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2009年9月30日

地下鉄に戸惑ひゐたる頃

轟音の暗く冷たき地下鉄に戸惑ひゐたる十八の我


Wakalog_090930私のもう一つのブログ、"Today's Crack" に、iPhone の使い心地の良さについて書いたが、写真だけは専用のデジカメに負ける。相当の差で負ける。

しかし、この和歌ログは写真ブログではなくて和歌ブログだから、写真はそれなりでいいんじゃないかという気がして、今日は iPhone で撮影した写真をアップしてみた。東京の地下鉄構内の写真である。

まあ、確かに 「それなり」 の写真である。そんなにひどいわけでもないが、表現力という点では 「それがどうした?」 程度の出来でしかない。まあ、これからちょっとだけ続けてみて、やっぱりどうしようもなく不満だったら、やっぱりデジカメを毎日持ち歩くことにしよう。

それにしても、十八歳で東京に出てきた頃は、地下鉄に乗ると、閉所恐怖までもいかないが何とはなしに圧迫感を感じていた。「詩人の白石かずこは一時、地下鉄の中で詩を書いていたらしいけど、俺は苦手」 と言っていたものである。

今はすっかり慣れてしまって、何とも感じないのが、少しさみしい気がする。

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2009年9月29日

風になびく薄

白き穂の風になびけば土手に立つ薄は秋を今日も引き寄す


Wakalog_090929ここのところずっと爽やかな秋らしい陽気だったが、今日は朝から曇りがちで、時々雨が降る。夕方からは本格的な雨になるという予報だ。

我が家の裏の土手の薄も、すっかり穂がしろくほやけて、秋らしい顔立ちになった。とはいえ、今日は雨が近づいているだけに、気温は高くないのに蒸し暑い気がする。

彼岸を過ぎて、本格的な秋が深まる変わり目の季節に入っているのだろう。

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2009年9月28日

柿の実色づく

彼岸過ぎはや晩秋の色をして人の庭越しに柿は熟れ行く


Wakalog_090928いつの間にか近所の家の塀越しに、既に柿の実が色づき始めている。

この辺の家は、せっかく実った柿を食べるということがあまりないみたいで、いつまでも放りっぱなしにしておく。だから、いつの間にか鳥に食われてしまうか、地面に落ちて潰れてしまうかのどちらかだ。もったいない。

そのくせ、スーパーで買ってきた柿を食うらしいというので、何となくわけのわからない気分になってしまう。

それにしても、柿の色というのは、いかにも秋を感じさせる。渋柿でなくても、なかなか渋いいい色だと思う。浮世絵などでも、「柿色」 というのは重要な色だ。

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2009年9月27日

鴨の飛び立てる川面に

二羽の鴨の飛び立つ水面波紋二つ揺れて広がりそしてふと消ゆ


Wakalog_090927 決してねらって撮ったわけではないが、二羽の鴨の飛び立った瞬間が撮れてしまった。

裏の川に鴨が来て遊んでいるので、近付いて写真に撮ろうと思ったのだが、カメラを構えてシャッターを押そうとした瞬間に飛び立ってしまった。

それで写ったのがこの写真である。鴨としては、人間が怪しい機械を構えてこちらに注目しているというのは、鉄砲で撃とうとしているようにでも見えるのかもしれない。

余計なストレスを与えてしまったようだ。許せ、鴨よ。

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2009年9月26日

木槿はやはり秋の花

彼岸過ぎの木槿の蕾いや増すに膨らみてこそ花は白く咲け


Wakalog_090926 歳時記を調べると木槿は秋の季語だが、そんなことはお構いなく、実際には六月頃からどんどん咲き始めてしまう。だから、私は夏から秋まで咲き通す花と思っている。

ところが、近頃ムクゲの花の勢いがものすごく増してきている。花の数が増えているばかりでなく、蕾もどんどん膨らんできている。

やっぱり木槿の一番元気のいいのは、秋なのだと納得した。秋の季語と指定されているのも納得である。私の場合は俳句ではないから、歳時記の決まり事はどうでもいいのだが、やはり少しは気になってしまうのである。

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2009年9月25日

朝の雑踏の中で

足許に吸い殻捨つる者と掃除する者とは互ひに目を合はさざりき


Wakalog_090925 このサイトの写真は風景とか花とかが多いのだが、今日はめずらしく人物。もうちょっと引いて、風景として撮った方がよかったかもしれないと、ちょっと反省している。

朝の JR 常磐線取手駅前の光景。かなり年配の男性が、ベンチに座ってうつむいている。そこに清掃係のおばさんが近寄って、男性の周囲に散乱した空き缶や吸い殻を拾い集めている。

男性は周囲に対する関心をまったく失った者のように、まったく動かない。おばさんもさりげなさく、ひょいひょいとゴミを集める。お互いがお互いをちょっとだけ邪魔に感じつつも、存在を認め合っていない。いない者同士のごとくに振る舞っている。

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2009年9月24日

秋の彼岸

日暮れには秋の彼岸のすり鉢の底に立木の影こそ長けれ


Wakalog_090924 毎年、春と秋の彼岸の頃になると思う。「暑さ寒さも彼岸まで」 なんて、嘘じゃないかと。

春の彼岸の入りは決まって寒くて、正岡子規の句にもなっているぐらいだし、秋の彼岸になってもまだまだ暑い。今年は、彼岸の前は肌寒いぐらいの日もあったのに、彼岸になったとたんに日射しが戻って暑くなった。

とはいえ、日が暮れればさすがに涼しくなって、秋の気配が酷なる。

写真は私が常磐線取手駅近くに借りている駐車場から撮った写真。日が暮れようとしているところだ。すり鉢の底のような地形なので、手前の家の屋根より、その向こうの木の根元の方が高いところにある。

ところで、最初に 「春と秋の彼岸の頃」 と書いたが、どちらか一方を言う場合、「秋の彼岸」 とは言っても 「春の彼岸」 と言ってしまうと、ちょっと違和感が生じる。というのは、「彼岸」 と言えば、普通は春の彼岸を指すのがデフォルトだからだ。秋の彼岸は 「後の彼岸」 とも言うぐらいである (参照)。

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2009年9月23日

夢を見終えて

あの頃の夢の未来のここにあり夢を見終えて人はただ歩く


Wakalog_090923 連休最終日の今日ぐらいは休めるかと思っていたが、結局は野暮用ができて新宿まで出てきてしまった。天気の良かったのが幸いである。

写真は新宿駅西口から副都心方向を望んだところ。写真にしてみると、なんとなくいつも見慣れた光景とは違った趣になる。

本当にこうしてみると、子どもの頃の漫画に出てきた未来都市の雰囲気である。ビルの建ち並ぶ様子だけではない。そこには当時は思いも寄らなかったインターネットが張り巡らされていて、隔世の感がある。

しかしあの頃は夢のように思っていた、あるいは夢にも思わなかった都市の状況が実現してみると、そこに住む人間の暮らしは夢のようでもなんでもない。あの頃と、基本的には何も変わっていないような気がする。

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2009年9月22日

花壇の色鮮やか

片仮名の名のみを知りて眺めゐし花の漢字の名も持つと知る


Wakalog_090922 朝のうちは雲が取れなかったが、昼過ぎから青空が広がって、すがすがしい天気になった。花壇には晩夏から秋の花が咲き乱れている。

写真はマリーゴールドとサルビア。園芸品種はカタカナ名前の花ばかり多いが、マリーゴールドには 「孔雀草 (くじゃくそう)」、サルビアには 「緋衣草 (ひごろもそう)」 という立派な日本語の名前があると、さっき調べてみて初めて知った。

両方とも、なんとなく納得してしまう名前である。

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2009年9月21日

ススキの穂の白く光りて

秋の日の暮れて薄僅かにも白く光りて人をこそ招け


Wakalog_090921 一日中忙しく走り回っているうちに、あっという間に日が暮れて、家に着いたときには九時半を回っていた。

そういえば、今日は一枚も写真を撮っていなかったと思い出し、家の前のススキにレンズを向けて、当てずっぽうでシャッターを押したら、こんな写真が撮れた。秋らしい写真である。

ススキの穂が白くほやけている。秋がもっと深まれば穂もすかすかになって、もっとしなだれてくるはずだ。

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2009年9月20日

歌詠みの心

歌詠みの心の歌に向かはざれど歌詠まずしてをらるるものか


Wakalog_090920 秋の彼岸はまだ三日も先だが、めっきり日が短くなった。午後六時を過ぎると本当に暗くなる。これがどんどん加速されて、気の早いことを言ってしまうが、冬至の頃には四時過ぎにはもう暗くなる。

世間は連休だが、私は仕事が結構詰まっている。なかなかゆっくり休むことができない。とはいえ、近頃疲れ気味だった体調は上向いているので、意気盛んではある。

ただ、何となく頭の中身が他のように行ってしまっていて、なかなか和歌モードになれない。まあ、こんなこともあるか。

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2009年9月19日

連休の都心

連休の都心の昼に立つ我は寄する波もなき孤島の如し


Wakalog_090919 今年は秋がきちんと来てくれているのが、なんだか気持ちが悪いほどである。和歌日記を読み返してみると、とくに一昨年の今頃はまだ暑さにうんざりしていたのが思い出される。

エルニーニョなのだそうだ。エルニーニョだと冷夏になるという。そして聞くところによると、楽天の野村監督は昔からエルニーニョの年は運がいいのだそうだ。今年は楽天球団始まって以来の、Aクラスになりそうなので、このジンクスはまだ生きているようだ。

写真は昼前の上野駅。がらんとしているのは土曜のせいか。それとも、連休で人がみなどこかに出かけてしまっているのか。

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2009年9月18日

キバナコスモス

早足の秋はもの思ふ暇もなくただ立ちて咲く黄花コスモス


Wakalog_090918台風は東海上をかすめてくれるようで、関東の天気はそれほどには崩れないという天気予報である。確かに朝のうちはいい天気だったが、昼前からどんよりとしてきた。

昼時に外に出たとき、ほんの少しだけぱらぱらっと来るのを感じたが、それきりで本降りになりそうでもない。

朝、駅に向かう道で、キバナコスモスらしい花の写真を撮った。昨日のマツバギクの生えている隣の斜面である。これも、「キバナコスモス」 というのは当てずっぽうで、もしかしたら別の花かもしれないが、多分当たっているだろうと思う。

キバナコスモスというのは、いわゆるコスモスと同じ仲間だが、交配はできないのだそうだ。だからコスモスとの雑種はできないということで、道理でいかにもコスモスらしい見かけではない。(写真で見ると、思いのほかコスモスっぽいので、驚いたが)

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2009年9月17日

マツバギクの絨毯

辰巳なる丘の朝日に薄紅の色を映して松葉菊咲く


Wakalog_090917 ふと気が付くと、この夏は暑くて寝苦しい夜があまりなかった。それどころか、夜明け頃になると肌寒いぐらいの日が多かった。そしてこのところ、秋らしい爽やかな天気が続いている。

駅まで向かう道の途中、マツバギクが絨毯のようにびっしりと咲いている斜面がある。日当たりがいいので見事に咲きそろっている。

ただ、私は花の名前を間違えてしまうことが多いので、今回もちょっと不安なのだが、これは多分、マツバギクで当たりだと思う。もし間違っていたら、指摘を受け次第、いつものようにさくさくっと訂正することにする。

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2009年9月16日

ヒルガオの色

ひつそりと咲く昼顔の薄き色の風の中にぞ踏みとどまれる


Wakalog_090916 JR 常磐線取手駅西口のペデストリアンデッキにサツキの植え込みがあり、そこにヒルガオが咲いている。

ヒルガオは朝顔と違って雑草扱いだが、よく見るときれいな花だ。ただ、色が朝顔ほど鮮やかではないので、印象の大人しすぎるのが損なところなのだろう。

ヒルガオは地上部分は毎年枯れるが、地下茎で生き延びるのだそうだ。それなら、来年もまた咲いてもらいたい。どうせ花の時期が違うから、サツキとは棲み分けできるし。

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2009年9月15日

銀座の夕暮れに思ふこと

一生を洗いざらしの飾りなき服着て歩く者でありたし


Wakalog_090915 今日は雨という予報だったが、実際にはほんの小糠雨が降った程度で、ほとんど曇り空だった。日が射さないから涼しいが、湿度があるので、ちょっと早足で歩くと少しだけだが汗ばんだりする。

銀座の会議室で行われた会議が、夕刻まで長引いた。外に出ると、ヘッドライトを灯している車もある。

いつも思うのだが、銀座を歩く人たちって、ドライクリーニング代のかかりそうな服装が多い。私は洗濯機に放り込めばいい服しか着たくないという、無精な人間なである。ばりっとした高級ウーステッド仕立てのスーツなんか着ると、堅苦しくてしかたがない。

一生洗いざらしの服で過ごせる人生にしたいものだと思う。

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2009年9月14日

黄昏の刻の早まる

黄昏のビルの谷間のその奥に明神越えて見えぬ山脈


Wakalog_090914 彼岸がだんだん近くなって、日の暮れるのが早くなってきている。夕方頃から雲が広がったこともあって、午後六時になると、黄昏じみた雰囲気になった。

写真は五時半頃に秋葉原の山手線ホームから神田明神下方面を写したもの。ビルの谷間の一番奥の右のビルの陰にに、神田明神があるはずだ。

そのずっと奥の方には、秩父の山があるはずなのだが、見えるはずがない。

昨日とその前の歌はやたらと字余りにしてみたので、今日はぴったりと決めてみた。

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2009年9月13日

ラーメン屋の裏口

秋の夜のラーメン屋の裏口に無造作に積まれし空の段ボール箱の山


Wakalog_090913 今日は昨日とはうって変わって、夏に戻ったような天気だった。とはいえ、東京の最高気温は二十七度ぐらいまでしか上がらなかったようで、この程度ではそれほどの残暑ともいえない。

日がとっぷりと暮れてから戻ってきた。近頃、つくば市の南側ににラーメン屋が集積して、一大ラーメン激戦区になっている。私はラーメンを食うぐらいならそばを食いたい方だが、あまり夜が遅くなると、ほとんどの蕎麦屋は店じまいしてしまって、気軽に入れるのはラーメン屋ということになってしまう。

ラーメン屋の裏口というのは、なかなかおもしろい佇まいをみせていることが多い。この店も、材料を仕入れた際の段ボール箱や小麦粉の袋などが乱雑に積重ねられていて、いかにも 「男の仕事場」 みたいな雰囲気だ。

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2009年9月12日

紫蘇の花に寄せらるる蛾

紫蘇の花の蜜吸ひに来たる蛾は風に揺れども花を抱きて僅かにも動かず


Wakalog_090912 天気予報は雨だったが、朝はごく普通の曇り空。「雨なんて嘘じゃん」 と思っていたら、十時半頃になって急にざっと降り始めた。

写真はその直前に撮ったもの。オオバ (シソ) に小さな白い花が咲いて、その花の蜜を吸いに、蝶だか蛾だかわからないが、寄せられてきている。

近頃は秋の彼岸を過ぎてもまだまだ暑い年が多く、「暑さ寒さも彼岸まで」 なんてすっかり嘘っぽくなっていたが、今日はもうすっかり涼しい。

今日の歌は、あえて字余りしまくり。

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2009年9月11日

高き空にとどまる秋の雲

高き空に平たく白き秋の雲ひたと動かず時は流れ行くに


Wakalog_090911 今日まではどうやら秋晴れと言っていい天気がもったらしい。朝は雨になるという。朝、取手駅の西口コンコースから空を見上げると、いかにも秋の雲らしい鱗雲が見えた。

夏の雲は低いところから縦に盛り上がるが、秋の雲は高いところで平べったく横に広がる。これをみるともう、気分だけでも涼しくなる。

秋になるとセンチメンタルになるという人が多いが、私にとって今年の秋はそれどころではない。なんだかんだと重要案件が重なって、かなり忙しい。

もう少しゆっくりと歌を詠みたいが、なかなかそうも行かない。ブログ更新は、"Today's Crack" もこの和歌ログも、ほとんど電車の中でしかできないという状態だ。

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2009年9月10日

沈み残れる宵月

明けぬれば思ひがけなき高みにぞ残りて白き秋の宵月


Wakalog_090910 先月の二十三日に 「眉月はやがて沈むらむこの夏の夜の更けゆくを見届けもせず」 と詠んだ。

宵の口のうちに西の空に出た三日月 (眉月) は、本当に日が暮れて真っ暗になる頃には、地平線の下に沈んでしまうのである。そして、月の見えない夜になり、明け方にまた東の空に出てきたりする。

今日は旧暦だと七月二十二日。十五夜の満月からだんだん欠けてきて、半月に近づく頃だ。この頃の月を 「宵月」 というらしい。この宵月が、今朝は西の空に沈み残って、うっすらと白く見えていた。

朝に見えるのに宵月とはこれ如何に? と言いたくなるような光景である。月の見え方というのは、時々意表をついてくるから油断がならない。

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2009年9月 9日

所在なき秋

この年の夏のうやむやに過ぎぬれば秋はおずおずと所在なきなり


Wakalog_090909 天気予報は 「晴れ」 ということだったのだが、概ね曇り空っぽい一日だった。そして、涼しかったのである。誰と会っても 「今日は涼しいね」 という挨拶から始まった。もうすっかり秋の空である。

朝からしてあまりからっとした感じのしない空模様だった。写真に撮ってみたら、実際よりもっとどんよりした感じになったので驚いた。過ぎ去った台風の影響だろうか。

写真というのは時々、被写体と撮影者の両方を裏切って面白い効果を生んだりする。

 

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2009年9月 8日

稲刈りが始まる

幾たびも実らせし稲を幾たびも刈りて平成二十一年の田よ


Wakalog_090908 台風が日本の東海岸をかずめるように通る影響とやらで、朝から晴れているかと思えば少しだけ小雨模様になったり、またまた晴れたり曇ったりと、忙しい天気である。

つくば周辺は稲刈りが始まった。ちなみに、この 「稲刈り」 という言葉は、私の生まれた庄内では 「いなかり」 と言う。実際には訛って 「いながり」 になるのだが。

で、私はずっと 「いなかり」 と思っていたのだが、これで変換しようとしても、どうしても 「稲刈り」 にならない。おかしいなあとずっと思っていて、「いねかり」 でないと変換されないと知ったのは、四十歳を過ぎた頃だったと思う。

そんなわけで、私の中では、今でも 「いなかり」 の方がしっくり来る。

つくば周辺の稲刈りの済んだ田には、籾殻が積まれていたりする。これに火がつくと、辺りに香ばしい煙が漂う。

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2009年9月 7日

水引の花

夏の日の緑少しく薄らげば道端に出でぬ水引の紅


Wakalog_090907 夏の間は色合いの鮮やかな花が咲くものだと思いこんでいたが、そうとも言い切れないと、近頃気付いた。

夏の鮮やかな花というのは、ほとんど園芸品種で、山野草系は、夏の間はうっそうとした緑の中に埋もれて、案外ひっそりとおとなしい。秋の気配がしてきてからの方が、賑やかになる。

これは、ミズヒキノハナ。道端にひっそりと咲いていて、うっかりすると見落としてしまいそうな、小さな小さな花である。それでも、この赤い色が祝儀袋の水引きを連想させて、この名前が付いたのだそうだ。

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2009年9月 6日

すすきの穂、出始む

行く川の息する如き秋風に揺るるすすきと人の来し方


Wakalog_090906 三日続けていい天気になっている。秋の天気は三日も続けば下り坂になるのが常だが、天気予報では明日は曇りだが明後日は曇りのち晴れ、その後は週末まで晴れ時々曇りとなっている。

裏の川の土手で、すすきの穂が出始めた。今日の秋風になびいて白く光っている。

写真を撮ろうとしたが、常に風でなびいているのでなかなかまともに撮れない。これはたまたま写った一瞬である。ちょっと幻想的なできになった。

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2009年9月 5日

虫の音に包まれて

どの声がどの虫の音と聞き分くる術もなき宵の更けて行くなり


Wakalog_090905 今日も秋らしいすっきりした一日だった。本当にまだ九月一桁の日とは信じられない。

近頃ちょっと忙しすぎて疲れ気味なのだが、残暑がそれほど厳しくないので救われている。これでまだまだ暑かったら、完全に夏ばてしてしまっているはずだ。

夜になると虫の音が聞こえる。いろいろな虫の声が入り交じっていて、スズムシとコオロギ以外の声も聞こえるが、なんだかよくわからない。

ただ、秋になっていくなあと思って聞いているのみである。

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2009年9月 4日

駆け込みでなく蝉たち

様々の蝉が今なら間に合ふと駆け込みで鳴く空の白雲


Wakalog_090904 久しぶりで青空を見た。だが抜けるような青空というわけじゃない。昼頃からはなんだか薄曇りになり、この青空もうやむやになってしまった。

例年だと今頃はまだうだるような残暑で、大汗をかいて 「秋はまだか」 なんて言っている頃である。ところが今年は、もうなんとなく秋そのものという気がする。

写真はなんだか山の中のような雰囲気だが、そうではない。取手駅の近くの景色である。茨城県というところは、駅の近くでもアングルによっては電線も写らず、山の中のような雰囲気に撮れるところがある。ある意味ありがたい。

ツクツクホウシの季節だが、まだミンミンゼミもヒグラシもごちゃ混ぜになって鳴いている。今年は蝉の鳴き始めるのが遅かったから、今の季節になっても、まだいろいろが蝉が駆け込みで鳴いているのだろう。

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2009年9月 3日

黒雲の彼方の朝日

黒雲の僅かに白く光りゐる高さにぞ日は昇りたるらむ


Wakalog_090903 今日も昨日と同じような雲行きで、朝からどんよりとした曇り。外を歩いても、あまり汗をかかずにすむ。

朝、すり鉢の底のような地形の駐車場に車を置いて、JR 常磐線取手駅への路を辿る。地形が地形だから、急な上り坂だ。黒い雲が目に付く。

晴れていれば、太陽はあの辺だなと思うあたりが、確かに雲が薄くなって白っぽくなっている。これからどんどんその位置が低くなっていく。

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2009年9月 2日

ストリートライブ

歌うたひの歌を聞かさむと欲さざれば歌うたひの歌は響かざるなり


Wakalog_090902 日が暮れてから JR 常磐線取手駅に戻ったら、西口ペデストリアンデッキで二人組の男の子がストリートライブをしていた。

こう言っては申し訳ないけど、下手くそである。ハーモニーはそんなに外しているわけじゃないが、そして、パワー不足というわけでもないのだが、他人に聞かせようという意気込みが致命的に不足している。

こればかりは、練習すればどうこうという次元の問題じゃなくて、いかに内なるパワーを発揮できるかどうかというところにかかっている。

人間というのは正直なもので、立ち止まって聞こうという人は一人もいなかった。

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2009年9月 1日

風吹き残る世の中

野分過ぎ風吹き残る人の世に田は色づけり変はることなく


Wakalog_090901 台風が過ぎて、関東は台風一過の暑い一日となった。明日はまた、一挙に七度も気温が下がるというから、なかなか忙しいことである。

民主党が圧勝して、世間はその話題で持ちきりだ。話題が盛り上がっている割には、まだ何も変わっていない。何がどう変わるかも、よくわからない。日本は平和である。

茨城の田んぼが色づいてきた。気が付けばもう九月である。

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