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2009年7月31日

びぃる飲む人

顔歪む苦痛の中に愉楽あるものであるらしびぃる飲む人


Wakalog_090731昨日の夕方あたりから急に涼しくなったと思ったら、夜明け頃は肌寒いほどの涼しさになった。空気がすっかり入れ替わったようだ。

十六年前の夏、私は妻と娘たちを早めに里帰りさせ、土曜だったか日曜だったの午後、たった一人の自宅で昼寝をしていた。すると突然、開け放していた窓から入ってくる風が冷たくなり、辺りの空気が入れ替わってしまったのを感じた。

その夏は、それっきり暑さの戻ってくることがなく、今でも一九九三年の冷夏として語り継がれている。あの時の急に空気が入れ替わってしまう感覚を、昨日は感じてしまった。

通勤電車の車内に張り出されているビール (ではなく、なんとか酒というらしいが) の広告が、今日は少し白々しく感じられた。

 

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2009年7月30日

蝉鳴き始む

夏来ぬは己の鳴かざる故なりと気づきたるらし今朝より蝉鳴く


Wakalog_090730 早いもので、こないだ今年の前半が終わったと思ったら、もう後半の最初の月も終わりかけている。今年は梅雨が終わったんだか終わっていないんだかはっきりしないので、暑いことは暑いが、もうすぐ八月という実感が湧かない。

今朝、常磐線取手駅近くに借りている駐車場に車を停めて、駅に向かって歩き出したら、今年初めて蝉時雨を聞いた。

一匹や二匹が 「ジジジ…」 と鳴いているのは何度か聞いたが、あちらからもこちらから盛大に蝉の声が降り注いできたのは、この夏初めてである。今日はミンミンゼミが多い中に、少しアブラゼミが混じっている。

蝉たちも、今の内に鳴いておかないと後がきつくなると思って、大急ぎで集団羽化したのかもしれない。

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2009年7月29日

黒雲の流るる速さ

黒雲の見る間に流るあれほどの速さで生き急ぐ我にはあらず


Wakalog_090729 昨日と似たような写真になってしまった。このところ毎日似たような天気なので、空を写すとこんなふうになってしまう。

曇りがちで蒸し暑く、ちょっと雲の切れ間から太陽がのぞくとますます蒸し暑い。今日はまともな雨降りにならなかっただけ昨日よりは少しましかもしれない。

その代わり、風が強い。空を見上げると、黒雲が驚くほどの速さで流れていく。天気がどんどん変わるのも当然だ。沖縄・南九州と関東甲信越以外はまだ梅雨明け宣言が出ていないが、関東甲信越だって、実質は戻り梅雨である。

このまま八月七日の立秋になってしまったら、梅雨明け宣言は出ないというのが慣習らしい。もしかしたら、このまま本格的な真夏にならないうちに 「残暑お見舞い申し上げます」 なんて言い始めなければならないのだろうか。

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2009年7月28日

行き場のなき夏

黒雲の縁はぎらぎらと輝きてこの夏の行き場のなきをぞ嗤ふ


Wakalog_090728 昨日からの不安定な天気が、今日も明日も続くらしい。空の様子も、青空も覗かせながら黒雲もしっかりと存在感を主張していて、その縁が妙にぎらぎらと輝いている。

そういえば、昨日は二重の虹が見えたと言って、妻と次女が興奮していた。二重の虹をみるなんて、なかなか得難い経験だろう。

今日も一見晴れていても、油断がならない。すぐに急変して雨になる。降り続くかと思うと、またすぐに止む。だが、この程度の不安定さならまだいい方なのかもしれない。館林市のような竜巻にやられたら、えらいことだ。

今日も、天気予報では 「昨日のような暑さにはならない」 と言っていたが、少し太陽がのぞいただけで、結構な蒸し暑さになる。今年の夏は、ちょっと不思議な夏になると覚悟を決めた。

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2009年7月27日

草いきれの中の眩暈

緑濃き背高の草に埋もれては草いきれに眩暈する夏は来にけり


Wakalog_090727 土曜と日曜は、やや不安定ではあったものの、暑い夏らしい一日だった。これで梅雨が明けたかとも思ったが、今日は昼過ぎから暗くなって、夕方からは雨が降ってきた。

戻り梅雨はまだ明けないらしい。週末まではっきりしない天気が続くようだ。

写真は朝のまだ天気が良かった時に写したもの。緑が濃く、草の背が高い。

夏は草の背の伸びる季節である。草いきれの中に埋もれてしまう季節である。

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2009年7月26日

逆光で咲くサンゴールド

還暦にあと三年 (みとせ) なる夏の日に逆光で咲くサンゴールドは


Wakalog_090726 いつも通る道端に咲いている見事な八重咲きの花、「多分、ヒマワリの一種なんだろうなあ」 と思って眺めていたが、やはり 「サンゴールド」 というヒマワリの品種なんだそうだ。

写真は逆光になってしまったが、まあ、その見事さはわかるだろう。

ちなみに、今日は私の誕生日。五十七歳になった。還暦前後の年ごろを 「アラカン」 (アラウンド還暦) というそうだが、私もここまでくれば立派なアラカンだろう。もうこうなったら何も怖くない。早く来い来い還暦の年である。

しかし、子どもの頃は五十七歳といえばずいぶんなじいさんに思えたが、自分がなってみると、そんなイメージはない。スニーカーで飛び回っていられるのは、ありがたいことである。

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2009年7月25日

鯉の世界

水面といふ名の一枚のフィルムによりて分けらるる鯉と我が世界


Wakalog_090725 暑い暑い一日が暮れた。ようやく本当に梅雨明けしたのかもしれないと思ったが、天気予報を見ると、週明けはまた雨になるらしい。このところの天気はよくわからないが、今年はとくにわからない。

写真は某氏邸の庭の池の鯉。夕暮れ時に撮ったので、水面に映る庭木の効果も相まって、少し幻想的になったかもしれない。

池の縁に立つと、鯉たちは餌をくれるものと思うのか、一斉に足元に寄ってくる。鯉たちに私や庭木の姿はどのように映っているのだろうか。

水面というのが一枚のフィルムのように、その上と下の世界を分けているような気がする。

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2009年7月24日

雑踏の人

ビニールの袋の胡桃の実の如く雑踏の人は似て同じからず


Wakalog_090724 晴れたかと思うと、また小糠雨。小糠雨で済むかと思えば、急に本降りになる。なんだかわけのわからない天気である。本当の梅雨は、まだ明けていないのだろう。

夕方六時頃、秋葉原の昭和通りを歩くと、会社帰りの人がどっと道に繰り出している。「ここは上海か?」 というほどの雑踏だ。

岩本町にいた時は、こんな雑踏にはならなかった。やはり、秋葉原は今旬の街なのだろう。

雑踏ついでに、御徒町の多慶屋というディスカウントショップに寄って、クルミの実を三袋買った。ケーキなどに入れるために、頼まれていたものである。我が家はクルミの消費量がかなり多い。

中国製かなと思って袋の表示をみたら、米国製だった。小麦や大豆に限らず、米国の農産物というのは、かなり多いのだな。

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2009年7月23日

雨粒に宿る世界

久方の雨の滴のそれぞれに小さくも宿る世界の同じきか


Wakalog_090723 どうやら本格的に戻り梅雨と言っていい様相を呈してきたようだ。東京の週間天気予報は、来週の月曜になるまで雲と傘マークが並んでいる。

梅雨明け宣言は早まったようだ。関東の梅雨明け日は、多分後になってから修正されるだろう。

昨日の写真は鉄パイの雨の滴だったが、今日は似たような構図で趣が違う。雑草の茎にぶら下がった雨の滴である。

こうしてみると、水というのはけっこうねばり強いものである。今にも滴りそうになっているのだが、なかなか落ちない。風に震えつつもなんのことなくぶら下がっている。

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2009年7月22日

日食の日の雨垂れ

日食を見し人の幸ひ戻り梅雨の雫は寄りて光りゐるぞかそけき


Wakalog_090722 人と顔を合わせれば、挨拶はたったの二種類。「梅雨はまだ明けてませんねぇ」 と、「日食見ました?」

戻り梅雨っぽい関東は朝から小糠雨で、まさか日食が見えるとは思わなかったので、空にはちっとも注意を払わなかった。だが、関東でも所々で部分的に欠ける太陽が見えたのだという。

近頃昼飯時に贔屓にしているそば屋の女将さんが、「築地から日食が見えた」 と言って喜んでいた。築地から見えるのなら、私ももう少し空に注目しておけばよかった。

とはいえ、私も四十数年前の日食は見ている。小学校の頃、皆既日食ではなかったが、セルロイドの下敷きを通して、かなり欠けている太陽を見た。太陽はさっと欠けてさっと戻った。あっという間の出来事だったような記憶がある。

写真は工事現場を仕切る鉄パイプのガードから落ちそうで落ちない雨垂れ。雨水というのも、さらさらしているようで、案外ねばり強い。

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2009年7月21日

夏本番を前にして

小糠雨降り続きては未だ来ぬ真夏の終はるあの苦さ思ふ


Wakalog_090721 朝から小雨が降り続く。山口県では国道のトンネル出口が土砂崩れで車が数台埋まったというニュースが流れたが、関東では飽くまでも小雨だった。

小雨とはいえ、空は重苦しく、もっと蒸すかと思ったが、風は涼しいくらいである。そして、夕方の六時過ぎにはかなり薄暗くなってしまった。

毎年今頃になると、本当の夏はまだこれからだというのに、早くも夏の終わりに思いが飛んでしまうことがある。ちょうど今日のような雨模様で、いつもより暗くなるのがずっと早い日だ。

旧盆を過ぎていつまでも残暑が続くと、「暑い暑い、秋はまだか」 なんて言い始めるくせに、夏本番を前にしてなんとなくもの悲しくなってしまったりするのは、勝手なものである。

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2009年7月20日

鬼百合うつむきて咲く

夏の日の真白き中で鬼百合のかくもうつむく鬼を孕めば


Wakalog_090720 梅雨明け宣言は出たものの、なんだかはっきりしない陽気が続いて、「この宣言は早まったのかも」 と思っていたが、今日はとてもすっきりとした晴天である。

梅雨は本当に明けたのかもしれないと思ったが、天気予報を見ると明日からまた雨になるらしい。要するに、よくわからない天気がまだしばらく続くと思っていればいいのだろう。

とりあえず、今日は夏らしい一日である。湿度も低く、日影に入れば涼しささえ感じる。日本の夏がずっとこんなだったら、さぞ過ごしやすいだろう。しかし、あの湿り気があってこそ日本の夏なのだとも言えるが。

土手の道を散歩したら、ユリが咲いていた。これは後で調べたらコオニユリという品種で、日本には多いらしい。シラユリの清楚さとは別の雰囲気をもっている。

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2009年7月19日

夕焼けの下の草野球の照明

ラジオでは横浜スタジアムに雨降れど田の彼方なる草野球の照明


Wakalog_090719日の入り頃に車を走らせて帰路を辿る。夕焼けの景色がきれいなのだが、なかなか車を停めて写真を撮れるようなポイントに巡り会わない。

自宅にかなり近いところで、田んぼの中の近道を辿ると、今撮らなければ暗くなりすぎて写真にならなくなるだろうというギリギリのタイミングになった。

夕焼けの盛りは過ぎてしまったが、もったいないのでようやく車を停めてカメラを北西の空に向ける。南西の空は黒く曇ってしまっていて、写真にならない。カーラジオから聞こえてくるナイター中継の横浜スタジアムは、雨が降り始めたらしい。

ここつくばの地では、遠くの野球場の照明が点されている。草野球をしているらしい。

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2009年7月18日

木槿咲き続く

ほの白き水蒸気の空に不思議にも輪郭は溶けず木槿の真白し


Wakalog_090718 朝からはっきりしない天気だ。時々は日が射すのだが、基調は曇り。えらく蒸し暑い。

十四日に梅雨明け宣言された関東甲信越だが、週末から少しぐずつき気味で、夏本番という雰囲気ではない。よくわからない天気だ。

裏の土手際のムクゲの木に白い花が咲き続けている。このムクゲと一緒に越す夏である。写真をとってみた。背景が鮮やかな夏の青空なら、かなりコントラストのある写真になるはずだが、今日はこんなところである。

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2009年7月17日

日本の夏は夜になりての勝負

じりじりと今日も暮るればぬばたまの夜こそ夏の勝負なりけれ


Wakalog_090717 一昨日の日記にも書いたが、近頃、日の入りの早くなったのを感じる。夏至から一週間ぐらいは、七時半頃まで薄明るかったが、最近は七時を過ぎればどんどん暗くなる。

一番昼の長い時期が梅雨で、せっかくの明るい宵の口を楽しめないのは、日本に生まれてきた以上、しかたがない。梅雨明けしてしまえば大変な暑さで、その頃にはだんだん日が短くなる。

私が初めて行った外国はドイツで、それは五月下旬のことだった。フランクフルトの五月は、夜の十時近くまで明るくて、しかも爽やかな季節である。仕事帰りにビールを飲み、郊外の森を散歩する人々。あれはずいぶんうらやましく感じた。

写真は、七時過ぎの取手駅西口の風景。空は薄暗くなり、車がヘッドライトを点している。これからが、日本の夏だ。清少納言が 「夏は夜」 と言っているように、確かに日本の夏は夜になってからが勝負なのだ。

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2009年7月16日

青空の下に

青空のもとに我が行くべき場所の一つか二つ今日もあるとは


Wakalog_090716 今年も 「暑いですねぇ」 が定番の挨拶という季節になった。今日も朝方は少し曇ってはいたものの、どんどん晴れてきて暑い一日になった。

今日は朝から会議。しかも外部の会議室まで出かけての会議。終わってから暑い中をてくてく歩いて帰らなければならなない。

直接顔を合わせての会議というのは、たまには必要と思うが、しょっちゅうはやる必要がないと思う。要するに、私は会議はあまり好きじゃないのだ。

空は青い。どこかに出かけたくなってしまうが、なかなかそういうわけにもいかない。

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2009年7月15日

川面の月影

日の入りの少しく早くなりぬれば川面に揺るる白き月影


Wakalog_090715 少しだけだが、はっきりと感じられるぐらいには、日の入りが早くなった。七時を過ぎると結構薄暗くなる。

もし日本の夏至前後に梅雨というものがなかったら、あまり暑すぎず、湿度もそれほど高くない快適な夕暮れを過ごすことができて、ほとんどの人がサマータイム導入に積極的になるだろうに。

写真は我が家の踊り場の窓からみた夜景。月はきれいな下弦の月なのだが、夜景モードで露出を長く取ったせいなのか、ちょっと膨らんで十六夜の月ぐらいの感じに見える。川面に月の光が映っている。

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2009年7月14日

白々とした梅雨明け

坂東の梅雨白々と明けぬれば暮るる空には夕焼けもなし


Wakalog_090714 今日は大変な暑さだと思ったら、関東甲信越地方の梅雨が開けたんだそうだ。ずいぶんあっさりと梅雨明け宣言しちゃったものである。

もっとも今日が暑いと思っていたら、昨日はもっと暑かったのだそうだ。気温が高いだけでなく、大変な湿度だったという。今日はまだからっとしているから、昨日の蒸し暑さを知っていたら、今日の梅雨明け宣言も納得ものらしい。

私は昨日までは涼しい北海道にいたから、その事情を知らない。だから、突然の梅雨明け宣言にちょっとびっくりである。

私は今年は閏五月がある分、梅雨が長引くんじゃないかと思っていた。こんなに早く梅雨明けしたら、その予想がはずれることになるが、ニュースによると、関東甲信越のみで梅雨前線の影響が弱まるだけで、全国的にはまだ梅雨空が続くらしい。それを聞いて、少し納得である。

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2009年7月13日

啄木の歌碑

その声を荒ぐることもなき人の歌はぬ今を町よ悲しめ


Wakalog_090713 小樽での仕事は前日の夜までかかってほとんど終わり、今日は昼前まで市内を散策してから、二時半の便で羽田に戻ってきた。

小樽の天気は、予報では雨降りということだったが、晴れ男の私のことである。曇りで済んだ。結局、小樽では一度も傘をささなかった。

小樽の街から帰ってきたら、内地は大変な蒸し暑さだった。三重県尾鷲市では三十八度を記録したという。やれやれ。

昼前に小樽市の高台にある水天宮に登ったら、小樽港が一望に見渡せた。今日は風が強く、港湾も波が立っていた。水天宮にお参りする私も、吹き飛ばされそうだったが、行った先の土地の神様を祀る神社には、できるだけお参りしておきたいものである。

写真は境内にある石川啄木の歌碑。

かなしきは小樽の町よ歌ふことなき人人の聲の荒さよ

小樽の人には、ちょっと耳の痛い歌かもしれない。しかし、啄木は当時の小樽の町で、そのあまりの活気に圧倒されそうになっていたもののようだ。悲しかったのは小樽の町ではなく、あまりの活気に満ちた小樽の町に住む自分自身だったのではなかろうか。

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2009年7月12日

旅先で出逢ふ旨きもの

旅の食は善き思ひ出の精髄を蘇らする味のスイッチ


Wakalog_090712 まるでドイツかオランダあたりの絵はがきみたいだが、小樽の運河と倉庫の写真である。小樽の街には初めて来たが、観光開発がとても上手に進んでいるように思える。

ただ、観光開発が進むとちょっと荒れてしまうところもある。昨日の夜に食べた海鮮丼なんかがその例で、二千何百円を払って食べたものが、東京の普通のスーパーで買うのとちょぼちょぼ程度のものだったりする。これではちょっと差し障りがある。

今朝、ホテルのビュッフェ形式の朝食で食べた海鮮素材の方が、ずっとおいしかった。この朝食は千五百円である。観光地はいろいろな意味で油断がならない。

いずれにしても、全体的にはとてもいい街という印象がある。また訪れたい街だ。今夜は本当においしい寿司を食べたしね。ああ、おいしかった。やっぱり本物を食べると幸せになれる。

おいしいものというのは、すべての良き思い出が精髄となって蘇るスイッチだ。

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2009年7月11日

小樽の太鼓

下腹に響く太鼓の音はして我は小樽の街と出会へり


Wakalog_090711 実は仕事で小樽に来ている。札幌は何度も来たが、小樽は初めてだ。天気は曇りということだったが、時々小糠雨が降る。だが、仕事の本番は明日だから OK。明日は晴れのち曇りらしい。

仕事の下調べを終えて夕飯を食べようと、小樽の商店街をあるくと、太鼓の音が聞こえてきた。アーケード街でなんとか祭りというイベントをやっていて、なんとか太鼓保存会のパフォーマンスが行われている。

私は太鼓が好きなので、つい見とれ、聞き惚れてしまった。太鼓は本当にいいなあ。

ところで、夕飯はいかにも観光客用のお店で海鮮丼を食べたが、正直言って外れだった。残念。明日はちゃんとしたものを食べるぞ。

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2009年7月10日

秋葉原に響く言葉

秋葉原聞こゆる英語中国語ハングル仏語そして日本語


Wakalog_090710 主な仕事場が神田から秋葉原に移ってほぼ二ヶ月。神田川を一本隔てた隣町だが、雰囲気がずいぶん違う。

神田は低い小さなビルの集まりだが、秋葉原は近頃高層ビルが建ち始めた。秋葉原がこんなふうな雰囲気になったのは、つい最近のことのように思える。昔の秋葉原は、神田以上にごみごみしたところのある街だったのに。

秋葉原はまた、ずいぶん国際的な街である。中国語、英語、フランス語、聞いてもわからない外国語があちこちから聞こえる。

ずっと前から、パソコン関連の買い物のためにしょっちゅう秋葉原には来ていたが、こうしてほぼ毎日通うようになると、これまで見えなかったところが見えてきて、それがまだ新鮮に受け止められる。

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2009年7月 9日

神田川の水の重さ

五月雨の全ての粒を凝縮し重みとなりて川は漂ふ


Wakalog_090709 今日の天気予報は曇りということだったが、昼過ぎには青空が広がった。またまた梅雨の中休みっぽい雲行きである。

空の低いところは白っぽく霞んでいるが、頭の上は青空。今日の神田川の写真も、ビルとビルの狭間は白っぽいが、神田川に映る空の色は青い。

水の季節である。川面の細かな波を眺めていると、水のどっしりした重さを感じる。凝縮された重みである。

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2009年7月 8日

常の如くに東京タワー

紫陽花の色の少しく褪せし日も常の如くに東京タワー


Wakalog_090707 それほど小降りとも言えない雨が降ったり止んだりの梅雨らしい一日だった。朝から三つの会議を渡り歩いたが、傘を差すのが嫌いなのでずっと濡れっぱなしだった。

それでも、日が暮れてからの雨はちょっとまともすぎたので、やっぱり傘を差してしまった。残念。

今日の写真は、ちょうどたまたま雨が止んで、少しだけ薄日が差した瞬間のもの。神谷町の仕舞た屋の軒先から望む東京タワーである。私はこの構図が何故か好きだ。

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2009年7月 7日

モンシロチョウを撮る

静心なく舞ふ蝶の紋白のひたと止まれる永久 (とは) の一刹那


Wakalog_090707 朝から薄日は差していたが、昼近くになると青空が広がった。しかし予報では、午後から不安定になって、雷が発生しやすいと言っている。

出がけに、我が家の玄関先のマロウの植え込みにモンシロチョウが蜜を吸いにやってきているのを写真に撮った。蝶と蛾の違いというのは、いろいろな説があって一概に言えないらしい (参照) のだが、私はやたらヒラヒラ舞うのが蝶だと思っている。

今日のモンシロチョウもとにかくヒラヒラしていて、花に止まっている時でも、実は一瞬たりともじっとしていない。ちょこちょこと位置の微修正をして、またすぐにぱっと飛び立つ。

蝶の写真を撮るのは本当に大変だ。ここに載せたのは、ようやくたまたまタイミングが合った瞬間である。

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2009年7月 6日

願いと祈り

それぞれの子らに願いのある夏になどて祈らぬ世の大人らは


Wakalog_090706 JR 常磐線取手駅西口改札口付近に、今年も大きな七夕飾りが置かれていて、いろいろな願いの書かれた短冊が吊されている。

月遅れの八月七日に七夕を祝う東北で育った私としては、単純に新暦に置き換えて、梅雨も明けないうちに七夕を祝う乱暴な関東の習慣にはまだ馴染めないのだが、まあ、ここではこれ以上触れないでおこう。

幼稚園の児童が書いた短冊を吊した竹があり、そこにはたどたどしい字で、それぞれの願い事が書かれてある。あまりにたどたどしすぎて、何が書いてあるのかわからないのが半分近くあるのだが、一枚だけ書き取り練習のお手本みたいなきれいな字もあった。願い事も世界が平和であるようにみたいなことだったので、もしかしたら、あれは幼稚園の先生の願い事なのかも知れない。

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2009年7月 5日

庭のハーブに寄りくる蜂の羽音

花咲けば遠き車に紛ふほど蜜吸ふ蜂の羽音ぞ響く


Wakalog_090705

手作りのベランダに出てみると、遠くの県道を走る車やバイクの音がひっきりなしに聞こえる。さすがに日曜だけに、人出が多いのかと思っていたら、それは車やバイクの音ではなかった。

我が家の庭には、クリーピングタイムというハーブが一面に植えてある。地面を這うように増える種類のタイムで、芝生替わりになる。

本物の芝生は手入れが大変なだけで、夏は熱を吸収しすぎて地面が熱くなるし、冬は冬枯れするしで、あまり役に立たないが、クリーピングタイムはいい香りがするし、ヤブ蚊を寄せ付けないし、夏でもあまり熱くならないし、冬の寒さにも耐えるし、なかなか健気なものである。

そのクリーピングタイムが今、花の時期になって、小さな白い花を一杯につけている。その花に、蜂たちが蜜を吸いにやってくる。車とバイクの音かと思っていたのは、その蜂たちの羽音だったのだ。

よく見ると、何十匹もの蜂が集まって羽音を立てている。蜂の苦手な人にはちょっと困ったことなのかもしれないが、普通に暮らしている分には、蜂だって好んで争いをしたいわけではないので、のほほんと共存していられる。

写真はようやくタイミングが合って撮影できた蜂の飛んでいる姿。ちょっとぼけてしまったが。

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2009年7月 4日

夕暮れの国道

それぞれのテールランプにそれぞれの帰る家あることの仕合わせ


Wakalog_090704 今日もそれほどの雨は降らなかったものの、いかにも梅雨という気のする一日だった。それほど暑いというわけでもないが、少し動いただけで汗をかく。湿度のせいだろう。

所用で水戸まで行って、日暮れ頃に帰ってきた。写真は夕食を食べた蕎麦屋の駐車場から国道を眺めたところである。

だんだんと暮れていく国道沿いに、店の看板の灯がともる。それとともに、自動車のテールランプの赤い色が次第に濃くなっていく。

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2009年7月 3日

紫陽花ゴージャスに咲く

紫陽花の重なり咲くを見ればただ古き良き日はありきとぞ知る


Wakalog_090703 この夏、アジサイの写真は何枚も撮って、何種も詠んだが、あまりにも見事に咲いているので、今日もまた撮ってしまった。

駐車場から取手駅に向かう道から少し外れたところにあるのだが、今の時期を逃したら、だんだんしおれてしまいそうなので、少し早めに出て遠回りして撮ってみた。

今日の写真は、大振りのアジサイがいくつも重なり合うように咲いているさまである。ゴージャスな雰囲気が伝わるだろうか。

梅雨はまだまだ続きそうだ。この頃の梅雨はいつ始まったかわからないうちに始まって、中休みをたっぷりととり、なかなか明けないという傾向がある。ようするに、梅雨だかなんだかわからない期間がたっぷり含まれるということだ。

今年は閏五月があるので、この傾向がますます強まって、長引いたりするかもしれない。

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2009年7月 2日

五月雨の雲低し

五月雨の雲低くしてビルを隠し我が肩に降り来るも雲なり


Wakalog_090702 朝の天気予報では昼過ぎには雨が止むということだったのに、実際は夕方まで止まなかった。

写真は、昼に出かけた時のもの。昭和通りの秋葉原付近から南を見ると、新築の高層ビルの最上階付近が雲に隠れていた。雨雲が百メートル足らずの高さにあったということだろう。

いかにも梅雨空らしい光景だ。九州は大雨になったらしいが、関東の梅雨はこんなふうにしとしとといつ止むともなく降るのがいい。

さて、この梅雨はいつ明けるのだろう。

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2009年7月 1日

押し出しの強き夏の花の来るまで

梅雨明けて色濃き夏の花の来る時まで白くひめぢよをん咲け


Wakalog_090701_2 早いもので、今年の半分は過ぎてしまった。残りの半年の初日である。

別に何を成し遂げたということもなく、ただそれほど悪いことも起きず、忙しかったりそれほどでもなかったりを繰り返しながら、淡々と月日は過ぎて行く。あんまり暇すぎるよりはいいのかもしれない。

今の時期、花の種類が少ない。目立つのはアジサイだが、それ以外の花は、もう季節が過ぎたか、これからかのどちらかだ。今は緑ばかりが目立つ。

梅雨が明ければ、いろいろな花が一度に咲き始める。花の世界はさぞかし過当競争になるのだろう。その競争に破れないために、今のうちにしっかりと体力を貯えているにちがいない

初夏の頃から空き地にさくヒメジョオンは、夏になれば目立ちたがりの花たちに、さりげなく舞台を譲るのだろう。

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