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2011年5月31日

野分過ぎ遠き北より吹く風の短き髪の隙間に届く

North wind after the typhoon / Blows me out / Through short cut hair


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一昨日から風が強いままだ。その風も台風から変わった低気圧が通り過ぎてからは冷たい北東からの風なので、妙に肌寒い。

昨日、もう蒸し暑くなるだろうからと、髪を短く刈ったのだが、その途端にこんな天気になってしまった。髪が短いと、肌寒さが身に浸みる。

天気予報が 「今日は晴れ間が広がるので、洗濯などに有効利用してください」 と言っていたが、その晴れ間も午前十時半頃から昼の二時前までだった。洗濯に有効利用するにはギリギリの晴れ間である。

明日からは曇りベースの天気で推移するようだ。今年はもう梅雨に入ったことになっているので、おとなしくしていよう。

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2011年5月30日

遙かなる南より来し黒雲の薄れて青き空濡れ光る

Wet and glittering blue sky / Came out of the dark clouds / Generated in the south


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台風二号が関東の南方に達する前に温帯低気圧に変わってしまったためか、通り過ぎてからもなかなか 「台風一過」 の晴天にならず、はっきりしない空模様だったが、夕方の五時頃になると、ようやく青空が見え始めた。

その青空も、なかなかすっきりとした青空にはならず、黒雲まじりの荒れ模様である。しかも青空が見え始めたら急に吹き返しの風が強まり始めて、それが北風ということもあってなんだか肌寒くなってきた。

この台風の雨雲は、前線を刺激して日本海側の方に広がってしまって、福井県で観測史上最高の大雨を記録したという。関東ではむしろ強風の台風という印象だ。

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2011年5月29日

青々とせる葉を捨てず大根のまるのままなる姿ぞ嬉しき

Being happy to see / Whole Japanese radish / With fresh green leaves


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知人に今どき珍しい葉っぱが完全なままでついた大根をいただいた。うれしいことである。

40年ちょっと前、東京で一人暮らしを始めたときは、野菜はスーパーではなく商店街の八百屋で買っていた。大根を買ったところ、店の親父が葉っぱをバチっとばかりにちぎってよこすので、びっくりした。

「なんで葉っぱを取るの?」 と聞くと、「あ、お兄さん、大根の葉っぱ好きなの?」 と言われた。

私は東北人だから、大根の葉っぱも当然の如く食べるのである。大好きなのである。葉っぱも合わせた丸ごとの積もりで買ったのに、目の前で葉っぱを取られては、だまし討ちに遭ったような気がしてしまった。

今では商店街というものが消え失せて、野菜はスーパーで買うものになってしまった。そこでは初めから葉っぱが切り落とされている。なんとももったいないことだと思う。

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2011年5月28日

重だるき雲辛うじて浮かびゐてわけもなく声を潜めゐるなり

People speak like whisper / Without any reasons / Under such heavy clouds


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梅雨入り二日目。もっと盛大に雨が降るかと思っていたが、時折はらりと小雨が降る程度だった。しかし明日からは、こんなものでは済まなそうである。

写真は常磐道の友部サービスエリア。冬頃までリニューアル工事をしていたと思ったら、ずいぶんモダンな感じに生まれ変わった。

雲が重たく立ちこめているが、その割に降らない。どぉっと来そうだが、そうでもない。不思議な雲行きである。

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2011年5月27日

梅雨入りと聞きて時折霧のごと降る雨の下花菖蒲咲く

Beginning of the rainy season / Irises look shiny / In a slight shower


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関東甲信越地方は、今日で梅雨に入ったのだそうである。ずいぶん早い梅雨入り発表だが、もう一つのブログで書いたように、気象庁のグッド・ジョブだと思う。

今日訪問した庭先に、ハナショウブの花がきれいに咲いていた。いや、ハナショウブだかアヤメだかカキツバタだか区別が付かなかったのだが、後で調べたら花びらに黄色の模様のあるのがハナショウブとあるので、ハナショウブということにしておく。

ややこしいことに、アヤメもショウブも漢字では 「菖蒲」 と書き、英語ではアヤメもハナショウブも "iris" というらしい。

梅雨入り発表はあったものの、今日は時折ぱらっとしか降らなかった。雨は明日からが本番だという。台風も近づいてきているし。

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2011年5月26日

紫陽花の花芽の未だ白ければ梅雨の兆しに気付かざるふり

Pretend being unaware / Of  sign of rainy season / Hydrangea buds are still too young


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今日はまだ晴れ間が見えたが、明日から週明け頃まではずっとぐずついた天気になるらしい。いくらなんでも梅雨入りには早すぎると思っていたが、なんと、中国、四国、近畿地方の梅雨入りが発表されてしまった。関東も近く梅雨入りしてしまうかもしれない。

我が家の裏の空き地のアジサイの蕾が膨らみ始めた。まだまだ小さいが、季節は確実に梅雨に向かっていると感じさせる。

それにしても、近頃は本当に天候が極端である。つい先日まで春先の肌寒さだったのに、もう梅雨だ。そのことについては、あまり深く考えないようにしよう。

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2011年5月25日

ただ一輪咲きて力の尽きてのちなほ紅きまま地に残る薔薇

Petals of only one rose / Fell down to the earth / Still keeping  its gorgeous shade


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我が家の裏の空き地に咲いていたバラが散った。今年は木に体力がないようで、二輪目の咲く様子がない。体力が回復するまで待たなければならないようだ。

ということは、この最初の一輪は、当座の体力の限りを尽くして咲いてくれたのだろう。見事にしかもさりげなく、役割を終えて散ってくれたということだ。ご苦労様でした。

地面に落ちても、花びらは美しい。それはバラに限った話ではない。

「急ぐとも決して外に漏らすなよ吉野の花も散ればきたなし」 という貼り紙をトイレでみることがあるが、私はこれが好きじゃない。花とオシッコを一緒にしちゃいけない。

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2011年5月24日

雨止みて広がり来たる青空を見上ぐればただ旅に出でたし

Looking up blue sky / After the heavy rain / I want to make a little trip


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昼前までの冷たい雨は上がって、からりとした晴天になった。ただ、この晴天は長続きせず、週末は大雨になりそうだという。なかなか天気が安定しない。

今週は、今日が一番天気がよかったみたいなのである。天気が回復するのは、来週の火曜日あたりからになりそうだ。四~五日は、ぐずついた天気を覚悟しなければならない。

どこか旅行にでも行きたいものである。三月には名古屋出張のついでに伊勢に寄ってきたいと思っていたのだが、震災で流れてしまった。近いうちにやり直したいと思っている。

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2011年5月23日

おろおろと歩く間もなき月曜の空を覆へる雲黒きなり

Dark clouds of Monday sky / Too busy to walk / In a dither like an old poet


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昨日までの暖かさ、いや、昨日のお昼頃までの暖かさという方が正確だろうが、その暖かさが急にどこかに消えてしまって、朝起きたときの肌寒さがずっと続いている。

昼過ぎには雨が降って、まるで梅雨寒を思わせるような天気だ。天気の不順さというのは、当たり前の移り変わりの中に時々混じるから 「不順」 というのだろうが、こうまで不順が当たり前になってしまうと、なんと言ったらいいのだろうか。

「京都議定書」 の正式名称は、「CO2濃度の上昇による気候変動枠組条約」 というのだそうだが、なるほどという気がする。近頃は 「気候変動」 の大きいのが当たり前になってしまっているのだ。

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2011年5月22日

生ひ茂る草刈り終へて降る雨を午睡のうちに聞きゐたるなり

After mowing heavy weeds / I heard patter of rain / In my daydream


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今日は町内会の一斉草刈りの日だった。草刈りをしている昼前頃までは上天気だったが、午後二時過ぎから雲行きが怪しくなり、大雨になった。

その大雨の頃には、草刈りで疲れたためちょっと昼寝をしていたので、夢見心地で雨の音を聞きながら 「ああ、降っているなあ」 と思っていた。目が覚めた頃には小降りになっていて、いつの間にか止んでしまった。

しかし明日の夜から明後日にかけては、また本降りになるらしい。考えてみれば、ちょうどいいときに作業ができたわけである。

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2011年5月21日

望むもの一つも持たぬ我を未だ見限り難く眺めゐる鯉

Swimming in the pond / Carp don't give up on me / Though I have nothing they want


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知人の庭の池で飼われている錦鯉である。錦鯉の値段についてはよく知らないが、多分値打ちものなのだろう。

池の縁でカメラを構えたら、餌をくれるものとおもったらしく、わらわらと寄ってきて口を開けた。ところが、写真を撮るだけで何もくれないとわかった途端に、すげなくそっぽを向く。

ただし、そっぽは向いても遠離ろうとはしない。何かくれそうなそぶりを示したら、またすぐに口を開いて寄ってきそうな風情でスタンバイ気味である。鯉の世界も、なかなか大変のようだ。

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2011年5月20日

車輪梅は小さき花を次々に咲かせ夏への道を開けり

Little white blossoms of sharimbai / Bloomed in succession / To show this year's route to summer


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今年もシャリンバイの花が咲いた。毎年バラの咲く時期になると、シャリンバイも待ちかねたように咲く。両方ともバラ科ではあるが、様子は全然違う。

このシャリンバイは、我が家の長女が子どもの頃に近所で拾ってきた棒っきれを地面に突き刺していたら、勝手に根が生えて育ってしまったものだ。なかなかの生命力である。それからずっと 「これは一体何の木だろう」 と思っていたところ、近所にきた植木屋さんが 「シャリンバイだよ」 と教えてくれた。

シャリンバイは漢字では 「車輪梅」 と書く。枝の分岐する様子が車輪のスポークのようだというのがその由来というのだが、これに関しては 「ふぅん、そうかなあ」 と思うばかりである。

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2011年5月19日

濃き影を地面に落とし咲く薔薇の紅きを人に伝へむとぞする

Trying to express hue of the rose / That drops its deep shadow / On the early summer ground


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昨日は咲き方のやや中途半端だったバラだが、今日は見事にゴージャスな姿を見せてくれた。

今日はかなり暖かく、完全にTシャツ一枚の季節になった。先月までの天候不順が嘘のようだ。明るくすがすがしい初夏の日差しである。これで余震さえなければ、天国だ。

大震災以後の電力不足云々で、日本の社会も早くから 「クールビズ」 で行くことになったようだが、電車に乗るとまだスーツにネクタイ姿でふうふう言っている 「大人」 が目立つ。

国会をみれば、スーツ姿から単にネクタイを取っただけなので、「今、塀の中から出てきました」 といった風情のおじさんたちが多い。どうして涼しそうなシャツ姿で仕事ができないんだろう。

このバラの散る頃には夏が深まり、梅雨になっているのだろう。

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2011年5月18日

赤き薔薇の似合ふ土地にもあらざるに今年も赤き薔薇は咲きたり

Red rose is welcomed / Even in this poor area /  Not perfectly matched them


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我が家の裏の空き地のバラが、ついに咲いた。今月五日に蕾の写真を載せておいた (参照) が、ついに咲いた。

このバラはまともな手入れをしていないので、何度か死にそうになり、そのたびに根にからみついた雑草を取ってあげたりしている。おかげで、命は保っているものの見事に育っているというわけでもない。一昨年は一輪もまともに咲かず、昨年は少しだけ咲いた。

今年も、蕾らしきものはいくつか出ていたようなのだが、花咲くまでにこぎ着けたのは、見たところこの一輪だけである。まあ、花の季節はもう少し続くので、まだ新芽が出て咲くかも知れないが。

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2011年5月17日

殊更にぎらぎらとして夕立を知らす光の中を彷徨ふ

Roaming in the glittering air / Sign of a heavy shower / Before twilight


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昼前から茨城の県南には大雨警報が出されていたが、午後四時頃に、確かに大雨になった。写真はその大雨の直前の風景である。いかにも水分を含んだ空気が立ちこめている。

大雨は雷付きでやってきた。稲妻がピカッと光ってから一秒も経たずに大きな雷鳴がとどろいていたから、雷との距離は三百メートルぐらいのものだったのだろう。つまり、至近距離ということだ。

雨は一時間ちょっとで通り過ぎた。幸い何の被害もなかったが、余震だけでなく雷の心配までしなければならない季節になったことに気付いた。

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2011年5月16日

一様に風になびきて揺るる苗の合間に波は流れ行くなり

Ripples move so fast / Among the rice sprouts / That bow in the early summer wind


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初夏らしいさわやかな一日。暑くはなく、夕暮れ時は上着なしではちょっと風が冷たく感じられる。この程度の気候が、実は一番心地良い。

写真は田植えの終わったばかりの田んぼである。まだ小さな苗が、風に吹かれて一様になびいている。

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2011年5月15日

神霊を招ぐてふ香り黄心樹 (をがたま) の花は開きて夏は来にけり

Ogatama blossoms calls / Divine spirits with their flavor / On this early summer day


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オガタマという木と、カラタネオガタマという木がある。どちらもモクレン科の植物で、「オガタマ」 という名称が共通しているが、オガタマは樹高が二十メートルぐらいの大木になるが、カラタネオガタマはせいぜい三~五メートルにしかならないので、生け垣などにも使われる。

この写真はカラタネオガタマの方だが、あまり区別せずにオガタマと呼ばれているようだ。モクレン科だけに、小さいがきれいな花が咲く。そしてバナナのような芳香がある。あまり高くならず、背丈ぐらいのところに花が咲くので、匂いも嗅ぎやすい。

オガタマというのは 「招霊 (おぎたま)」 が語源だそうで、神木として神社の境内に植えられたり、榊の代用として使われたりするという。漢字では「小賀玉」 や 「黄心樹」 などと書く。

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2011年5月14日

通り雨過ぎてなほ湧く夏雲の余震の知らせ今日も止まざり

Some trembles of aftershock / Like summer clouds / Still growing after the shower


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今日は文句なしの初夏の一日だった。空気は乾いて快適な風が吹き、気温は暑すぎることもない程度に上がった。おまけに夕方には通り雨まであるという、かなりトラディショナルな意味での夏っぽい一日だった。

通り雨が上がった後の空には、いかにも夏を思わせる、もくもくとした雲が見えた。これで余震さえなけれbが文句なしだったのだが、朝方にちょっと大きめの余震があった。

この国で生きようと思ったら、地震とは縁が切れないものと諦める方がいいようだ。

「通り雨過ぎてなほ湧く夏雲の」 までは伝統的な和歌の感覚でいえば、装飾的な 「序詞」 なのだが、英語の haiku にすると、ちゃんと論理的すぎるほどの意味をもってしまっているのがおもしろい。

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2011年5月13日

早緑と小さき花の差し色を映す川面の風の文様

Fresh green and tiny flowers / Patterns designed by wind / All flow on the river


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そういえば、今日は十三日の金曜日だった。一年は十二ヶ月で曜日は七つあるのだから、平均すれば一年に一・七回あることになる。そんなに珍しいことではない。

昼からは晴れて気温がどんどん上がると言われていた割には、ずっと曇り空のままで、夕方前に一時日が射したが、それほど暑いとまでは思わなかった。

東京は三十度の真夏日になると言われていたが、そんなニュースはないようだから、そこまで達しなかったんだろう。

写真は昼過ぎの小貝川の様子。どんよりした空だが、さすがに新緑が美しい。週末は晴れて本当に暑くなるらしい。

早緑の読みは 「さみどり」。念のため。

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2011年5月12日

雨の中に溶くる早苗の色失せて田に映る世にさざ波もなし

Rice sprouts melt into rain / Paddy fields reflects the world / Without even a ripplet


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余震も大分間遠になって、ようやく普通の暮らしをしているような気がしてきた。それでも、今でも避難所暮らしをしている人たちは大変だろう。

今日はほとんど一日中雨の日だった。遠くは雨の中に霞んで見えた。この写真も、ほとんどモノクロ写真のおもむきだ。

毎年この時期は、水の張られた田んぼに世の中が映り込んで見える。稲がもっと育ってしまうと、水面があまり見えなくなるので、今のうちの風情である。

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2011年5月11日

わだつみの水にはあらぬ真水にて国満たさるる頃とはなりぬ

It is the season / Of being filled with fresh water / Forget nightmarish seawater


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昨日までとは一転して、今日は肌寒いぐらいの陽気だ。昨日の天気予報では 「コートが必要になるぐらい」 と言っていたが、それほどではないにしろ、Tシャツ一枚では過ごせない。

とはいえ、裏の川の向こう岸に広がる田んぼは、既に田植えが終わってしまっている。雨の波紋が浮かぶ川越しに、やや緑がかった田の広がりが見渡せる。

この国が水で満たされる季節になったようである。海水ではない水で。

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2011年5月10日

舗装路の下で液状化は進むらむ沈む道路の水溜まり深し

Liquefaction seems still going on / Deep puddles of rain / Along the cracked road


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震災の影響はまだまだ残っている。近所の道路の陥没が止まない。アスファルト舗装の下で水道管が破裂して液状化が続いているらしく、線状に陥没して、かなり深い水溜まりになっている。

このまま陥没が進めば、ある日突然、道路に大穴があいてしまうだろうから、危なくてしょうがない。補修工事待ちだが、なかなか順番がまわってこない。

宮城や福島の激甚被災地に比べれば些細なことだが、被害はまだ現在進行形ということだ。やれやれ。

ところで、今日は初夏以上の暖かさだったが、明日はコートが必要なほど寒くなるという。こちらもやれやれ。

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2011年5月 9日

歩けどもなほ歩けども対岸で姿の見えぬ行々子啼く

Walking with persistent chirps / Of reed warblers / On the opposite bank


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写真は我が家の裏を流れる川である。映っているのは鴨が二羽だが、向こう岸の葦の茂みから聞こえてくるのは、オオヨシキリの騒々しい鳴き声。

葦の中でキリキリと鳴くから 「ヨシキリ」 というのだろう。とてもわかりやすい命名だ。

オオヨシキリは、「行々子」 と書いて 「ぎょうぎょうし」 ともいう。仰々しい鳴き声だからかもしれない。

夏である。

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2011年5月 8日

紅白に萌ゆる躑躅の咲き出でてはや夏空の広がるを知る

Pink and white flowers of azalea / Shows me early summer / In the blue sky


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今日は関東のあちこちで、というか、平地ならほとんどのところで夏日になったようだ。昨日までの肌寒さとはうって変わって汗ばむ陽気になり、今年初めて Tシャツ一枚で日中のほとんどを過ごした。

それで、もう立夏も過ぎたことだし、今日からは 「夏の歌」 というカテゴリーに移行させていただく。

写真は近所の公園に咲いているツツジ。これまでツツジというのは、写真に撮るとどうしてものっぺりと映ってしまっていたのだが、今回はちゃんと立体感が出た。ピンク一色のつつじだとどうしてものっぺりになるみたいだ。

明日からは連休明けだが、私は暫く、自宅での仕事に追われそうで、肩凝りから解放されそうにない。

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2011年5月 7日

来ては去りまた来る春にはや夏の面影あらむ花は咲きゐて

Spring comes and goes back / Soon will be replaced by summer / Flowers are in full bloom


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連休は過ぎかけているのに、また肌寒い天気が続き、明日は突然夏日の暑さになるという予報である。

春は来てすぐに去り、それを何度か繰り返しているうちに突然夏になる。すでに立夏は過ぎているので、不思議ではないのだが。

近所の花壇は春から初夏の花が既に咲き誇っている。

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2011年5月 6日

揚雲雀ただ鳴く声のする夕にファクスの訃報ゆるりと届く

A lark chirps at twilight / While facsimile slowly prints / A news of death


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今日は立夏ではあるが、昨日に引き続いて肌寒い曇り空だ。

たまった原稿を書くのに追われている。昼前まではカーディガンを羽織っていたのだが、夕方頃にふと気付くと少しだけ汗ばんでいた。外は少しだけ薄日がさしていた。

まあ、こんな風にしてだんだん暖かくなっていくのだろう。願わくは、今年の夏は暑くなりすぎないように。

川の向こうで雲雀の鳴き声が聞こえる。鳴き声が聞こえるだけで、雲雀がどこにいるのかはわからない。よく目をこらしてみれば、芥子粒のような点がひっしに羽ばたいて揺れているのが見えるはずだが、なかなか見つからない。

夕刻に、知人のご母堂の訃報が届いた。すでに家族葬を終えたという。

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2011年5月 5日

空き地では土壌貧しきままなれど薔薇の蕾の膨らみきたり

Rose buds swelled / Getting over the poor soil / In this reclaimed area


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昨年は裏の空き地のバラがまともに咲いてくれなかったが、今年は何とか咲きそうである。蕾がいくつか膨らんできている。

今日は北東の風が入って朝から肌寒いほどだが、蕾は順調に育っているような気がする。もう少し経てば見事な花が咲くだろう。

この辺りは大分前に湿地帯を埋め立てたところで、まともな土を入れていないから、土壌はそんなによくない。それでも我が家の庭は腐葉土を入れ、いろいろな植物を育てては腐らせ、それを繰り返したので少しは土壌がよくなってきている。

だが、裏の空き地までは手が回らない。そんな中で、このバラはよく命をつないでくれている。

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2011年5月 4日

見渡せば花見ゆるなりさらにまた見つむれば芥子の聞こえ来るなり

I can see flowers / And hear them as well / By watching them


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裏の空き地にケシの花が咲いていた。ここにケシが咲き始めたのは、去年からのような気がする。その前はなかった。和歌を詠むと、そうしたことに気付く。

毎日和歌を詠むことで得られるメリットというのは、曲がりなりにも自然というものに多少敏感になることだ。周囲の自然の変化を言葉にすることで、何らかの発見がある。

見つめなければ見えてこない。耳を澄まさなければ聞こえてこない。そしておもしろいことに、見つめると聞こえてくるし、耳を澄ますと見えてくる。心を開くといろいろなものを感じることができる。

そうか、歌を詠むことの功徳というのは、心を開くことであったのか。

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2011年5月 3日

大粒の雨の波紋の広がりを久方ぶりに眺めゐしなり

Watching big drops of rain / Spread big ripples / On the surface of stream


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今日は昼過ぎから久しぶりに大粒の雨が降った。ゴールデンウィークというのは、なにしろ 1週間以上にわたっているし、気候の変わり目の時期でもあるから、この間、ずっと天気がいいなんてことは滅多にない。

それで、今日がその連休中の雨の日に当たったというわけだ。

裏の川を見ると、水面に大きな波紋がいくつも浮かんでいる。たまった洗濯物は、昼前に乾いてしまっていたから OK だった。洗濯物の取り込みにかり出されて大わらわだったが。

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2011年5月 2日

三春なる枝垂れ桜の色の奥に物狂ひなる色ぞ潜める

Shade of lunacy / At the heart of weeping cherry / In Miharu town


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一昨日行ってきた福島県三春町の枝垂れ桜の美しさが、まだ目に焼き付いている。それで今日は、一昨日撮ってきた写真を改めて使わせていただくことにする。当和歌ログでは、当日以外の写真を使うのは珍しいのだが。

三春というところは、本当に春の景観を大切にして町作りをしているようなのだ。町では梅と桜と桃の、三種類の春の花が一度に楽しめるから 「三春」 の名になったというのだが、それはちょっと怪しい。

「みはる」 の名が最初に歴史に登場するのは、「結城古文書写」 に収録された 「沙弥宗心書状」 という史料で、延元四年(一三三九)頃のものとされているが、「御春輩 (みはるのともがら)」 と表記されているという(参照)。 「三春」 は後世の当て字なのだろう。

それでも 「三春」 の名にふさわしい美しさだった。今日の歌の二句めまでは一昨日と同じ。

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2011年5月 1日

散る花を眺めて止むる能はざる波風のはや静まるを待つ

Just waiting for calm days / Among the flowers / Scattering in the wind


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夜が明けてからやたらに風が強くなった。洗濯物が吹き飛ばされそうな風である。

裏の川は田植えの季節を迎えて水量が増え、高くなった水面が波立っている。ちょっと前とは明らかに違う季節になったと感じる。

五月六日は立夏である。震災のどさくさで、四月がどこかに行ってしまったような気がしているうちに、もう初夏になる。今年の夏はどんな夏になるのだろうか。

昨日行った福島県三春では、震災直後、人口二万人弱の町に、原発周辺から一時は五千人以上の人が避難してきたという。数珠繋ぎでやってくる自衛隊のトラックの荷台に乗せられた着の身着のままの人が、学校の体育館や町営施設に収容され、町がパンクしかけたらしい。

「まるで戦争のような様相だった」 と、関係者は振り返る。今はようやく落ち着きかけていいるが、あれで精神的にバランスを失って、「今もまだ、まともな状態に戻っていない」 と多くの人が言う。

この風が早く吹き止んでもらいたい。

 

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