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2011年3月31日

なゐの後にわが訪ぬるを喜びて話の止まぬ人のありけり

Friends of mine couldn't stop talking / To me visited unexpectedly / After the earthquake


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今日は所用で水戸に行ったついでに、少し足を伸ばして県北の日立市、高萩市などに住む知人を訪ねた。地震見舞いである。

茨城県北部の地震被害はかなりのものだったが、私の知人に関する限りは大きな被害はなく、棚の食器や本が落ちて散乱した以外は、せいぜい屋根瓦が落ちた程度で済んだようで、安心した。

とはいえ、断水の時期は長いところでは二週間にも及んだようで、水の確保にかなりの体力を使ったようだ。さらに、余震はまだ収まっておらず、原発の驚異もあるので、私が顔を出したことを大変喜んでくれた。根本的解決にはならなくても、心を開いて話のできる人間と会うのは、ストレス解消には役立つ。

写真は日立市の河原子海岸にある漁港でみた光景。津波のために漁船が岩場の上に打ち上げられて、乗っかったままになってしまっている。この辺りの津波は海岸の防波堤を越え、道路を隔てた住宅にまで押し寄せたようだ。今でもかなりのダメージが残っていた。

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2011年3月30日

川岸のつがいの鴨の足元のかくまで赤きにしばし驚く

Surprising reddish webbed foots / Of a pair of wild duck / On a bank of the stream


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近頃ようやく、少しは暖かくなってくれてありがたい。原発関連はまだまだ予断を許さない状況だが、ようやく人の心も落ち着きを取り戻しつつある。

我が家の裏を流れる川の向こう側、川底が露出したあたりに鴨の夫婦がじっと羽を休めていた。昨年の春先まではこの辺りは多くの鴨がいたのだが、今年は少ない。見渡しても、この二羽以外には、子鴨の姿も見あたらない。

驚かせないようにそっとシャッターを切ったのだが、やはりこちらに気付いて、この一瞬後には飛び去ってしまった。

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2011年3月29日

一輪の桜の内に満開を願ふ心の宿りゐるなり

In only one blossom of cherry / Dwells our earnest wish / For full blossom of life


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自分の和歌を英訳して、それを英語の "haiku" ということにし #haiku というハッシュタグで Twitter で紹介しているのは、前にも述べたとおりである。

昨日のは "At the backyard of Tokyo / In unusual dimness / Cherry blossoms began to bloom" という haiku だった。元の歌は 「いつになくほの暗き街の裏庭で桜は既に咲きたりといふ」という歌である。

これを Twitter に紹介したところ、時々私の haiku を Retweet して紹介してくれているSandyInBerlin さんが返句をくださった。

new cherry blossoms / need nothing more than a nudge / of encouragement (参照

Grace under pressure / Stoic despite such despair / a tear a smile (参照

という haku である。これを日本語の短歌に訳すと、次のような感じになるだろう。

この年の桜は人の前を向く心のほかに何も求めず

何もかも失ひたれど涙もて微笑む人の高貴なるかな

この二首を Twitter に掲げておいた (参照 1参照 2

なお、今日の写真は、昨年に撮っておいたものである。今年の桜は、まだこれほど満開じゃない。

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2011年3月28日

いつになくほの暗き街の裏庭で桜は既に咲きたりといふ

At the backyard of Tokyo / In unusual dimness / Cherry blossoms began to bloom


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今日はあの地震以来、久しぶりで都内に出た。最後に都内に出たのは地震の前日の十日だから、十七日ぶりである。上京してから二週間以上も東京の空気を吸わなかったのは、初めてではなかろうか。

上野駅に着いてみると、東京はほぼいつもの東京の雑踏である。だがどこか違う。駅にしても商店にしても飲食店にしても、照明を落としているから薄暗い。

そして、夕方に仕事を終えるとみな、そそくさと家路につきたがる。だから、夕方の電車がいつも以上に混む。

皆が節電していて、仕事を終えればすぐに帰宅するというのは、別に悪いことではなく、むしろ望ましいことでもあるが、その分だけ経済はシュリンクする。

昨日東京の桜の開花宣言が出されたらしいが、夜はライトアップも自粛されるだろうから、せいぜい夕方の明るいうちに花を愛でて、ついでにどこかに寄って食事でもするのがいいかもしれない。

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2011年3月27日

黄昏るる北を望めば日光の山影浮かぶ紫の空

Twilight time has come / With edges of the mountains of Nikko / Against the purple sky


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一時に比べれば、スーパーの店先にいろいろな食品が並び、乾電池も少しは姿を現した。飲料水だってないわけじゃない。

ガソリンスタンドも、店を閉めているのは半分ぐらいになった。週明けにはもっと開店する店が増えるだろう。

それでも、原発のニュースが心配で、街には活気がない。日が暮れると世の中が本当に暗くなる。

暗くなる一歩手前の黄昏時、北の方を望むと日光の山々が望まれた。男体山の姿もくっきりとわかる。空は不気味なまでにパープルに輝いている。

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2011年3月26日

北風の吹き渡る野を行く川のさざ波よいつ花の咲くらむ

Ripples on the cold stream / When will our cherry blossoms / Come out to bloom


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地震から二週間が過ぎても、まだ事態は遅々たる歩みだ。東北の被災地にはまだ十分な救援の手が届かず、福島原発は一進一退の危機的状況から脱することができない。

今日も木枯らしが吹いた。裏の土手から川面を見下ろすと、常にさざ波が立っている。春の歩みも遅い。

春が遅いとはいえ、関東はもうすぐ桜が咲く。花は咲いても、花見をするような気分にはなかなかなれない。井の頭公園には 「宴会自粛」 の張り紙が出されたという。上野公園はどうなるのだろうか。花見の宴を張る人があっても、私は 「不謹慎」 と責めたくはない。

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2011年3月25日

揺るる地を覆へる雲の広がりてこの年の春の遅き歩みよ

Dark clouds cover the earth / That trembles too often / And such a slow pace of the season


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福島原発の状況は、一進一退というか、一部ではますます危機的になっているというか、まあ、様子がよくわからないままに運を天に任せているとしか言いようがない。

仙台の妻の実家に送った救援物資 (味噌、マヨネーズ、缶詰など) は、今日最寄りの局留めで届いたそうだ。震災後二週間を過ぎたのに、なかなか流通が回復していないようだ。

春はなかなか進まず、昼過ぎにはどんよりとした雲行きになってしまった。ここまでくると、じたばたしてもしょうがない。

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2011年3月24日

ふと見ればいぬふぐりこそこの春も目立つことなく咲きてあるなれ

Tiny flowers / Of Persian speedwell / In bloom so humbly


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遅い春だが、裏の土手際にイヌフグリの花が咲いている。今日も昨日ほどではないが北西の冬型季節風が吹いている。

福島原発で発生した放射性物質を、陸地ではなく海の方に飛ばしてくれていると考えれば、少しはありがたいが、それでもやはり寒い。

寒さの中でも、地表近くでは春への移行が進んでいて、枯れ草色ばかりだったところに、小さな花の色が混じるようになった。暖かくなるのは、もうすぐだ。

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2011年3月23日

地は揺れど彼岸忘れぬ蕗の薹慎ましやかに春を告げ来ぬ

Butterbur sprout came up / On the trembling earth  / To show the sign of spring


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今日も一時的に日が射したものの、午後からは小雨模様で、昨日ほどではないが寒い一日だった。明日の夜明けは放射冷却で氷点下になるという。月末にならないと、春の陽気にはならないらしい。

今朝は震度五弱の余震があったが、このくらいの揺れにはもう慣れてしまって、あまり驚きもしない。少しは驚くぐらいがまともな神経なのだろうが。

我が家の裏の土手際に、今年もフキノトウが芽を出した。今年は春先が寒いので、まだ数は少ない。地面は揺れても、寒い春先でも、自然は春を忘れない。

ガソリンが入手できなくて、なかなか動きが取れなかったが、ようやく流通がまともになってきたようだ。明日からはガソリン満タンにして、動きだそう。

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2011年3月22日

避難所に無事なる友の名前ありわが庭の梅満開の今日

Name of an old friend of mine / In the list of a tsunami refuge / He is alive as ume flowers in full bloom


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昨日からずっと、冷たい雨が降り続いている。気温以下に寒く感じるが、節電という以上に、被災地の人たちのことを思うとエアコンのスイッチを入れる気になれず、ダウンジャケットを着込んで耐えている。

我が家の庭の梅が遅咲きであることは何度も触れたが、ようやく満開になった。隣の家の梅は、もう散り始めているのに。

石巻市の海沿いに住む友人が、死なずに避難所にいると確認された。ずっと気にかかっていたのだが、死なずにすんでよかった。避難所は寒いだろうが、しっかり生き延びてもらいたい。

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2011年3月21日

猫さえも餌と水には困らぬになほ飢うる人あまたあるとは

My cat enjoy its meal / While many people suffer / From food shortage


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一日雨降り。福島原発はこの雨でちゃんと冷やされただろうか。

今日は地震被害のあった家の後かたづけを手伝った。同じ地域でもかなり被害の大きかった家もある。瓦、塀、門柱、物置などがガラガラに崩れたところがあるのだ。

帰宅すると、我が家の猫が足下にまつわりつく。地震がよほど恐ろしいらしく、近頃すっかり甘えっ子になってしまったのは、昨日書いた通りである。

キャットフードをやると、さっそくカリカリと音を立てて食べ始めた。なんだ、今日は空腹だっただけか。普段は食べ物は妻にねだるのだが、妻が外出していると私に言ってくる。

猫が食事をしているのをみていると、今でも満足な食事にありつけない被災者のことが案じられる。

 

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2011年3月20日

揺るるたび臆病猫の擦り寄るを慰むる我が癒されてゐる

Relieving my coward cat / In every aftershock / I find myself healed much


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我が家は一時、犬一匹と、白猫と黒猫を飼っていた。今は犬と白猫が死んで、一番年下の黒猫一匹になっている。

この黒猫は外の空気が大好きで、しょっちゅう庭に出たがる。庭に出たついでにその辺の隅っこでオシッコをしてくるので、家の中の猫トイレの砂 (使用済みの紙から再生したもの) は、そんなに消費しないで済んでいた。

ところがあの地震以来、急にナーバスというか、まあ早く言えば 「恐がり」 になってしまって、なかなか外に出たがらない。一日家の中にいる。それで、猫トイレの砂の消費が急に増えた。

近所のスーパーでは、トイレットペーパーは不足しても猫砂は不足していない。だから問題はないのだが、オシッコで固まった砂をしょっちゅうトイレに流してあげなければならないので大変だ。

恐がりになった猫が何かというと甘えて擦り寄ってくるので、まあ、どちらかと言えば、こちらの方が癒されているというところはある。

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2011年3月19日

大いなる今宵の月はあのなゐを呼びたりとても澄み渡る月

Even if it caused the earthquake / The clearest is / Tonight's  Super Full Moon


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今夜はやけに外が明るい。聞けば今夜の月はスーパーフルムーンというのだそうだ。

十九年ぶりに月が地球に最接近し、通常より十四パーセント大きく、三十パーセントも明るい満月なのだそうだ。そんな大イベントだったとは、今日になるまでちっとも知らなかった。

そういえば、六年半前の十月二十三日、"月の引力は 「地震発生の最後のひと押し」 になるらしい" という記事を書いたのを思い出した。(参照

驚いたのは、その記事を書いたその日の新潟地方の二度目の干潮時刻が 十七時五十六分で、新潟中越地震の起きた時刻とピッタリ重なっていたのである。このことについては当時、マスコミもほとんど触れなかった。

今回の地震は満潮干潮の時刻とは関係がなかったが、十九年ぶりの大接近の直前ということなら、月の引力が 「最後のひと押し」 になったのかもしれないと考えても、不自然じゃないだろう。

月はしかし、そんなこととは関係なく、ひたすら明るく澄み渡っている。

(歌の 「なゐ」 は、「地震」 という意味の古語)

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2011年3月18日

吹く風も慈悲にやあらむ炉を冷やし空青くして梅は咲きゐる

Even the cold wind has mercy / To cool down the reactors / Ume still in bloom


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大地震から一週間経った。ようやく本格的な救援が始まったようだ。

しかし、悲しい知らせもあった。妻の弟嫁の実家が津波にさらわれ、両親と妹夫婦が行方不明だそうだ。生き残ったのは妹夫婦の息子一人。私は彼の小さな時しか知らないが、今は立派な青年だろう。

昨夜半まで丸二日間、真冬以上に冷たい北東の季節風が吹き荒れた。もしかしたら、あの風のおかげで、原発は少しは熱を持ちすぎずに済んだかもしれない。そして放射性物質を陸上から海に吹き飛ばしてくれたかもしれない。

避難所で夜を過ごす人には無慈悲な風だったろうが、あの冷たい強風がなかったらもしかしてもっとひどいことになっていたかもしれない。今は何でも受け入れよう。

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2011年3月17日

川面には濃き陰影の波立ちて彼岸の前の木枯らしぞ吹く

Distinct waves on the river / Due to the merciless north wind / Before the spring equinox


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地震から六日目。明日で一週間だ。ずいぶん長い間のような気がしていたが、振り返るとあっという間だ。

そしてよりによって、今日はやたらに寒い。真冬以上の冷え込みだ。今月十日も相当な 「寒の戻り」 だったが、天気予報では、「これが最後の寒の戻り」 なんて言っていた。嘘ばっかである。

被災地の避難所で震えている人が本当に気の毒である。避難所で死んでいく人も出ているというが、さもありなん。「助かった人をきちんと助ける」 ために、本格的な救助の手がさしのべられてもらいたい。

我が家の裏手の川面も木枯らしに吹きまくられ、常に深い陰影の波が立ちっぱなしである。あんな津波の光景を見せられた後だけに、こんな程度の波でも、なんだか落ち着かない。

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2011年3月16日

地は揺れど天は動かず心にて聞く人々の祈りのみあり

Though the earth moves / The heaven is peaceful / I hear the entire world pray and pray


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今日は寒い。明日の夜明け頃は氷点下になるそうだ。東北は夕方過ぎには氷点下になっているらしい。こんな時に、冬に逆戻りだ。

地震被災地の状況改善は、遅々たる歩みだ。ただ、遅々としているとはいえ、進展はしている。問題は原発だ。こればかりは、祈るしかない。

今日の雲は、ふんわりと丸い雲ではない。端が毛羽立って、上空の強い風をうかがわせる。

Twitter に世界からの祈りが次々に寄せられている。#prayforjapan というハッシュタグで検索すると、ほぼ 1秒に 1つ以上の祈りの言葉が増えていく。心強いかぎりである。英語がだめな人は #socialtranslation というハッシュタグで検索すると、一部がボランティアの翻訳した日本語で読める。

世界は今、こぞって日本を応援してくれている。

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2011年3月15日

頂を真白に染めて日の本よいざ輝けとこそ歌へ富士の嶺

How encouraging The Mt. Fuji chants / With graceful white peak / Against the bluer sky


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どうしようもなくて気が滅入りがちなので、何か元気の出る写真はないかと探したが、やっぱりこれだなと思ったのは、先月神戸に出張したときに新幹線の窓から撮った富士山だった。

富士山というのは、やっぱりすごいパワーを持っているなと思う。心の底にびしっと響く。

この写真を見た人がやはり同じように元気を出してくれるといいなあと思いつつ掲載する。

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2011年3月14日

久々に充電ラジオのハンドルを回せば音の頼もしきかな

Encouraging mechanical sound / Of cranking up the dynamo / To recharge the portable radio


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地震以後初めての週明けとなり、世の中が活発に動き出すのかと思ったが、そうはならなかった。

常磐線は上野~松戸間しか動かず、動きが取れない。明日からの名古屋出張も無理のようで、中止にした。

家にじっとしているしかないというのも、辛いものである。その上、計画停電とやらが伝えられて、気が重い。今日のところは伝えられたような停電は回避されたが、明日からどうなるかわからない。

こんな時、昔、山形放送のラジオ番組に電話出演した際に、記念としてもらった手回し充電式ラジオが、妙に心強い。久しぶりの出番かと、ハンドルを回してみると、ギュルギュルと心強い音がして充電される。

50回ぐらいハンドルを回すと、10分ぐらい放送が聴けるという感じだ。ラジオだけではなく、懐中電灯としても使えるが、発光のエネルギーはかなりのもののようで、あっという間に充電が切れる。それでも、ないよりはずっといい。

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2011年3月13日

日の本の人よ咲 (わら) へと言ふ如く遅咲きの梅今咲きにけり

My late-blooming ume flowered / As if saying "let's smile" / To all in Japan


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我が家の遅咲きの梅がようやく開花した。咲いてみれば、なかなか上品な色合いの花である。

今日は私のもう一つのブログ、Today's Crack に、「こんな時こそ、笑わなければ」 というタイトルで、次のようなことを書いた。

高天原が真っ暗になった時に、光を取り戻すきっかけとなったのは、天の岩屋戸の前のアメノウズメノミコトの踊りを見た八百万の神の笑いだった。古事記では 「八百萬の神共に咲ひき (やほよろづのかみともにわらひき)」 とある。この時代は 「笑」 ではなく 「咲」 の字を当てていたようだ。この字、なかなかいい雰囲気である。

暗くなるばかりの気分の時に、この梅は本当にいいタイミングで咲いてくれた。ありがとう。

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2011年3月12日

ありがたき世界の祈り日の本の心砕かるることなかれとぞ

Thank the world / For the pray / The heart of Japan is not defeated


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Twitter に #prayforjapan というハッシュタグがあると知ったのは、私の和歌を、いや、英訳して haiku にしたものを時々RT してくださる Wendy o_O さんが、日本のために祈ってくださっている tweet を見てからだ。(参照

このハッシュタグで検索してみると、世界中が日本のために祈ってくれている。ありがたいことである。

ややもするとくじけそうになる心に勇気を与えてくれるのは、見も知らない世界の人たちの祈りである。

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2011年3月11日

巨大なる力の前の蟻のごとき我にしあれど祈りこそあれ

Though I am like an ant / Before the huge power of nature / I can pray anytime


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今日はとにかく地震の話に尽きる。

実は今日は昼過ぎまで自宅で仕事をしていて、5時頃に都内に用事があるので、ちょっと早めだが 2時半頃に家を出て、車で取手駅に向かった。そして途中で忘れ物に気付いて引き返し、家に戻って車から降りようとしたら、車が嘘のようにバウンドして降りられない。

一瞬、車がどうにかしてしまったのかと思ったが、すぐに地震と気付いた。ずいぶん長く揺れたように感じ、収まって家の中に飛び込むと、妻と末娘がテーブルの下に身を潜めて青くなっていた。

家の中は棚から物が落ちて大変なことになっている。私のワーキングスペースも、棚から落ちた書類や封筒で、写真の通りゴチャゴチャだ。本震の後も、ひっきりなしの余震で揺れ続けている。

というわけで、電車も動かないし、都内に出るのは諦めて、月曜日に延期。それより被災地のことが心配だ。妻の実家が仙台なのだが、まだ連絡が取れない。

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2011年3月10日

何本もの太き電線の影揺れて様々のもの春に飛び交ふ

Various factors fluttering about / Across the thick wires / In the air of spring


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今日もまた、北風の冷たい一日だった。天気予報によると、真冬の寒さになるのは今日が最後で、明日からは少しずつ暖かくなると言う。

まあ、今日だって風の当たらない日だまりでは、太陽の暖かさを感じることができた。その代わり、花粉の飛び方も尋常ではなかったが。

写真は東京の神谷町近辺の様子。どうでもいいけど、電線が多すぎる気がする。洒落た街並みも台無しだ。

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2011年3月 9日

夜半となり白きマスクの一日の役目終はれど痒き目の縁

Took white gauze mask off   / My eyes are left itchy / High pollen count


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今日は天気がよかったので、花粉がずいぶん飛んだようだ。医者に処方してもらった薬が切れてしまったので、ティッシュペーパー使いまくりである。

マスクをすれば少しはいいのだが、私はマスクが嫌いなのだ。マスクをしていると鼻から吸い込む空気がなま暖かすぎてムカムカしてしまうのである。やはり吸い込む空気は少し冷たいぐらいの方がいい。

私の花粉アレルギーは、どちらかと言えば鼻水タイプで、目はそんなにかゆくならないのだが、今日はさすがにかゆい。

去年は花粉の飛散量も少なかったので、あまり気にならなかったのだが、今年はさすがにすごい。

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2011年3月 8日

次々に蕾弾くる紅梅を揺らす風こそ春の風なり

It's real spring breeze / That sways red blossoms of ume / Blooming one after another


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我が家の庭の梅は相変わらず遅咲きで、今ようやく蕾を膨らませているが、世の中の梅はもうどんどん咲き始めている。今日おじゃましたところの庭でも、紅梅が咲いていた。

白梅もいいが、紅梅も美しい。肉厚の花びらがなかなかいい。

ここまでくれば、もうしっかりと春だ。時々昨日のような寒の戻りはあるだろうが、もう大丈夫だ。いくら戻っても、真冬にまでは戻らない。

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2011年3月 7日

さざ波も立たぬ小川の岸に生ふる篠竹に積む春の淡雪

Light snow falls / On the tiny bamboo / By the still riverside


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近頃、私のデジカメが、光量の少ない場面を撮ると極端に暗く映るようになった。おかしいなあと思って設定を調べたら、露出がものすごく低くなっていた。道理でおかしいと思った。

そう言えば、先月あたりのとても天気のいい日に、あまりにも明るく映ってしまうので、ちょっと露出を落としたのが、そのままになっていたようだ。

それで、今日は雪である。ただでさえ暗い景色がますます暗くなって、まるで墨絵のようになってしまった。しかしこれはこれで、一つの効果かもしれない。

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2011年3月 6日

なくもがなのものが邪魔者となり果ててグラフィティの中に埋もれゐるなり

Buildings out of use / More than waste / Are buried in graffiti


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私が借りている駐車場から取手駅への近道に、昔パチンコ屋だった建物がある。確か去年の初めに潰れてしまい、シャッターが下ろされたままになっている。

そのシャッターには意味不明のグラフィティが描かれ、自転車が置きっぱなしになっている。なんとなく荒廃した雰囲気になっている。

高度成長期からバブルの頃に至るまで、日本全国で作られた無駄な施設が、今どんどん整理されている。「なくても済むもの」 を作りすぎた報いが、「あると邪魔でしょうがないものが一杯」 という結果になってしまっているのだ。

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2011年3月 5日

黄昏の空の彼方の何処よりフットライトの微かにぞ射す

Deep is the twilight sky / So deep as if it gets / Very subtle foot light


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天気予報で今日は暖かくなると言われていた割りには、それほどには暖かい感じがしなかった。それは、一日中水戸で仕事していたからかもしれない。水戸は結構気温の低い土地柄である。

夕暮れ時に帰ってきたが、途中で写真を撮ると、空はまだまだ青く映っている。北西の空の低いところには日本海側から流れてきた雲が見えるが、頭の上は抜けるような空だ。

明日はいくらなんでも今日より暖かくなるらしい。春らしい春になるのが待ち遠しい。ところで来週に名古屋出張と何度か書いたが、再来週の間違いだった。訂正。

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2011年3月 4日

天と地の重なる彼方望めども引き寄すること叶はざるなり

Can't draw horizontal distance / Close to myself / Though it looks so clear and near


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二月は光の春、三月は風の春などというが、日差しは強くなっているものの、風はまだまだ冷たい。光の春の段階から抜けていないようだ。そういえば、二月は光の春という感じもあまりしなかった。

写真は朝の様子。取手駅西口から望んだところである。雲がまったくなく、抜けるような青空だ。夕方に帰ってきて同じ角度で西の空を見ても、やはり雲が見えない。

日中に地表の温度が上がらず、水蒸気が全然上がっていかなかったということだ。カラカラに乾いた空気である。春霞など、まったくお呼びでない。

この寒さは今日までで、明日からは少しは暖かくなるらしい。来週は名古屋に出張だから、本当にそうなってもらいたいところである。

 

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2011年3月 3日

梅の蕾弾けぬうちは朝毎に春はまだかとつぶやきゐるらむ

Murmuring all the time / I can't wait for spring / Till the ume buds open


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先月の二十七日に続いて、我が家の庭の梅の蕾である。二十七日というと結構前のことのように思えるが、二月は二十八日までしかなかったから、実はわずか四日前でしかない。

その四日前の写真と比べても、あまり膨らんだような気がしない。考えてみればそれもそのはずで、この間ずっと、真冬に戻ったような寒さだった。今日も北風が冷たい。

毎年今頃になると 「春はまだか」 なんて言っているが、実はもう春なのだ。関東に度々雪が降るのも、春だからこそだし、「寒の戻り」 ということば自体が、春を前提としてのもの言いである。

ただ、「近頃は春と秋がほとんどない」 というのも、かなりの実感である。多分、「春はまだか」 と言っているうちに、いつの間にか初夏になってしまうのだろう。

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2011年3月 2日

広がれる雲居の端をちぎるまで吹く風の末に春はあるらむ

Cold wind tears / The edge of clouds / In the afternoon of early spring


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かなり強烈な寒の戻りのようで、風が冷たい。明日と明後日の夜明けは、つくばあたりでは氷点下三度になるという予報だ。

遠くをみると、風に吹かれる雲が荒々しい。雲の縁は風にちぎられて毛羽立ったように見える。写真に撮っても絵画のような印象だ。

月半ばに名古屋に出張する。翌日の予定を開けておいて、伊勢神宮参拝に行ってみようかと思っている。

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2011年3月 1日

久方の虚空を飛び交ひゐるらしき電波捉ふる小さき箱よ

A little box / Catches the radio wave / Flying across the air


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今日、E-mobile の Pocket Wifi を購入した。これまで使ってきた E-mobile のデータカードは @nifty の取り扱いによるもので、かなり前から使っているので、速度も下り三・六メガビットと遅い。

このデータカードの契約が今月で切れるので、七・二メガビットで通信できる Pocket Wifi に乗り換えるというわけだ。さらに、これは Android を OS としたスマートフォンでもあるので、iPhone の予備としても使える。

先ほど、PC と iPhone で接続試験をしたところ、問題なくつながった。よし。

iPad 2 が出たらその Wifi モデルを買うつもりなので、外出時に使うための Wifi ルーターにもなる。これで着々と iPad ユーザーになるための布石が整ってきた。

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