こうこうと鳴きて飛び行く白鳥の姿を追ひぬ故郷の空に
I look for swans / chirping "caw, caw" / In the home town sky
明け方から 「コウ、コウ」 という声が聞こえる。最上川河口に飛来した白鳥たちが、付近の刈田に落ち穂を食べに飛んでいくのである。
白鳥の鳴き声を 「コウ、コウ」 と表現するのは、多分、まだ日本の標準になっていないんじゃないかと思う。これは十六日に死んだ父が、 「白鳥が 『コウ、コウ』 と鳴いて飛んでいくのはいいもんだ」 と言っていたので、私もそう思っているだけである。
聞き方によっては 「ホウ、ホウ」 とも 「メェ、メェ」 とも聞こえる。それでも、やはり私にとっては 「コウ、コウ」 という鳴き声である。
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