蝉落ち来たりて死す
ひと夏の半ば過ぎざる朝まだき一生を閉じんと蝉は落ち来たり
朝、縁側で我家の黒猫が何かを弄んでいる。何かと思ったら、落ちてきた蝉だった。
ちょこまか動くものを追いかけて弄ぶのは猫の本能なので、仕方がない。しかし、私が網戸をがらりと開けて 「おいおい、止めときなよ」 と言うと、名残惜しそうに庭の隅の方に行ってしまった。
そういうのを家人が好まないのを、ちゃっんと知っているようだ。
四年前に詠んだ 「鬱蒼とした木の中で鳴き尽くしぽとり落ち来て死ぬる蝉かな」 という歌を、ふと思い出した (参照)。
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