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2011年4月 2日

被災地に訪ぬれば君の笑顔あり心つながる友にしあれば

Even in such a disaster / You made a smile / Yes, you can call me a friend


Wl110402

一年に一度か二度、潮来に行く用事が発生する。潮来は我が家から車で一時間半ぐらいである。いつもは楽しみにしているのだが、今回は気が重かった。

潮来は今回の震災で、茨城県の中でも最も被害の大きなところだ。とくに日の出地区は地盤が液状化し、見るも無惨な姿になっていた。県北地区よりもずっと被害が大きい。

写真の家の塀に沿った斜めの石垣のように見えるのは、元は水平だった舗道の敷石である。道路部分が激しく陥没したため、舗道の道路側が落ち、家側が跳ね上がった。道路の陥没によって、電柱も斜めになってしまっている。倒れていないのが不思議なくらいだ。

家々の多くも、見ればすぐわかる傾き方である。廊下に鉛筆を置いたらすぐに転がるそうだ。水道はまだ復旧しておらず、四月一杯は無理だろうと言われている。

潮来より鹿島灘に近い神栖市では、港に置かれた百四十ものコンテナが津波で流され、あれから三週間経った今でも、市街のあちこちに無惨に取り残されていた。鹿島神宮の大鳥居は倒れ、道路は至る所、地割れ、陥没で通行止めになったままだ。

土木建築業を営む知人はあれから大忙しで寝ておらず、疲労で倒れそうだという。商売繁盛なのかと思うとそこが微妙なところで、大急ぎで瓦礫の撤去や家屋の補修をしても、請求した金額が実際にいつ入ってくるのか見当が付かない。入金がままならなければ、運転資金がおかしくなる。

地震の爪痕をいやというほど見せつけられた。それでも我々は、心のつながりをフル稼働させて乗り越えなければならない。

(写真をクリックすると、拡大表示されます)

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