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2011年9月30日

闇の中遠きバイクの爆音を銀色に弾き光るテルモス

A Thermos shines in silver / Repelling the roar / Of Motorcycle gang in distance


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去年の四月一日にも書いたが、我が家では古いテルモスの魔法瓶が現役で活躍している。一時ははやりの電気を使うジャーを使い始めたのだが、これしきのことに電気を使うのがばかばかしく思えて、押入の奥にしまってしまった。

近頃涼しい日が続いていたが、今日は蒸し暑かった。日が暮れると雨が降って、その雨をきっかけに秋の空気と入れ替わるという予報だったが、なかなか降り始めない。

開け放した窓の向こうから、暴走族のバイクの爆音が響いてくる。その音を意にも留めずに反射するテルモスは、なかなか凛々しい。

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2011年9月29日

這ふ虫の秋の日射しに羽化しては風に羽ばたくものとなるらむ

A crawling worm / Shall be in the Autumn light / A flapping creature


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今朝、出がけに道端で毛虫の這うのを見かけたので、ふとした気まぐれで、iPhone のカメラに納めておいた。そしてその後は一枚も写真を撮らないでしまったので、今日の写真はその毛虫の写真である。仕方がない。

毛虫はとても柔らかな動きで、もぞもぞと画面でいえば左に向かって移動していた。黒を基調に金色の横縞が入り、きれいと言えばきれいだが、やはりかなりグロテスクであった。

羽化したらどんな蝶 (あるいは蛾?) になるのかしらないが、多分、大きな羽で飛ぶのだろう。不思議な生命感のある生き物だった。

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2011年9月28日

秋の夜に浮かぶ薄の彼方より青鷺の鳴く声ぞ聞こゆる

In the darkness of autumn night / Comes a caw of heron / From over the pampas grass


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今日はさわやかな天気の一日だった。ちょっと前までは 「晴れさえすれば暑い」 なんて書いていたが、今日は晴れたのにそれほど汗をかかずにすんだ。

日が暮れて帰宅した。帰宅直前に、今日は和歌ログ用の写真を一枚も撮っていなかったことに気付いた。家の玄関前まで来ると、隣の空き地にススキがすっきりと立っているので、迷わずそれを撮った。

ススキの彼方から、アオサギが飛びながら鳴くのが聞こえた。アオサギの鳴き声は優雅な姿からはほど遠い汚い声である。

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2011年9月27日

青白き光のネットの内側で球打つ音もせぬ宵の口

In the blue light and the net / Of practice ground of ball game / No sounds of hitting balls


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昼に検査のために父を病院に連れて行き、後は妹に任せて、明日の仕事のために、後ろ髪を引かれるような気がしながら戻ってきた。

夕食をとった蕎麦屋の駐車場の奥の方に、バッティング・センターだか、ゴルフの練習場だかしらないが、ネットで覆われた青白い光の施設が見えた。

青白い光だけで、人間の気配はしなかった。不思議な光景だった。

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2011年9月26日

秋風の吹く公園で立ち尽くす象の遊具は悲しかるらむ

An Elephant shaped slide / In a playground / Seems lonely in the autumn wind


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酒田に来ている。父がだいぶ衰弱していて、市役所で介護認定の申請をしてきた。正直言って、介護認定の手続きが終了するまで父の体力がもつかどうか、心配だ。

明日は検査があるので病院に連れて行く。

写真は実家の近くの児童公園。象の遊具は、多分二代目。昔の象さんの方が、貫禄があった。

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2011年9月25日

海の香の立ち上る野は去年 (こぞ) の秋稔りの田にてありたりとこそ

I am at the place / That used be a rich rice field / With smell of the sea, now


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仙台での仕事の前に妻の実家に寄り、大急ぎで義母の墓参りを済ませた。寺も大被害を蒙っていて、墓地内は墓石がゴロゴロして危ないので立ち入り禁止。

本堂も傾いていて、その手前で線香を上げるしかなかった。

寺から本日の現場に向かう途中、ちょっと遠回りして、海辺の仙台空港の近くを通っていくと、福島以上の惨憺たる有様だ。

地盤沈下で水が引いておらず、あちこちに津波で流された自動車の残骸が朽ち果てている。危うく心が沈みそうになった。

宮城県はまだ震災の色を濃く残している。


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2011年9月24日

フクシマよ蘇れわが庄内とつくばを渡る光の内に

Wish revival of Fukushima / In the light shining between / Shonai and Tsukuba


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明日、仙台で仕事があり、前泊しようとしたのだが、仙台のホテルがどこも満室だったので、今日のところは福島のホテルに入っている。明朝に東北自動車道に乗り直して仙台を目指す。

今日は早めに家を出て、被災地を巡ってみた。写真は南相馬市の海岸に近いところの光景。瓦礫の山がいくつも見えるが、そのほかには何もなう原野だ。海岸から何キロかは、本当に何もない。

時間もないので一足飛びだったが、非日常的な景色をみてしまった気がする。とてもいたましい。

ホテルに入ってテレビを点けると、福島県の米から国の基準と同じレベルの放射性セシウムが検出されたと告げている。本当に残念だ。

ああ、フクシマ。私が生まれた山形県と今住んでいる茨城県に挟まれた、フクシマ。よみがえれフクシマ。

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2011年9月23日

夕暮れの川を七度跳ねてのち鯉は何処の水を泳ぐや

Where the carp swims / After making seven-time jumps / On the twilight stream


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今日は台風十五号の強風で壊れたベランダの屋根を修復した。ホームセンターで買ってきた塩ビの波板を特殊な釘で打ち付けて、費用はわずかに千七百七十四円。ずいぶん安く上がった。

写真は夕暮れの川。我が家の裏手を流れている。土手を歩いて郵便ポストまで行ったら、途中で魚がぴょんと跳ねた。多分、鯉だろう。

眺めているとそのまま、七回連続のジャンプをした。ずいぶん元気な鯉である。

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2011年9月22日

野分過ぎ刈田の彼方街並みの際立ちて見ゆ秋は来にけり

Rows of houses are clearly seen / Beyond the harvested field / Autumn after the typhoon


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台風一過。穏やかな朝になったが、明るくなって家を見回すと、庭のベランダの屋根 (屋根といっても波板プラスチックのお手軽なものなのだが) が吹っ飛び、節電用に張り巡らせた遮光ネットが切断されていた。

ダメージには違いないが、まあ、大したことがなくてよかった。

昼前には吹き戻しの風が強まり、夕方になってまたしても空が曇ってきて、雨になった。まだまだ油断はできないが、明日はいい天気になるらしい。

田んぼは稲刈りが進み、すっかり秋の光景になっている。

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2011年9月21日

逆波を立つる流れは大いなる水の塊なりとぞ知らるる

The typhoon reminds me / River is a mass of water / With choppy waves


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台風十五号による被害は、関西から東海にかけてかなりのものになっているようだ。なにしろ、雨と風の両方とも強い。

その台風十五号が、夕刻になっていよいよ関東に接近してきた。裏の川は白い逆波を立てている。この川が逆波を立てるなんていうのは、一年に何度もない。

写真では逆方向なので白波が目立たないが、右側にパンするともっとすごい。ただ雨と風にまともに向かうことになるので、それができないだけである。

今さらのように、自然の力の大きさを感じている。この力に対抗するなんて到底無理だ。逆らいようがない。とにかく何事もなく通り過ぎてくれればいいと思っている。

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2011年9月20日

庄内といふ名の川の鎮まるをつくばの地よりわれ祈りゐる

I pray for those / Around the river named Shonai / Damaged by the Typhoon


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つくば周辺は昨日よりも風が弱い。北よりの風が入って、すっかり秋の空気に入れ替わってしまったように涼しい。

ところが西日本から東海にかけては大変なことになっているようだ。和歌山県では土砂ダムが決壊しそうだし、名古屋では 100万人に避難勧告が出されている。インターネットで検索したら、既に川の水が溢れ出して大変なことになっている写真が目に飛び込んできた。

洪水になっているのが庄内川という河川なので、なんだか他人事に思えない。あの近辺には知人も何人かいるので、無事を祈るばかりである。

台風十五号はこの後、日本を縦断して関東直撃もあり得るらしい。警戒しておこう。

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2011年9月19日

黒雲の遙か野分に連なればわれも南の人の心地す

I feel like a southern man / Watching dark clouds / Run to distant typhoon


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昨日はやたらと暑かったが、今日は少し様相が違った。日射しは確かに強烈な時もあったが、昼過ぎには風が涼しくなった。

そして夕方頃には風が強くなって、肌寒いほどになってしまった。

裏の川の水量もますます少なくなって、川底がだいぶ露出した。中州のように見えるのはついこないだまで土手だったところである。川幅を拡張するまでは、裏の川は 「小川」 だったのだ。

空も荒涼とした感じに映っている。沖縄付近に停滞していた台風十五号が、下手すると関東を直撃するかもしれない。明日と明後日は荒れ模様になるだろう。

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2011年9月18日

今日の日はペットボトルに一本と半分の水飲みたる日なり

Today is a day / That I drank one and half bottles / Of mineral water


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今日もまた暑い一日だった。暑い上に、沖縄付近にいる台風が湿った風を送ってくるので、汗もかき放題である。

今日は仕事で一日車を運転していたが、家から持っていったペットボトルのミネラル・ウォーターだけでは足りず、途中で一本買い足して、結局一本半飲んだ。残りの半分は家に持ち帰り、今、ちびちび飲みながらこの和歌日記を書いている。

明日もこの近辺は最高気温が三十度になるという予報だが、その後は雨で冷やされて、二十八度ぐらいになるという。気温が下がっても湿度が高いと、あまり涼しい気はしないだろうなあ。

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2011年9月17日

日射しさへあれば真夏の暑さなり木槿咲きゐる秋来るまでは

Once the sun comes / Heat of the midsummer  / Rose of Sharon keeps blooming to autumn


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今日はつくば周辺は曇りで一時的に雨も降りそうという天気予報だったのだが、実際にはすっかり晴れて雨なんか降らなかった。相変わらず、日射しさえあればじりじりするほど暑い。

日が暮れると少しずつ涼しい風が吹いてきたが、明日はまたしても三十三度まで気温が上がるという。まあ、昨年なんか十月中旬になっても 「秋はまだか」 なんて言っていたのだから、九月中旬でこの暑さというのも、温暖化の日本ではあり得ることなのかもしれない。

土手際で、木槿の花が律儀に咲き続けている。七月頃から十月頃まで毎日別の花を開いて咲き続けているのだから、偉いものである。

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2011年9月16日

黒胡椒まぶし尽くして艶を消し目玉焼き食ふ白き皿にて

Ate sunny-side up / Rusted with coarsely ground black pepper / On a white dish


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夜遅くなって仕事から帰ってきて、食事は途中で摂ったのだが、なんだか物足りなくて、玉子二つの目玉焼きを作って食べた。

ちょっと前までは目玉焼きには醤油をかけると決めていたのだが、近頃どういう風の吹き回しか、塩胡椒に宗旨替えしてしまった。しかも、粗挽きの黒胡椒をかなりたっぷりとかける。

子供の頃は玉子はちょっとした贅沢品だったが、近頃は安いものだから、このくらいはちっとも贅沢じゃない。ありがたいことである。

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2011年9月15日

白鷺は足先のみを水につけ秋の流れを大股に行く

A white heron walks with long stride / Bathing its feet / Through the autumn stream


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松山から帰ってみると、裏の川の水量がますます減っていて、川の真ん中あたりでも、白鷺の脚の先の方しか水に隠れていない。

今日あたりはかなり厳しい残暑で、日向を歩くと頭がぼうっとするほどだったが、この景色を見ると 「秋の歌」 というカテゴリーにしたくなる。

日中の蝉の声もツクツクホウシだけになったし、日が暮れる前から庭で虫が鳴きだす。田の稲刈りもかなり進んできた。週末になれば涼しくなるようだし、秋の気配も深まるだろう。

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2011年9月14日

山上に立つ天守閣を瀬戸内の四百年の風が吹き抜く

Wind from The Seto Inland Sea / Blows through the castle tower / For four hundred years


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まこりんさんにそそのかされて、百二十メートルちょっとの山の上にある松山城に、足で歩いて登ることにした。普通はふもとからロープウエイで登るんだそうだ。地元在住の人に聞いても、歩いて登ったことなんてないと言ってた。

しかも、現在一般的になっているルートではなく、黒門口からのルートがおすすめだという。こちらの方が、往時の正式ルートなんだそうだ。かなりの山路らしい。

私も来年還暦だし、しんどいかなあと思ったが、案外なんてことなく登れた。天気が良すぎて、大汗かいたが、木立の中は涼しくて気持ちがよかった。

結論。松山城は素晴らしい。これまで訪ねた城の中で、ベストワンである。登城ルートも雰囲気あったし。

天守閣は三層になっていて、最上階は素晴らしい展望だ。北側の窓から瀬戸の海風が入ってきて、大汗かいた分、陶酔するほど気持ちがいい。ここのお殿様も、そんなような漢詩を残していて、すごい達筆で展示されていた。

「松山だから、一句」と思って、「海風も登り来たりて天守閣」というのを tweet したのだが、「海風」って季語じゃないかもしれないなあ。俳句は難しい。やっぱり三十一文字の方がいいわ。

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2011年9月13日

ちはやぶる神代より湧く湯に入りて道後の夜は更けてゆくなり

In the old hot spring / I see the twilight goes into evening / At Dogo, Matsuyama


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出張で四国の松山に来ている。仕事が一段落してから、かの有名な道後温泉本館に行った。あの歌舞伎座みたいな佇まいの重要文化財に指定されている温泉である。

明治の世から続く、天然温泉のスーパー銭湯だ。温泉でのんびりしてから、二階の広間でさらにまたのんびりする。平成の世とも思われない、実にのほほんとした楽しみが味わえる。

松山に来るたびに足を運びたいところである。

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2011年9月12日

白鷺は水面に映る自らの白き姿の奥に魚追ふ

Egrets seek fishes / Under the white reflection / Of themselves on the water


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今日は中秋の名月。旧暦の八月十五日で、いわゆる十五夜だ。

十五夜とはいえ、月齢がきっちりと十五・〇〇になるのは珍しく、今夜は正真正銘の満月より少しだけ痩せて見える。そして明日の夜になると、ちょっとだけ行き過ぎてしまって、やっぱりまん丸ではない。なかなか大変だ。

で、今日の写真はお月様とは関係がなく、裏の川の白鷺たちである。川面はますます低くなり、川底が露出し始めた。浅くなった分、鷺たちには魚を漁りやすくなって好都合なのだろう。今朝は何羽も集まっていた。

この写真は遠くから撮ったのでいけたのだが、もっと近づいて撮ろうとしたら、臆病な白鷺たちはどんどん飛び立ってしまって、ついに撮れなかった。残念。

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2011年9月11日

宵近き色の光の空に満てどパーキングロットの車動かず

The cars are all stationary / In the parking lot / Filled with twilight


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今日も夏のような陽射しの一日だった。もっとも、最近は十月の半ばにならないと秋という気がしない年が多いから、もうこんなものなのかもしれない。

今年は八月に入った途端に急に涼しくなって、まるで秋のような日が続いたので、目がくらまされているが、まあ、まだまだ暑くて当然なのである。それにしても、天候の振れ幅が大きいのはもう近頃の地球の宿命と思って、諦めるしかないのかもしれない。

それでも日が傾き始めると、少しはしのぎやすくなる。昨日の夜のように、十時近くまで蒸し暑いのは、あれは特別だと思うことにしよう。

そう言えば、近頃は少し日が短くなってきた。秋の彼岸も近いから、それも当然だが。

写真はショッピングセンターからの風景。

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2011年9月10日

雑木林筑波嶺入道雲を越えかなとこ雲を染むる夕焼け

Copse, Mt.Tsukuba / And then, thunderheads / The evening glow dyes huge cumulominbus


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何だか妙に暑さがぶり返して、湿度もやたら高く、シャツがびしょびしょになるほど汗をかいた。本当に近頃、天候の振れ幅が大きくて極端である。

写真は、夕方六時頃の筑波山方向の光景。雑木林と筑波山と入道雲と夕焼けと、おまけに、かなとこ雲までが重なった不思議な写真だ。

というわけで、今日の歌は、景色のまんまである。

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2011年9月 9日

土手腹の緑と枯れ草色を分くる境に夏の川面はありき

Horizontal borderlines inside the banks / Separate green and earthy shade / Traces of  the summer stream surface


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昨日の日記でも、我が家の裏の川の水量が減って、白鷺が川の真ん中に立てるぐらいになったと書いた。そして今日はまた、さらに減った。

この川は農業用水取得と密接に関わっているから、田植えを控えた春頃から水嵩を増やし、稲刈り前から減らすように調整されている。

向こう岸に見える緑色と枯れ草色の境目の線が、夏頃の水面があった高さである。こんなにも差があったのだ。これから秋を迎え、冬になると、水量はますます少なくなり、冬には川底の浅いところがのぞくようになる。

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2011年9月 8日

白鷺は魚を喰らひてその細き脚を水より抜きて飛びたり

An egret catches a fish / On its thin legs in the water / Before getting back to the air


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今日は夏空が戻った。午前中はさわやかな晴天だったが、昼を過ぎると暑さを感じさせる日射しになった。

しばらく裏の川の水量が増えていたが、徐々に水面が下がってきていて、今日は川の真ん中に白鷺が立てるぐらいになった。

じっと立っていた白鷺が突然水の中に頭を突っ込み、再び頭を上げるとくちばしに魚がくわえられていて、その魚を丸飲みすると、一瞬喉が膨らんで胃に落ちていったのだった。

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2011年9月 7日

外壁の鏡に雲のなき空を映してビルは青きに染まる

Reflecting the sky without a bit of cloud / Outer wall of the building / Dyed in pure blue


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台風が湿った空気を一挙に北の方に持ち去ってくれたようで、今日は久しぶりに爽やかな晴天だ。鏡のようなビルの外壁に、青空が映っている。

鏡像の映り込み方も、爽やかな天気の方がエッジが立っている。こんな日は、寝不足でも頭が冴える。仕事がはかどる。

この天気は向こう一週間ほどは、かろうじて崩れずに済みそうだ。一週間後は四国の松山に行くので、よろしくと、天気に言っておこう。

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2011年9月 6日

LEDの無機質的な姿より暖かき光出づる不思議よ

Unexpectedly warm light / From an LED bulb / With an industrial design


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あの震災以来、節電がまったなしで必要になったので、家中の電球はすべて白熱灯から LED と電球型蛍光灯に変えた。元々は白熱灯のあのオレンジ色の柔らかい光を好んでいたのだが、そんなことを言っている場合ではない。

幸いにも、LED と蛍光灯にも白熱灯的な色合いの光を出すタイプが開発されていたので、それを選んだ。その上にエアコンのコンセントを抜いてしまったので、25%の節電なんて余裕で達成してしまった。

写真は玄関の LED 電球である。元々は大きな丸形の白熱灯を付けていたので、スタンダードサイズの LED ではなんだかデザイン的にバランスが悪いが、とりあえずは仕方がない。LED 電球はまだデザイン・バリエーションが少ない。

どういうわけだか、LED 電球のデザインはおしなべてアール・デコっぽいのである。この写真の LED もかなりアール・デコである。我が家の場合は元々がシンプル基調だから、あまり違和感がないが、インテリアの基調がアール・ヌーボーだったり、純和風だったりしたら、電球そのものをシェードで隠したり、元々見えない場所に取り付けて間接照明にしたりするしかないだろう。

この分野のデザイン・バリエーションが拡充されることを望むが、いいデザインの LED 電球が出ても、早めに買ってしまった LED はずいぶん長持ちするらしいから、買い換えるのはもったいないなあ。

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2011年9月 5日

稔りては野分の風に倒るれどまたの日射しを待ちゐる稲穂

Rice fallen down by the typhoon / Waiting for sunshine again / With a good crop


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このところの強風と雨で、田んぼの稲はずいぶん倒れてしまった。もうそろそろ稲刈りしてもいい状態なのだが、天候のせいで遅れているみたいだ。

今回の台風は大変だったなあと思うが、温帯低気圧に変わっているものの、これから近づいていく北海道では、まだ大雨が降るという。台風一過と言えるのはもう少し先のようだ。

三月の震災と、九月の台風。今年は災害の特別大きな災害の多い年と言えるかもしれない。もうそろそろ一段落にしてもらいたいものだ。

今月は、来週に愛媛県の松山市、月末に仙台に出張することになった。松山では多分、あの有名な道後温泉本館に行けると思う。今から楽しみだ。

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2011年9月 4日

台風の雲まだ去らぬ空の下に白く小さき姫女苑咲く

White flowers of little fleabane / Came out under the dark sky / With persistent clouds of the typhoon


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台風は日本海に抜けたが、まだ本日夕方四時の時点でまだ台風のままだ。さっさと温帯低気圧か何かにかわってもらいたいものだが、台風としての勢力をまだ温存している。

茨城県南部は思いの外、台風の影響は弱かったが、近畿地方や岡山県は大変な被害のようだ。洪水になった地域も多く、気の毒な限りである。今年は三月の震災の時の津波といい、今回の洪水といい、水の被害が多い。テレビで市街地が水に浸かる光景をみると、ぞっとしてしまう。

実は我が家も、以前は洪水地域だった。ちょっと大雨が降ると、必ず道路が冠水し、車の往来ができなくなった。だから夕方から大雨になると、車を洪水被害の及ばないところまで避難させていた。

治水が進んだここ数年は、そうした心配はなくなったが、昔の水害の記憶が甦ったここ二、三日だった。

写真は裏の土手に咲くヒメジョオン。背丈が小さいのでハルジオンかとも思ったが、やはり夏咲きだからヒメジョオンだろう。草刈り直後に咲いたので、背丈を伸ばす暇がなかったに違いない。

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2011年9月 3日

虫の音の聞こえて広き駐車場の何処にか草むらのあるらむ

There may be some grasses / In the wide parking lot / I hear chirps of crickets


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台風十二号が四国に上陸した。日付が変わる頃には中国地方を横切って日本海に抜けるらしい。

関東にもかなり影響があるというので覚悟していたが、茨城県は時折ざっと通り雨程度に降るだけで、大したことはなかった。ただ、猛烈な湿気は体に堪える。

仕事で水戸方面に行き、日が暮れて帰ってきた。写真は途中で寄ったショッピングセンターの駐車場。どこに草むらがあるのか、虫の声が聞こえる。

というわけで、今日は 「秋の歌」 ということにする。

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2011年9月 2日

聞こゆるはつくつくぼふしばかりなり野分の雲の流るる夕べ

Clouds came from the typhoon / Run fast in the twilight sky / Chirping are only fall cicadas


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台風が近づいているというので、それなりの雨対策をしていたが、拍子抜けするほど降らなかった。時折ざっと降るが、すぐに止む。空には常に雲の切れ目があって、青空がのぞいている。

ふと気付けば、聞こえる蝉の声はツクツクホウシだけになっている。あれだけ盛んに鳴いていたアブラゼミはほとんど聞こえなくなった。

今日のところは雨は大したことがなかったが、未明頃には台風が四国あたりに上陸するらしい。そうなればこの辺でも少しは雨が降るだろう。心の準備をしておこう。

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2011年9月 1日

迫り来る野分の雨の間隙を満たして赤き西瓜は光る

A watermelon shines / Filling the interval of heavy rain / Caused by the approaching typhoon


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台風の雨の間隙を縫って夜遅く帰宅したら、四半分に切った西瓜がテーブルにどーんと乗っていた。家人が私のために取っておいてくれたもののようである。

帰り道で 「しまった、今日は和歌ログ用の写真を一枚も撮っていなかったなあ」 と思っていたので、迷うことなくこの西瓜を撮った。

四半分に切ったものと思っていたが、サランラップを通してよくみると、スプーンですくい取って食べた痕跡がある。ご愛敬である。

思えば西瓜というのはゴージャスな食べ物である。重量があり、大きさがあり、食欲をそそる赤い色が見事で、しかも涼しげだ。夏の食べ物としては文句なしだ。ただ、いくら少しスプーンですくい取られた跡があるといっても、これを一人で食うのは大変だ。

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