北の空の雲居の果ての無礙光の果つるを知らず照るぞ嬉しき
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取手駅近くに借りている駐車場から駅に向かうまでの道、杉林の縁にシャガの花が咲き誇っている。毎年この季節になると咲く、私のごひいきの花だ。私はアヤメでもショウブでも、このタイプの花は贔屓である。
「いずれあやめやかきつばた」 というぐらいで、この仲間の鼻は、美人の喩えにも使われるぐらいで、美しくないはずがないのだ。
ところで、今頃のこの辺りは鯉のぼりが空を舞う次期なのだが、今年はあまり見かけない。何しろこの辺りは鯉のぼりの好きな地域で、男の子が生まれると親類縁者からどっさりと送られるらしい。
そのいくつもの鯉のぼりを逆V字に張った綱で二重に泳がせるという風習があるのだが、近頃はそうした鯉のぼりがめっきり減った。少子化の影響なのだろう。年寄りばかりで子供のいない家も多い。鯉のぼりどころではないのだろう。
そんな中で、シャガだけがひっそりと、しかし妖艶に咲いている。
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なんだか、これまでとはまるで変わった一週間の始まりのような感覚。先週末の京都の旅がなかなかよかったからかもしれない。
とはいいながら、今日はたまった仕事をかたづけるのでバタバタの一日だった。思ったより早く片づいたのが幸いで、今、取手駅ビルのスタバで、ブルーベリー・スコーンをつまみながら、コーヒー・ブレイクしている。
この店は英語の個人レッスンに使われていることがあって、外国人のインストラクターに向かって、日本人の生徒が必死につっかえつっかえの英語をしゃべっている場面に遭遇することがある。
いつもは、あまりのとっつおいつの英語にいらいらすることが多いのだが、今日の生徒 (若い女性) は、案外すらすらとしゃべっていた。インストラクターも会話を楽しんでいる風情。このくらいしゃべれたら、わざわざお金を払って英語を習わなくてもいいような気がするが、まあ、言葉というのは常にしゃべってないと忘れるからね。
私も、最近は英語を忘れて自分でいらいらすることがある。
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泊まったホテルが五条烏丸だったので、朝イチで東本願寺にお参りを済ませ、それから JR 奈良線で東福寺に行った。知人が、「東福寺はいい、是非行け」 と進めるので、従ったのである。
確かに素晴らしかった。一日いたくなってしまったが、そんなわけにもいかないので、雪舟寺も含めて一時間ちょっとで逃げ出してきた。
写真の方丈南園の、五山を表すという築山を見ていると、小さな自分がその稜線を歩いているような気がしてくるから不思議だ。
それから三十三間堂。ここも実は初めてだ。京都は何度も来ているのに、この辺りはエアポケットになっていた。さらに、下鴨神社、知恩寺、京都御所と歩きに歩き、六時半頃の新幹線に飛び乗った。
今回の関西旅行は、長谷川等伯展も含めて充実していたなあ。
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今日は大阪の展示会を視察した帰り、京都に泊まっている。京都の国立博物館で長谷川等伯展が開催されているとは知っていたが、今日はもう遅いし、明日は土曜日なので大混雑になるだろうと思っていた。
大混雑の美術展では、結局人の頭しか見えないので、諦めていたのである。ところが、Twitter 経由で情報が入り、この展示会は八時まで延長されていて、今日は寒い雨のせいで、客の入りも少ないというのである。
これ幸いと、国立博物館まで飛んで行った。詳しくは、"Today's Crack" の方に書いておいたので、ここではこのくらいにしておく。
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勝手な話で恐縮だが、今日から、その日に詠んだ和歌そのものをタイトルにすることにした。その方が面倒がないからという、ただそれだけの無精な理由による。目次も歌そのもので表記しているので、タイトルと一致させる方がいいだろうと思ったわけだ。
今朝は久し振りで雲の晴れた爽やかな夜明けだった。その分、放射冷却で冷え込んだが、さすがに真冬ほどの寒さにはならない。
気が付けば、太陽の昇る位置もだいぶ北側に移動してきている。冬の間は、この写真で言えばぎりぎり右の端ぐらいに昇っていた。そして、午前六時で、このように土手を越えて川面に映るぐらいの高さに昇っている。
天候がどんなに不順でも、春には違いない。
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この春も林の縁のクレマチス薄紫に咲き初めにけり
昨日は初夏のような陽気だったが、今日は一転して肌寒い。明日はもっと冷えるという。変動の大きな春である。
暖かくなったり冷えたりしながらも、春は確実に進行しているようで、今日はクレマチスの花の咲いているのを見つけた。クレマチスというのは、昨年の今頃見つけて、図鑑で調べてみてわかった。
昨年四月十日の日記を見ると、花が咲き乱れているので、今年は春が遅いのだとわかる。もう少し経つと、昨年のような咲き方になるだろうか。
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冬将軍花見に戻り来たるかと問ふ人もあり今朝の寒さに
今朝、Twitter で tips_syoko さんが、「冬将軍も旅立つ前に少し花見かい?と聞きたくなるような朝の寒さ」 と tweet しておられた (参照)。うぅむ、この寒さでは実感である。
で、私はちょっと気が向いてしまって 「冬将軍旅立つ前の花見かと聞きたくなりし今朝 の寒さよ」 と reply したのだが、それをもうちょっとアレンジして、今日の和歌とさせていただく。
それにしても、この春は本当に天候が不順である。いったいどうなってるんだろう。
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去年 (こぞ) の秋実りし蕎麦のざるに盛られ光りゐるなり花咲く春に
前から気になっていた水戸のみかわという蕎麦屋に、今日初めて寄ってみた。中はなかなかお洒落な空間。本来ならゆったりと時間をかけてお酒と料理を楽しみ、最後に蕎麦で締めたいというところだ。
しかし、車で来ているのでお酒はダメ。それに時間もないので、鴨ざるそばを一枚いただいて帰ってきた。粗挽きのなかなかしっかりした蕎麦。久し振りでどこに出しても恥ずかしくない蕎麦らしい蕎麦を食べた。
これから贔屓にしたいところなのだが、この店、よほど時間を外さないといつも満席で、なかなか気軽に入れないのが困ったところである。
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春嵐の中に咲きたる桜花今日はな散りそ枝揺るるとも
昨日から春嵐がますます吹き荒れて、今朝は電車の運行が乱れに乱れ、都心に出るまでいつもより 1時間以上も余計に時間がかかってしまった。
春嵐は暖かい風が吹き荒れる。取手近辺の桜は、昨日の朝まではちらほら咲いているだけだったのだが、今朝は満開に近くなっていた。昨日一日で、一気に咲いたようだ。
暖かくなるのをよほど待ちかねていたのだろう。
咲いたばかりの桜というのは、なかなか散らない。こんな強風が吹き荒れているのに、しっかりとしがみついている。なかなかどうして、しぶといものである。
ところが、満開を越えてしまうと、ちょっとしたそよ風でも桜吹雪になる。それもまた素晴らしい風情だ。
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テーブルになくてはならぬテルモスの白色灯に光る銀色
最近の 「魔法瓶」 というのはなかなか進化していて、「電気ポット」 とか 「電気魔法瓶」 とか言われている。電気で常に沸点近い温度の湯が用意できるようになっている。
我が家にもそうした製品が一つある。あることにはあるのだが、台所の奥深くしまわれたままで、全然使われたことがない。普段使っているのは、昔からある "THERMOS" ブランドの、電気を使わない 「魔法瓶」 である。
"THERMOS" という会社は、元々はドイツで設立されたもののようで、そのためなのだろう、昔の山登り達は、魔法瓶のことを 「テルモス」 と称していた。コピー機のことを 「ゼロックス」、化学調味料のことを 「味の素」 というようなものである。
とにかく、我が家では魔法瓶と言えば、ずっとこの 「テルモス」 なのである。
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