草刈り機の音止めばただ鵯の声満ち満つる静けさなりき
"#haiku" で Twitter のハッシュタグ検索すると、世界中で tweet された"haiku" が表示される。 ここで 「俳句」 ではなく "haiku" と表記したのは、英語の 3行詩としての "haiku" が圧倒的に多いからだ。
思っていたよりずっと、 "haiku" は世界的に広まっているようなのである。
ただ、 "haiku" は、日本語の五七五とは違い、3行で書かれた短詩として広まっているようで、そこに込められたメッセージ量は、単純にみれば日本語の 「俳句」 よりずっと多い。
だから英語の "haiku" は、どちらかといえば、口語短歌に近いような気がする。
近頃、私も "haiku" を tweet し始めた。今日はまず、「草刈り機の音止めば、鵯 (ヒヨドリ) の世界」 と、何の変哲もない tweet をした後に、それを "haiku" にしてやろうと思い、
The roar of lawn mower faded out / Open silence / The world of bulbuls
と tweet した。直訳すれば 「芝刈り機の轟音がすうっと消え去った / 開けた静寂 / ヒヨドリの世界」 ということになる。
すると、@amoz1939 さんという方がRetweet してくれた (参照) ので、ちょっと嬉しい。
それで、今度はそれを三十一文字にしてみた。なんだか逆輸入したような気がしている。
ちなみに、これ以前に tweet した haiku を、以下に記録しておく。
At rainy midnight / Sailing over the reflection / On the pavement deeper than the sea
(これは、一昨日の 「雨の夜の街の灯映し海よりも深き路面に我は乗り出す」 の haiku 版)
I type my midnight draft / Cat stares at my fingers / Murmuring in bed is my Wife
I once was a dolphin / Lost on this hill / When it was a part of the Ocean
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コメント
ただ一つの音のみの静けさというものは、その音がその場の
空気そのものとなる感じですね。温度や風や湿度、香り
までがその音にとけるような。
ちょっと芭蕉さんの俳句も連想しました。
投稿: 緑茶好き | 2010年10月13日 21時37分
緑茶好き さん:
>ちょっと芭蕉さんの俳句も連想しました。
そうですね。
英語の方の "Open silence" というのを、どうにかして日本語にしたかったんですが、ちょっと無理でした。
投稿: tak | 2010年10月14日 16時12分
open silenceですか。難しいですね。
takさんの伝えたいニュアンスに合っている自信は
全くないですが「しじまの空に」とかどうだろうと
思いました。う~ん、語呂だけでしょうか……
投稿: 緑茶好き | 2010年10月14日 19時37分
緑茶好き さん:
「空(くう)のしじまに」 なら意味が近いですが、ちょっと言葉として固いですね。
いや、本当の静寂ということじゃないから、やっぱり違うか。
投稿: tak | 2010年10月19日 10時10分
たびたび失礼いたします。
あの後なんとなく心に留めて過ごしていて、ある時ふと
「静音(しずね)のあたり」というのが浮かんだのですが
いかがでしょうか。前回よりは近いかなと自分では思っています。
うーん、少し時間がたちすぎてしまったかも?
投稿: 緑茶好き | 2010年10月24日 12時43分
緑茶好き さん:
>「静音(しずね)のあたり」というのが浮かんだのですが
実際には 「静音」じゃないんですよね。
ヒヨドリの鳴き声って、芭蕉の「蝉の声」 と同じで、実はかなりうるさいんです。
それでも、「静けさ」を感じさせるというところがミソなので。
投稿: tak | 2010年10月26日 18時04分
音が広がる背景になっている感じですね。そうすると……
う~ん、声満ち満ちて 風に溶けゆく の繋がりにするとか。
無風だったら使えないですが(苦笑)
岩にしみいるとした芭蕉さんの巧さが今になって感じられます。
なんだかしつこく食い下がってしまいすみません。takさんの
「開けた静寂」というののニュアンスを知りたい、出来れば形にしたいと
いう気持ちでつい。御迷惑でなかったら良いのですが。
投稿: 緑茶好き | 2010年10月26日 19時50分
緑茶好き さん:
Open silence は、あくまで open silence です。
そのままで受け取って頂ければいいのです。
投稿: tak | 2010年10月27日 19時24分
了解いたしました。
投稿: 緑茶好き。 | 2010年10月27日 20時02分