啄木の歌碑
その声を荒ぐることもなき人の歌はぬ今を町よ悲しめ
小樽での仕事は前日の夜までかかってほとんど終わり、今日は昼前まで市内を散策してから、二時半の便で羽田に戻ってきた。
小樽の天気は、予報では雨降りということだったが、晴れ男の私のことである。曇りで済んだ。結局、小樽では一度も傘をささなかった。
小樽の街から帰ってきたら、内地は大変な蒸し暑さだった。三重県尾鷲市では三十八度を記録したという。やれやれ。
昼前に小樽市の高台にある水天宮に登ったら、小樽港が一望に見渡せた。今日は風が強く、港湾も波が立っていた。水天宮にお参りする私も、吹き飛ばされそうだったが、行った先の土地の神様を祀る神社には、できるだけお参りしておきたいものである。
写真は境内にある石川啄木の歌碑。
かなしきは小樽の町よ歌ふことなき人人の聲の荒さよ
小樽の人には、ちょっと耳の痛い歌かもしれない。しかし、啄木は当時の小樽の町で、そのあまりの活気に圧倒されそうになっていたもののようだ。悲しかったのは小樽の町ではなく、あまりの活気に満ちた小樽の町に住む自分自身だったのではなかろうか。
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