散る花を眺めて止むる能はざる波風のはや静まるを待つ
Just waiting for calm days / Among the flowers / Scattering in the wind
夜が明けてからやたらに風が強くなった。洗濯物が吹き飛ばされそうな風である。
裏の川は田植えの季節を迎えて水量が増え、高くなった水面が波立っている。ちょっと前とは明らかに違う季節になったと感じる。
五月六日は立夏である。震災のどさくさで、四月がどこかに行ってしまったような気がしているうちに、もう初夏になる。今年の夏はどんな夏になるのだろうか。
昨日行った福島県三春では、震災直後、人口二万人弱の町に、原発周辺から一時は五千人以上の人が避難してきたという。数珠繋ぎでやってくる自衛隊のトラックの荷台に乗せられた着の身着のままの人が、学校の体育館や町営施設に収容され、町がパンクしかけたらしい。
「まるで戦争のような様相だった」 と、関係者は振り返る。今はようやく落ち着きかけていいるが、あれで精神的にバランスを失って、「今もまだ、まともな状態に戻っていない」 と多くの人が言う。
この風が早く吹き止んでもらいたい。
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