ急斜面ひこばえて萌ゆる若葉に我が手届かず  


Wakalog_090309 Today's Crack の二月十一日付 『唯一郎句集』 レビュー #6 に、「ひこばえ」 をテーマにした句が三句ある。

ひこばえとは、Goo 辞書によれば 「樹木の切り株や根元から群がり生える若芽」 で (参照)、春の季語ということになっている。唯一郎は自由律の俳人だが、季節感がしっかり伝わる句が多い。

「ひこばえ」 の 「ひこ」 とは 「ひ孫」 のことを指す。酒田では今でも、ひ孫のことを 「ひこ」 とか 「ひこまご」 とか言う。

唯一郎の 「ひこばえ」 の出てくる三句を以下に引用してみよう。

親しく来し者よひこばえの若葉摘む
松前稼ぎの若者の便り ひこばえて
春日の曇りひこばえの葉裏見たり

「ひこばえ」 というのは名詞であって、「ひこばえる」 という動詞は普通はあまり聞かないが、二句目の 「ひこばえて」 という動詞としての用法は、俳句の世界では珍しいことではないようだ。

取手駅近くに借りた駐車場から駅に行くには、いくつかのルートがあるが、今朝はちょっと時間に余裕があったので、一番遠回りの道を歩いてみた。坂道沿いに斜面があって、そこにあった林がいつのまにか伐採されてしまっている。その切り株の一つから、まさにひこばえていたので、写真に収めてみた。

ところで、英語では 「ひこばえ」 のことを何というのだろう。あるいは別に特別の言い方なんてないのかもしれない。敢えていうなら、"new sprouts from the bottom of tree" だろうか。

Young sprout at the bottom of a stump
In Japanese, growing grandson of the tree
The surface is so steep that I can't jump
To reach the young leaves shining free

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2009年3月 8日

学園都市の道路

日暮れたる学園都市を自動車は時速八十キロで行き過ぐ


Wakalog_090308

日が暮れてからつくばの里に戻ってきた。途中、学園都市に寄って遅い夕食。

つくば学園都市は、つい最近、つくばエクスプレスという鉄道が通って、都心の秋葉原まで 40分で行けるようになったが、それまでは鉄道のない街だった。どこに行くにも車でなければ用の足せない街だったのである。

それだけに、片道三車線の幹線道路が縦横に走っていて、道路はとてもよく整備されている。ある意味、ロサンジェルスのような感覚の車社会の街づくりがなされている。

夜になると車の通りも少なくなり、時々、たいてい時速八十キロ近くの車がひゅんと通りすぎる。アメリカ映画のような感覚の光景に、ラーメン屋だの牛丼屋だのの看板が光っているというのがおもしろい。

Evening of Tsukuba, city of academy
Where automobile is major transportation
Cars come and go just beside me
Over 60 miles per hour in minimum vibration

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2009年3月 7日

遅咲きの梅咲く

我が宿の遅咲きの梅咲きにけり春風吹けば揺るる薄紅


Wakalog_090307 さしもの遅きの我が家の梅も、ついに咲き始めた。まだ三分咲きだが、ところどころ固まってしっかりと咲いている。

この春はいい天気が続かないから、今日は貴重なお天気である。しっかりと写真に収めておいた。明日はまた天気が崩れて最高気温が一桁と予想されている。

記録的な暖冬だったが、二月中旬過ぎから急に寒くなった。「寒の戻り」 というより、「ようやく冬になった」 という気がするほどである。

自然というのは、なんとか帳尻を合わせてしまうもののようだ。今年も桜がばかに早く咲いてしまうなんていうこともなく、開花予想は三月下旬というところに落ち着いている。

At last ume blossoms comes out
Though its late blooming nature
Breeze awakes its spirit in sprout
Pale pink petals are spring implicature

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2009年3月 6日

日暮れても氷雨止まず

日暮れても氷雨に濡るる窓の内アインシュタイン宿る電車よ


Wakalog_090306 朝に聞いた天気予報では、東京地方は日中は雨で夕方から晴れるとのことだった。一日中気温が上がらず、最高気温が出るのは夕方になってからと言っていたはずだ。

ところが、日が暮れても雨は上がらず、相変わらず寒いまま。近頃本当に、お天気が長続きしない。もう菜種梅雨になってしまったんだろうか。

雨に濡れた電車で帰ってくると、何と取手駅周辺では雨が止んでいて、それほど寒くない。電車に乗っているうちに、関東の空気が入れ替わってしまったようだ。

電車の窓の内に、アインシュタインの相対性理論が強烈に光っている。明日は晴れて気温も上がるという。ところが、明後日の日曜日はまた雨。めまぐるしいことである。

The rain didn't stop before sunset
Drenched train shines along the line
Inside the windows flows like starlet
I see the shadow of Aalbert Einstein

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2009年3月 5日

久しぶりの快晴

雪雲の晴るる弥生のただ中に光浴びゐし十八の我


Wakalog_090305 本当に本当に久しぶりの快晴。暖冬から初夏を思わせる陽気を経過して、急に極端な寒の戻りがあり、そしてようやくこの季節本来の空に戻った。

明日からはまた崩れるらしいから、今日のうちにしっかりと清々しい空気を吸っておこう。

高校を卒業するまで暮らした酒田では、この時期の青空は本当に嬉しいものだった。冬の間ずっと、どんよりと低く垂れ込めた黒雲の下で吹雪に耐えるのだから、春になって青空が広がれば、それだけでもう天国である。

地吹雪に向かって歩くために硬く硬く凝り固まっていた頸から両肩、背中、腰に至るまでの、余分な力がすぅっと抜ける。悠々と深呼吸して、やっと人間らしい気分になれる。

関東の不順な天気を経過したものだから、つい田舎の春を思い出してしまった。

Dark clouds have gone away
Bright sky made me feel green
Everything was shining come what may
It was march and I was eighteen

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2009年3月 4日

春の淡雪

有明の長鳴き鳥に目覚むれば刈田を染むる春の淡雪


Wakalog_090304関東の雪は、それほど大したこともなく、地面をちょっとだけ白くした程度で済んだ。舗装道路にはほとんど積もらず、屋根だけが白くなった。

樹木や田んぼ、土手の道なども、まだらに白くなっただけ。天気予報では、平地でも多いところで五センチから十センチ積もることもあるなんて言っていたので心配していたが、案外あっさりとしたものだった。

写真は、朝に取手駅まで行く田んぼの中の近道から写したもの。刈田を染める春の淡雪という感じである。

つくばに引っ越してきた二十七年前は、冬の終わり頃にはきちんと雪が降った。雪だるまが作れるぐらいに降ったものである。ここ数年は、雪は降っても雪だるまを作るのは無理だ。作ったとしても、表面が土まみれの情けないものになる。

A rooster crowed long before dawn
To urge me to get out of bed so slow
I looked out of the window to see the morn
Paddy field was speckled with light snow

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2009年3月 3日

雨が雪に変わる

夜を透かし家々の屋根仄かにも白くこそ見ゆれ雪の降るらし


Wakalog_090303a 午後から雪になるというので、帰りの足を心配していたのだが、なかなか降り出さず、夕方頃からようやく小雨になった。

日が暮れて取手駅に着いた頃にはまだ雨のままだったが、駐車場に着いて車に乗り込んだあたりから、やっと雪に変り始めた。夜の十時頃、二階から窓の外を見ると、家々の屋根が白くなり始めている。もしかしたら、明日の朝には道路にも積もっているかもしれない。

今年はずっと暖冬だったのに、春になってからの寒の戻りがすごい。正月頃より今の方がずっと寒い。

Through the darkness of night
I see neighborhood roof
Changed into subtle white
It may be the snowing proof

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2009年3月 2日

坂東に戻れば寒も戻りたり

坂東に帰り来たれば雛も梅も忘れたるなり寒も戻りて


Wakalog_090302 九州への旅も終わり、日が暮れてからつくばの地に戻った。つくばは冷たい風が吹いている。「寒の戻り」 という言葉があるが、時間的にも空間的にも、寒さの直中に戻ってきてしまった気がする。

写真は福岡で食事をした店に飾ってあったお雛様。九州の地では雛祭りでも不思議ではない暖かさだったが、関東は寒い。

天気予報をみれば、東京の明日は 「曇りのち雪」 となっている。最高気温は五度だそうだ。真冬に逆戻りである。

明日は雛祭りだが、やはりこの行事は旧暦か月遅れで楽しむのがいいような気がする。

Back to Kanto area from worm south
I forgot both hina dolls and ume fragrance
Maybe, we are at the second tunnel mouth
To the cilly air of season disturbance

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2009年3月 1日

太宰府の梅

太宰府の天満宮の梅の香の匂ひ初めにしいにしへを思ふ


Wakalog_090301 九州での仕事も終わりに近付いてきた。ついてから三日間は曇り空で時々ざっと雨が降っていたが、今日は快晴に近いいい天気だ。

その上天気の中、長崎を後にして福岡県に入る。途中太宰府に寄って参拝した。

太宰府といえば、天神様、天神様と言えば梅である。さすがに梅の名所。色とりどりの梅が咲き乱れている。水戸の偕楽園の梅は、七分から八分の咲きらしいが、ここ太宰府では文字通りの満開だ。

土産物でも 「梅が枝餅」 なんていうのがあって、店先から香ばしい匂いがしている。梅の香りは、土産物店の列なる一画から外れたあたりにならないと楽しめない。

Visiting the Temmangu Shrine in Dazaifu
I deeply imagine the ancient days
When thousands of ume started their life
To be such fragrant in morning rays

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