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2012年9月30日

南より野分近づく空の下東京タワーは立ちて揺れざり


Wl120930 今日は有明で開かれた姪の結婚式に、家族全員ででかけた。近づきつつある台風の間隙を縫い、何とか晴天のうちにお開きとなった。

結婚式が終わってから、なぜか急に東京タワーに寄ろうということになった。何と、妻と次女はまだ東京タワーに昇ったことがないという。私なんか、今日で六回目ぐらいだというのに。

東京タワーの展望台から降りたらだんだんと雨模様になり、我が家に着いた頃には、いかにも台風のやってくる直前という天気になった。なんだか不思議な一日である。

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2012年9月29日

待宵の月を望みてこの年の野分の前の名月とせむ


Wl120929 明晩は中秋の名月だが、台風の影響で拝めそうにない。今夜辛うじて眺めることができたのは、「プレ中秋の名月」 である。「プレ」 は付くが、十分に趣のある月だった。

月齢は十三・五。「待宵の月」 というのだそうである。年によっては暦のズレで、このくらいの月齢で中秋の名月ということにしてしまうことだってある。

今日の月を拝めたことで、よしとしておこう。

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2012年9月28日

雲の縁巡る季節の境目の空に浮き立つ黄昏の時


Wl120928 秋の彼岸が過ぎて、世界がどんどん涼しくなっている。実際にはごく普通の秋らしい気温なのだが、夏が暑かったので、その落差で肌寒いほどに感じる。

日が落ちるのも早くて、五時過ぎには暗くなる。今日のように雲が多いとなおさらだ。

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2012年9月27日

日帰りの出張終へてつくばなる地に立てば秋は深まりてあり


Wl120927 今日は横浜のだいぶ先まで日帰り出張で、帰りがずいぶん遅くなった。ただ、遅くなったら雨が降るという予報の割には、なかなか降り出さなくて、最後まで傘をささずに済んだ。

写真は夜になって帰ってきた時の、取手駅から下界に降りるエスカレーター。まだ人通りは絶えていない。

秋が深まってきたようで、半袖シャツ一枚では、肌寒いほどだ。

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2012年9月26日

日の暮れのかく早きとぞ知りにける高速道のレストランにて


Wl120926 今日も車でお出かけ。風邪をこじらせているので、一日ゆっくり寝たい気もするが、なかなかそうもいかない。

写真は常磐道の友部サービスエリアのレストラン。なかなかこ洒落た造作になっている。今日はここでカレーライスを食った。

明日は神奈川県の相模原まで行かなければならない。明後日は予定がないので、医者にかかれるかもしれないが、その頃には治ってしまっている気がする。

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2012年9月25日

小名浜の雲を染めたる夕焼けに暗き影なき時来るを待つ


Wl120925 仕事で福島県まで脚を伸ばした。福島県に行くと、原発事故の後遺症がまだまだ色濃いことを感じる。車で走りながら福島のローカル放送を聞くと、原発問題に関する放送が頻繁だ。それだけ差し迫っているのだろう。

小さな子供を抱えて、県外に引っ越すという人も少なくない。住み慣れた土地を離れる気持ちは、いかばかりかと察せられる。

写真は帰路に見えた小名浜付近の夕焼けである。

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2012年9月24日

どんぐりは日に光る葉と変はりなき青き色にて成りそめゐたり


Wl120924 近所には、里山というほどのものでもないが、ちょっとした森になっているところがあり、雑木林になっていたりする。

広葉樹が茂っているところは、なかなかいい空気感がある。ちょうどいい感じの光の射し具合になっていて、落葉し尽くせば、今度はふかふかした落ち葉と日溜まりの組み合わせが心地良い。

今、どんぐりの実が成りかけている。どんぐりのなる雑木林があるというのは、なかなか素晴らしいものである。

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2012年9月23日

カーテンの隙よりのぞく宵闇に彼岸の雨の降り残りたり


Wl120923

秋の彼岸である。道理でめっきり日が短くなった。あとは夜が長くなる一方だ。

踊り場のカーテンが、厚地に付け替えられている。隙間からのぞく外は真っ暗だ。窓際に、小さな家の飾り物が置いてある。これ、いつからここにあるんだろう。少なくとも二十年以上置いてあるような気がする。

夜中になって、雨はようやく止んだ。明日は秋晴れになるようだ。

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2012年9月22日

をちこちの旅より戻り坂東のいと早き日の入りに驚く


Wl120922 日の暮れるのがめっきり早くなってきた。写真は午後六時頃に寄った、ホームセンターの駐車場の風景である。つい最近まで、北海道に行ったり九州に行ったりしていたので、関東の日の入りがこんなに早くなっていることに気付かなかった。

北海道は、秋分前は緯度的に日が長いし、九州は経度的に日の入りが遅いのである。

明日は秋分の日だ。ということは、明日を境に、夜の時間の方が速くなるのである。「秋の日はつるべ落とし」 というのを、しみじみ実感するようになる。

今日あたりは、大分涼しくなって、汗もかかずに済んだ。涼しくなるのはいいが、あっという間に日が暮れるようになると、何となく心がしんみりとし過ぎてしまうような気がするのである。

暑苦しくなくて、それでいて日が長い、ヨーロッパの五月頃というのが、うらやましく感じる。

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2012年9月21日

大いなる石の隙間の小さきも石垣をなす石にこそあれ


Wl120921 富山への出張から帰ってきた。写真は富山城跡の石垣である。ここのお城も、案外古くからあるので、石垣の石がいわばランダムに積み重ねてある。

きちんと加工されて整然と積んであるのは、後世になって、石の加工技術が進んでからのお話なのだそうだ。

つまり、こういう類の石垣の方が、歴史があるということらしいのである。

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2012年9月20日

長き竿の時折立ちて風に揺る神通川に鮎を釣る見ゆ


Wl120920 近頃本当に旅が多くて、今日は仕事で富山に来ている。富山に来るには、上越新幹線で越後湯沢に行き、そこで 「ほくほく線」 という第三セクターの路線を走る 「はくたか」 という特急に乗り換える。

そして、こちらとしてはどこまでが第三セクターなんだかよくわからず、うやむやなうちに、JR の富山駅に着く。我が家からは五時間がかりの旅で、結構遠い。

富山の町は曇りがちだったが、いつものように雨は降らずに済んだ。神通川で鮎釣りをしている人たちが見えた。もうそろそろ、本当に秋だと思ってもいいのかもしれない。

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2012年9月19日

暑き日の刈田に緑敷き詰めて白き鷺舞ふ様を照らせり


Wl120919 九州からつくばの地に帰ってみれば、稲刈りがすっかり終わっている。

稲刈りが終わってからも真夏の暑さが続いているので、刈られた株から緑の葉が伸びて、これからもう一度ぐらい稲穂が実ってもよさそうなほどだ。

遠くの方に白鷺の姿が米粒のように見える。

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2012年9月18日

神に向く折れざる心この土地に続き来たりて天仰ぐなり


Wl120918 せっかく長崎に来たのだから、台風も過ぎたことだし、大浦天主堂を訪れた。

ゴシック様式で、今も現役のカソリックの教会である。西洋の大きな教会や聖堂から比べると、こじんまりしているが、それでも、この土地に根付いたキリスト教の信仰の中心地として、見事な佇まいである。

この建物の影には、日本における宗教弾圧と、それにも負けずにしぶとく生き残った隠れキリシタンの歴史がある。

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2012年9月17日

昼までに野分は過ぎて動かざるものの残れり長崎の地に


Wl120917台風は、今日の朝に長崎に最接近した。かなりの雨風で、窓に叩きつけられる雨音が、さすがに南国の台風だと感じさせた。

それも昼頃には抜けて、朝鮮半島に向かったようだ。夜になると、ホテルの窓からの夜景が美しく見えた。さすがに観光地である。

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2012年9月16日

野分より伸びたる雲は大粒の雨を落として去るも疾きなり


Wl120916 台風がかなり接近してきている。長崎の空は変化が激しい。雲が切れてさっと日が射してきたかと思うと、急に大粒の雨が落ちてきたりする。

ありがたいことに、外を歩いている時にはうまく晴れて、屋内に入るとざっと雨になる。そんなわけで、濡れずに済んでいる。

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2012年9月15日

南海に野分のありて近づけど白き芙蓉は未だなびかず


Wl120915 長崎の小高い丘の道を歩いていたら、白い芙蓉の花が咲いていた。我が家の周りにはピンクの芙蓉が多いが、白いのは、なかなか気高いものに見える。

周囲は南の国らしく、緑が濃い。どうやら台風が近づいているらしい。

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2012年9月14日

旅多き残暑の秋の朝発ちの我を見送る庭の草々


Wl120914 今日から四泊五日の旅である。またしても九州にでかける。

旅といっても、私のことだから観光じゃない。仕事である。玄関のそばのハーブの植え込みが、朝日に照らされて私を見送ってくれている。

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2012年9月13日

ぎらぎらと目を射すほどの青空の下で木槿は絶えず咲きゐる


Wl120913 真夏の暑さはまだまだ続く。我が家の裏のムクゲは、今頃の季節は白い花をこぼれるほどつけるのだが、花芽が焼けてしまって、無事に咲けるものが少ない。

それでも、一時よりは花の数が増えてきたような気がする。ただ、昨日も書いたことだが、台風でもこないとこの乾燥状態は回避できないのかもしれない。

空の青みが、ギラギラしている。

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2012年9月12日

目の痛くなるほど青き空の下に川底見せて水淀みゐる


Wl120912 八木沢ダムの貯水量が四〇パーセントを切ったので、取水制限が始まるらしい。我が家の裏を流れる川も水量が減って、川底が露出してしまった。冬はこんな状態になるが、今の時期には珍しい。

空は目が痛くなるほどの青さ。関東北部の山沿いで雨が降っても、ダムの上流にはあまり降らないらしい。

気圧配置が変わって、台風でも来ないと、まともな雨は降りそうにない。

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2012年9月11日

暑き日の醜き家鴨の子のパンの思はぬ旨さ何を語るや


Wl120911

パンを焼いた。我が家は三十年近く天然酵母の版を焼き続けているから、ベテランである。私はパン生地をこねることにかけては、駆け出しのパン屋には負けないと思っている。

それでも、パンというのはなかなか奥が深い。その日の温度や湿度によって、天然酵母の状態も微妙に変化するし、いつでも同じ量の水を加えればいいというわけでもない。

手のひらを通じて伝わってくるパン生地の状態をしっかりと確認しながら、常に微修正を加えてこね上げる。それでも、できあがりはいつも一定というわけじゃない。日によって微妙な違いがある。

今日のパンの焼き上がりは、見た目が良くない。三流ベーカリーのパンだ。自分でもちょっとがっかりした。ところがスライスして口に入れてみたら、これがおいしいのである。食感も味も、いつも以上だ。

何事も見た目だけで判断してはいけないということだ。

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2012年9月10日

川土手の枯れ草色は枯れたるにあらで日焼けし草の色なり


Wl120910 今日も暑い。朝晩は大分涼しくなったが、日のあるうちはどうにもならない。

先週の初め頃に雷雨が続いて、少しは水不足も解消するかと思ったが、またまたうだるような晴天が続いている。水位があがっていた裏の川も、またどんどん水量が減って、川底が現われ始めた。

土手は枯れ草色だが、これは枯れたというより焼けた色である。

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2012年9月 9日

季節とは日暮れて進むものなれば残暑を嗤ふ虫たちの声


Wl120909 今日も 「残暑」 という言葉をいうのもばかばかしくなるほどの暑さだったが、日が暮れてしまえばそれなりに秋らしい風が吹き始める。

窓の外からは、虫たちが盛大に鳴いているのが聞こえる。季節は夜になってから進行している。

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2012年9月 8日

完熟の果肉が剥がれ種のみがするりと残る桃ぞ嬉しき


Wl120908 先日、父の一周忌の帰り道に、福島で買ってきた桃を食べた。ちょっと多めに買ったので、全部食べきるまでに時間がかかった。

桃は熟して熟して、腐りかける一歩手前が一番美味しい。この桃はちょうどそのタイミングで食すことが出来た。

ジューシーな果肉が、真ん中の種からするりと剥がれるぐらいに熟している。舌触りが最高だった。

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2012年9月 7日

水面の下には長き脚を沈め首を伸ばして魚を追ふ鷺


Wl120907 白鷺が久しぶりに裏の川に来た。川の真ん中まで歩を進めると、脚がほとんど水中に没し、もう少しで腹まで水に浸かりそうである。

首を伸ばして水中の魚の気配を追い、ここぞという瞬間に、頭を水の中に突っ込んで捕らえる。その敏捷さはなかなかのものである。

川面がわずかながら、秋の色になってきつつある。

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2012年9月 6日

をちこちに街の灯映す水溜まり残りて秋の風渡りゐる


Wl120906 今日の午後は東京も雨が降り、つくばの里に帰ったときもぽつりぽつりと雨が残っていた。

夜のショッピングセンターの駐車場も、あちこちに水溜まりが残っていて、地面が冷やされた分、うだるような暑さも少し収まっている。

そろそろ少しは涼しくなってもらいたいものである。

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2012年9月 5日

秋風に蜘蛛の糸揺れ給油所の火気厳禁の看板赤し


Wl120905 何の写真かおわかりだろうか。

実は今日、仕事で水戸方面に車で行き、帰りにセルフサービスの給油所でガソリンを入れようとしたら、そこに蜘蛛がぶら下がっていたのである。

右側の赤いプレートには 「火気厳禁」 とあり、蜘蛛は別に火の気のあるものではないが、なぜか見事にアンバランスな気がして、思わず iPhone で写真に撮ってしまった。

別にどうということもなく、意味のある写真というわけでもないが、無意味の意味ということにしておきたい。

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2012年9月 4日

みちのくの土産の梨と桃の色の夏の終わりを告げてぞ香る


Wl120904 父の一周忌法要を終えて帰宅した。

写真は山形県みやげの梨と、途中の福島県で買った桃。

今日は疲れたのでぐっすりと休もうと思う。

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2012年9月 3日

夕暮れに我を迎えて鳥海は雲の帽子を取りてみせたり


Wl120903 小樽、熊本に続いて、今度は父の一周忌の法要のために、酒田に帰ってきている。このところ、旅から旅への旅ガラスで、さすがに少し疲れた。

写真は、酒田の待ちの夕暮れ。太平洋側の天気はあまりよくないようだが、日本海側の酒田は青空がみえる。

鳥海山も雲の帽子をかぶっていたが、徐々に薄れて最後には全貌が見えた。ただしその頃には暗くなりすぎて、写真には写らなかった。

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2012年9月 2日

湧き上がる巨大積乱雲の下で日照りを破る雨は降るらむ


Wl120902 写真は、今日熊本から帰ってくる時の飛行機から見えた、超特大入道雲。写真の右奥に見えるのが、ごく普通の入道雲だから、スケールがまったく違う。

こんなのができるぐらいだから、東京にゲリラ豪雨が降るのもわかる。とにかくものすごく不安定な天気のようなのだ。

猛暑の日照りが続いていたと思うと、今度は大雨というのだから、「ごく普通の天気はないのか」 とも言いたくなるが、昨今の日本の天気は、こんなようなものになってしまったんだろう。

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2012年9月 1日

肥後の国の夜をゆつくりと切り裂きて市街電車は走り過ぐるなり


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今日は仕事で熊本に来ている。今年はばかに熊本に縁があって、もう四度目の訪問だ。

一昨日までいた小樽がやたらと暑かったので、熊本はどんなにか暑いだろうと思っていたが、それほどでもない。日本の天気はどうなってしまったのか。

写真は熊本市内のちんちん電車。


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