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2010年10月31日

玄関で人待ちゐたる老猫の誇りも高き白き毛並みよ

Old white lady cat  / Waiting for someone at the front door / In her fine coat of fur


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日が暮れて我が家に帰ってくると、玄関のところに我が家の白猫がぽつんと、誰かドアを開けてくれるのを待っていた。

この白猫は我が家の二匹の猫のうち、年上の方で、今では十七歳になった。人間でいえば九十歳以上にあたるばあさん猫である。

一度老衰でよぼよぼになり、死を覚悟したのだが、家人総出の介護で持ち直した。持ち直したとはいえ、往時の敏捷さはなく、何をするにももっさりである。高いところに飛び乗るジャンプ力も消え失せてしまった。

前は台所の窓まで飛び上がり、隙間から爪を突っ込んでサッシをこじ開け、自力で家の中に入ることもできたが、今は出入りは玄関ドアを誰かに開けてもらわないと無理になった。

しかし、この白猫は年下の黒猫と違って、プライドだけはやたらに高い。私が玄関ドアを開けてやっても、すぐには入ろうとせず、やや間をおいてから 「ふん、せっかくやからしゃあない。入ったるわ」 ってな感じで、渋々ながらを装って入る。

年は取っても、なかなかのものなのである。

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2010年10月30日

裏の川に鴨渡り来て泳ぎゐるながめのうちに秋は更けゆく

Wild ducks have come / To the river / Watching them in rain


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朝から雨である。台風十四号が近づいているので、日付が変わる頃までこのまま雨らしい。

裏の川に、今年も鴨たちが渡ってきた。冷たい雨だというのに、川面をゆっくりと移動している。人間の目から見るとさぞかし寒そうだが、彼らにとっては、この程度ではまだまだ本当の冷たさではないのだろう。

もう月末。明後日はもう十一月で、年末までまっしぐらだ。

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2010年10月29日

明くる日は野分の来るといふ空に冷たき雲の渡りゐるなり

Dark clouds in the sky / A typhoon is coming / Though seems to be winter


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今日は昨日より暖かくなるなんていうから、かなり油断していたが、やっぱり寒い。ずいぶん寒い。

台風が来るという前日に、こんなに冬のような寒さだなんていうのは、記憶にない。まったく極端な天気だ。

昼過ぎにだいぶ空が暗くなって、雨が降り出すかとも思ったが、辛うじて降らずにすんだ。写真は夕暮れの都心の空。青空がわずかに透けて見えるような気がする。

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2010年10月28日

越前の土産の菓子は木枯らしの吹く日に残り二つとなりぬ

Only two piece leftovers / Of refreshment from Echizen / In this cold day


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今日は本当に寒い一日だった。はやばやと冬になったような陽気だ。

ところで、先日福井に出張した際にもらってきた土産の和菓子が、我が家で好評だ。

熊が出たとニュースになった勝山の名物らしいのだが、「羽二重くるみ」 と 「おやき」 である。ウチの娘たちは洋菓子が好みで、和菓子はあまり食べたがらないのだが、これはおいしいと言ってぱくぱく食べて、もうこの二つしか残っていない。これも程なく消えてしまうだろう。

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2010年10月27日

松茸を千円で売ると呼ぶ声を残し上野の風は吹き過ぐ


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朝から肌寒い一日となった。ついこないだまで 「ちょっと晴れればすぐ夏日」 なんて言ってたのだが、今は、「ちょっと吹けばすぐ冬の寒さ」 だ。

今日は出先から都営地下鉄大江戸線で上野御徒町という駅まで戻ってきたので、とっぷり日の暮れたアメ横を JR 上野駅まで歩いた。

夕方過ぎのアメ横は、松茸が三つで千円とか、大きなウナギの蒲焼きが八百円とか、やたらと安くなっている。つい心が動きそうになるが、まあ、別に必需品ってわけじゃないから、眺めるだけで通り過ぎる。

その代わり、アメ横の端にあるヨドバシカメラで、USB ハブ千二百八十円を買って帰った。

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2010年10月26日

ふるさとの新米炊けばふるさとの移り香のして秋の夜は更く

Cooked homeland's rice / Breathed homeland's scent / Autumn evening never gets late


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山形県の新しいお米、「つや姫」 を炊いて、初めて食した。

先週の水曜日に、銀座の山形アンテナショップで買ってきたのだが、あれから帰りが遅くなったり、泊まりがけの出張が入ったりしたので、今日までお預けをくっていた。

米そのもののうまさを強調するために、おかずはできるだけシンプルに、鯛汁、秋なすの焼き物、野沢菜昆布の三種類に絞り込んだ夕食である。

一口食べて、「うん、確かにこれは旨い」 と思った。名前の通りに艶があり、粒が立ち、味わいがあり、かみしめるともっちり感が際だつ。そして、食べ終わってからの後味もいい。これなら謳い文句の通り、冷めてもおいしいだろうと思う。

これはヒットするな。

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2010年10月25日

神田川水の流れもビル影もふと止まりゐる秋の夕暮れ

Both the river and the reflection of the buildings / have stopped flowing away / In the autumn twilight


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関係先のオフィスの通信関係でちょっと突発事故が起きて、業界のうっとうしい会議をこれ幸いに抜け出し、駆けつけてみると、事故というほどのことでもなく、すぐに問題解決。

終わってみれば、うっとうしい会議から解放されただけ幸運だったかもしれない。

写真は、オフィスに駆けつける際に渡った神田川の橋から撮ったもの。こんな呑気に写真を撮っていられたのも、大したことではないと、大抵の見当は付いていたからである。

めでたしめでたし。雨が降り出していたが、小降りだったのでほとんど濡れずに済んだし。

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2010年10月24日

牛を忘れ忘れし身をも忘れ果て還りゆく地をみるけふの道

In Kyoto, somebody is back / from forgetting himself  / who has searched and found the Bull


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今日は京都の寺巡り。とはいえ、いつものように五つも六つも大急ぎで廻るというのではなく、相国寺、東本願寺、東寺の三寺だけ。とくに相国寺に三時間以上いて、禅宗の美を堪能した。

詳しいことは ”Today's Crack" の方の記事に書いたので、ここでは長々と繰り返さないが、私としては近頃訪れたお寺さんのヒットは、東福寺と相国寺だと思う。それもそのはずで、両方ともは京都五山に入っていて、第二位と四位なんだそうだ。ちなみに、南禅寺は別格。

京都の禅寺は、圧倒的に臨済宗が多い。東北は曹洞宗が多くて、私の父方の祖父も曹洞宗の坊主で、永平寺で長年修行した。永平寺と言えば、昨日までは福井にいたので、すぐそばまで行ったわけである。また行ってみたいなあ。

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2010年10月23日

越前の深まる秋の週末の夜空を染むる祭りの光


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今日は出張で福井に行った。帰りは京都に泊まって、明日はちょっとお寺巡りをして帰ろうと思っていたのだが、あいにく京都のビジネスホテルはどこも満室で泊まれず、大阪まで足を伸ばして泊まっている。

福井はとてもいい天気で、いい気持ちで取材ができた。

写真は、福井駅前の 「ケヤキわくわくストリート大フェスティバル」 の光景。老若男女が 「よさこいなんとか」 を景気よく踊りまくっている。どえらい盛り上がりようだ。

検索してみたら、このようなページが出てきた。どうやら福井市主催のイベントらしい。市の主催にしては、ずいぶんカジュアルな盛り上がりだった。

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2010年10月22日

日を知るといふ名の橋を仰ぎ見て旅行く先の空を偲べり

Looking up the Hijiribashi / Or whether forecasting bridge / Thought of the sky of the strange land


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御茶ノ水駅のプラットフォームからみた聖橋である。私はこの橋をかなり贔屓にしている。近くを通りかかりさえすれば、写真に撮りたくなる。

聖橋の 「聖 (ひじり)」 とは、「日を知る」 というのが語源と言われている。

今日は曇りがちで気温もあまり上がらず、明日も二十二度ぐらいにしかならないという予報だ。しかし、明日私は福井県に出張する。インターネットで福井の天気をみると、明日は二十三度まで上がるらしい。福井の方が気温が高いとは意外である。

明後日の帰り道では京都に寄って、お寺巡りをしようと思っている。京都は明後日、二十四度まで気温が上がるようだ。今度の出張は寒さの心配はしなくてもよさそうだ。

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2010年10月21日

秋の暮れ恋ふ人もなく沈むでもなく街の灯を浴びて歩かむ

Even autumn twilight  / Does not make me sad / For I have forgot passionate love


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近頃日の暮れるのが早くなった。関東だと、夕方の五時を過ぎればもう暗くなり始めている。これからはつるべ落としのような夕暮れになる。

日暮れが早くなると、やはり少しもの寂しい気持ちになる。このままずっともの寂しさが続いて、最近は十二月になってクリスマスが近づいてもあまり陽気にはならない。

年が明けて日暮れが遅くなり始めてから、ようやくまた元気が出てくるという繰り返しだ。まあ、もの寂しくても沈み込んだりはしないのだけれどね。

写真は昭和通りの秋葉原付近。この辺りもずいぶん大きなビルが建ち並ぶようになった。

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2010年10月20日

苅田来てひこばえに成る穂を見れば去りにし夏の日を思ひけり

I see the second ripeness / In the harvested rice field / An reminder of the hottest summer


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稲刈りのとっくに終わった田んぼで、稲の切り株から新しい芽が伸び、さらにその先に稲穂までついてしまっている

切り株から新しい芽が出ることを 「ひこばえ」 というが、こうなると、それどころではない。「ひこなり」 だ。。そんなにびっくりするほどのことではないのかもしれないが、少なくとも私は初めて見た。

稲刈りが終わってからもずっと残暑というか、真夏の暑さが続いたせいで、期せずして二期作になってしまったんだろうか。

今年の暑さは、しばらく語り継がれるだろう。もし、来年以後も同じような暑さで、語り継ぐほどのことでもないなんてことになったら、それこそ大変だ。

是非とも、「平成二十二年の夏の暑さはものすごかった」 と語り継げるようであってもらいたい。

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2010年10月19日

風受けて日暮れの頬に甦る長らく忘れゐし冷たさよ

My  cheeks suddenly recalled / evening coldness  / blown by the autumn wind


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にわかには何の写真家分からないだろうと思う。これは上野駅の常磐線快速電車のホームで、十両目と十一両目の連結されている隙間から、下の長距離列車のホームを透かしみたところだ。

ロールシャッハ・テストってこんな感じの図をみるんだっけかなんて、思い出している。

今日は日暮れの風を受けると頬が冷たく感じた。長らく忘れていた感覚だ。

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2010年10月18日

街灯に光る薄の穂陰にて尿(いばり)する猫に秋の夜長し

A cat urinates unhurriedly / Under the ears of pampas grass / Reflecting the street lamp


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日中はかなり気温が上がったが、日が暮れてしまうと涼しい。帰宅すると、街頭の明かりでススキの穂が光っていた。

ススキの下では、我が家の猫がしゃがみ込んで、小便をしている。

猫の小便の姿はシャッターチャンスを逃してしまったが、ススキはいつまでも光り続けている。

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2010年10月17日

秋の日のフロントガラスに座りゐる蛙と見合ひ五十キロ走りぬ

Thirty mile drive / With a tiny frog / Watching  each other through the windshield


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不思議な写真だが、車のフロントガラスにカエルが居着いてしまったところである。

今日、仕事で古河まで行こうとして、我が家を出発したとたんに車の屋根からカエルがフロントガラスに降りてきて、ちょこんと座ったまま動かなくなってしまった。

路肩に停まり、内側から指で突いたりしたが全然動じない。仕方がないから、お見合い状態のまま目的地まで同行してもらった。到着したときは屋根に移っていて、ちょんと突いたらジャンプして、近くの草むらに消えた。

たった一時間ほどで約五十キロの遠くまで来てしまったわけで、カエルにしてはずいぶんな長距離移動で、さぞ疲れたことだろう。

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2010年10月16日

秋の日に秋らしき日とひとりごち欠くるものなく望む夕焼け

A real autumn day / Brought us such a sunset glow / Nothing runs short


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今日の帰り道。田んぼの中を突き抜ける近道で、おもしろい夕焼けが見えたので、車を止めて iPhone で撮影した。

近頃はコンパクト・デジカメを持ち歩くことは滅多になく、大抵は iPhone で撮影している。画質はコンデジに劣るが、それでも慣れれば使い物になる。

来年 iPhone 4G に買い換えたら、もっときれいな写真になるだろう。だから、今後はコンデジを買い換えず、買うなら一眼にしようかと迷っている。

今日は昨日までとは違って、さわやかで涼しい日だった。ようやく秋らしい秋になった。

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2010年10月15日

黄金の竿てふ花のこの秋も泡立てる黄に色付きにけり

Tall goldenrods / have turned Gold / Or coarse yellow


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セイタカアワダチソウがいつの間にか色付いている。

このセイタカアワダチソウというのは、日本ではなんとなく憎々しげに思われているが、米国ではそうでもないらしく、なんと英語では "Goldenrods"(黄金の竿) というのだそうだ。

名前からしてあまり憎まれていないと感じられるが、さらに、ケンタッキー州では州花にまでなっているらしい。

どうもこの花は日本の光景には合わないと思ってしまうのだが。

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2010年10月14日

観音は三十三身と現れて衆生を救ふチリの地にても

The Kannon, Buddhism symbol of mercy / Saves us appearing as thirty three different bodies / As well in Chilie


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三十三人全員が救出されるまでは、ブログでは騒がないことにしていたが、ようやく解禁。

ニュースをみて、不意に「観世音菩薩は三十三身に現れて衆生を済度し給う」 というのを思い出した。彼らは世界にとって、観世音菩薩の役割を果たしたかもしれない。

生還、おめでとう。

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2010年10月13日

飛びゐても葦の先でも風を受け秋津は羽を揺らし張るなり

Whether in the air / Or on the end of a reed / A dragonfly stretches out its faint wings


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川辺の葦に、とんぼが止まっていた。背景は川面のさざ波。

とんぼの四枚の羽は、風に吹かれて身の安定を確保するためなのか、水平にそろっていない。上下に分かれている。

いかにも秋の風景だが、気温は夏日。二十四節気では秋本番の 「寒露」 だが、ちょっと晴れさえすればすぐ夏の暑さになる。

今日のモチーフの秋津 (とんぼ) だが、欧米では悪魔の使いと思われてるらしいので、どんな感じで読まれてしまうのか、ちょっと心配だ。

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2010年10月12日

かさぶたの落つる時こそ我が縁を取り戻さむと待ち構へをり

I should retrieve the edge of myself / From the tiny scab / When it will fall off naturally


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虫刺されの痒みは、45度以上の熱でたちどころに消える。ただし、気を付けないと低温やけどになる。こんなふうに。

とても軽度の低温やけどなので、ちっとも痛くはないが、一応少しだけ水ぶくれになって、それが破れてかさぶたになっている。

このかさぶたがぽろりと落ちる時に、私は自分の境界を取り戻す。

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2010年10月11日

草刈り機の音止めばただ鵯の声満ち満つる静けさなりき


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"#haiku" で Twitter のハッシュタグ検索すると、世界中で tweet された"haiku" が表示される。 ここで 「俳句」 ではなく "haiku" と表記したのは、英語の 3行詩としての "haiku" が圧倒的に多いからだ。

思っていたよりずっと、 "haiku" は世界的に広まっているようなのである。

ただ、 "haiku" は、日本語の五七五とは違い、3行で書かれた短詩として広まっているようで、そこに込められたメッセージ量は、単純にみれば日本語の 「俳句」 よりずっと多い。

だから英語の "haiku" は、どちらかといえば、口語短歌に近いような気がする。

近頃、私も  "haiku" を tweet し始めた。今日はまず、「草刈り機の音止めば、鵯 (ヒヨドリ) の世界」  と、何の変哲もない tweet をした後に、それを "haiku" にしてやろうと思い、

The roar of lawn mower faded out / Open silence / The world of bulbuls

と tweet した。直訳すれば 「芝刈り機の轟音がすうっと消え去った / 開けた静寂 / ヒヨドリの世界」 ということになる。

すると、 さんという方がRetweet してくれた (参照) ので、ちょっと嬉しい。

それで、今度はそれを三十一文字にしてみた。なんだか逆輸入したような気がしている。

ちなみに、これ以前に tweet した haiku を、以下に記録しておく。

At rainy midnight / Sailing over the reflection / On the pavement deeper than the sea

(これは、一昨日の 「雨の夜の街の灯映し海よりも深き路面に我は乗り出す」 の haiku 版)

I type my midnight draft / Cat stares at my fingers / Murmuring in bed is my Wife

I once was a dolphin / Lost on this hill / When it was a part of the Ocean

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2010年10月10日

夕焼けを受けきることもなきままに雲は千切れて流れ行くなり


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昼過ぎから、思いのほかよく晴れた。予報では雨のち曇りで、明日は晴れるということだったのだが、晴れすぎて残暑が戻ったような天気になった。

今日は所用で、久しぶりに三多摩方面に出かけ、日暮れ前に戻ってきた。写真は電車から降りて、取手駅前で見上げた空。夕焼けになりかかっている。

明日はよく晴れるということだが、締め切りぎりぎりの原稿があるので、一日家に籠もってパソコンの前にいなければならない。やれやれ。

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2010年10月 9日

雨の夜の街の灯映し海よりも深き路面に我は乗り出す


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昼前から雨。明日もずっと雨という予報。

一時はかなり強く降って、道路は所々大きな水溜まりになっていて、車で走りすぎると、盛大な水しぶきが上がる。こういう日は洗車代わりと思って、気にせずに運転する。

写真は、コンビニの駐車場。アスファルトが雨に濡れて、自動車や向かいの店の明かりを映し込んでいる。雨の日のアスファルトは、底知れぬ深さをもってしまう。

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2010年10月 8日

秋晴れに遅れて来たる子の如く白き木槿は身を縮め咲く


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めちゃくちゃ暑かった真夏の間は、我が家の裏手のムクゲの花が少なかったのだが、少し涼しくなってきたあたりから、ようやくどんどん咲き始めた。

「木槿」 というのは、歳時記では秋の季語なので、今頃になってから花が増えても不思議じゃないが、例年は真夏の時期からどんどん花が開いていた。

あの暑かった時期は、さすがにムクゲにもしんどかったのだろう。野菜だって少なかったのだから、花もさぞ咲きにくかったに違いない。今日になっても、花ぶりが少し小さいような気がする。

いつもの年は十月半ばを過ぎると花の数がぐっと少なくなるが、今年はどうだろう。ようやくまともに咲き始めたのだから、かなり遅くまで咲くのか、あるいは、体力が尽きて早めに終わってしまうのか。

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2010年10月 7日

鴨たちの来る頃となり行く川も冷たき空の色こそ湛へ


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我が家の裏の川に、また鴨たちが現れ始めた。秋から春にかけて、鴨たちがこの辺りの川で過ごす。

鴨たちがこの川にいるのは冬を越すためだから、水の色はどうしても冬らしい冷たい色になる。それで、私なんか、「鴨はあんな冷たそうな水に浸かって、よく風邪引かないなあ」 なんて思ってしまうのである。

この冬も、せいぜい鴨たちを驚かせないように、時々写真を撮らせてもらうことにしよう。

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2010年10月 6日

駅までの空さやかにて道ばたの狗尾草の揺る風もなし


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今日は昨日とくらべてもすっきりとした秋らしい日だった。近頃では、いかにも春らしい日と、いかにも秋らしい日は貴重だから、よく深呼吸をしておいた。

写真は取手駅に辿る道ばたのネコジャラシ。ちゃんとした言い方では、エノコログサと言う。ウチの猫の鼻先に近づけて揺らしてやると、狂喜して飛びついてくる。

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2010年10月 5日

黒猫の子犬の如く甘え来て栲繩 (たくなは) の長き秋の夜は更く


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我が家には猫が二匹いて、年上の方は真っ白、年下の方は真っ黒である。で、これは年下の方。年下とは言っても、もう十三歳ぐらいで、人間で言えばじゅうぶんおばあちゃんだ。

二匹の猫は毛並みの色だけでなく性格も対照的で、年上の白猫は気位が高く、気むずかしいが、こちらの方はいたって気安い性格。いつもベッドカバーの上でくつろいでいて、誰かが近づくと 「一緒に寝ようよ」 とばかりニャアニャア鳴く。

どちらかというと、猫というよりは子犬みたいな性格の子である。今夜も私が帰宅して着替えている間中、ベッドの上でひとしきり鳴いていたが、思いっきり背中をなでなでしてやると、ようやく落ち着いた。

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2010年10月 4日

香り立つ蕎麦をたぐりぬ常陸なる里に深まる秋空の下


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久しぶりで守谷の美里という店の蕎麦を食った。この店は、取手、守谷近辺で三本指に入る蕎麦を食わせてくれる店だと思う。

三本指と書いたが、個人的には多分、一番旨い蕎麦だとも思う。今日も大変満足した。

多分、今日のところは違うだろうが、もうすぐ新蕎麦を食わせてもらえる季節である。

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2010年10月 3日

月草の移ろふ野辺に鳴く虫の声ぞ添ひ来る家路辿れば


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結構な残暑に感じたが、茨城南部の最高気温は二十五度の達しなかったようで、夏日にはならなかったらしい。とはいえ、日差しの強いところではじりじりと感じるほどだった。

日曜日だが一日中、仕事で外出。日が暮れてから戻ってきたが、自宅までもたず、途中のショッピングセンターでインドカレーの夕食をとった。

日曜だけに、駐車場はくるまでびっしりと埋まっていた。アメリカナイズされた光景だが、車はコンパクトカーがやたらと多く、日本そのものである。

今日の歌、平安貴族だったら結句は 「辿る恋路に」 とでもするところだろうなあ。

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2010年10月 2日

デジタルの波動を圧し艶やかに南瓜は時を封じて堅し


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日が暮れてから帰ると、なぜかリビングルームの片隅の家族用 PC のデスクに、カボチャが置いてある。うまそうなカボチャだ。

なんでこんなところにカボチャが置いてあるのかと聞くと、台所のカウンターの整理をしたときにたまたま一時的に置いたのが、そのままになっているだけだという。

なるほど、なんだかしらないが妙に似合っているというのはある。しばらくそのままにしておきたくなった気持ちが、わからないではない。

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2010年10月 1日

一昨日の雨は川幅いつぱいのさざ波となり入り日に映ゆる


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今日はまあ、秋らしい一日といえば言えたかもしれない。さわやかな風も吹いたし。

それでも、昼頃は車に乗っていると汗ばむほど暑かった。エアコンを入れるのも癪に障るし、窓を少しだけ開けるぐらいではまともに風が入らないし、開け放すと外の騒音が入りすぎるし。

写真は小貝川の風景。県道の橋がかかっていて、車が案外ひっきりなしに行き過ぎる。

日が暮れかかって逆行になっていて、ちょっと前までは iPhone のカメラではどす黒くしか写せなかったが、最近は慣れてきて、一番くらいところに焦点を合わせると、コントラストが少しは和らげられるとわかった。

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