暑き日の醜き家鴨の子のパンの思はぬ旨さ何を語るや
パンを焼いた。我が家は三十年近く天然酵母の版を焼き続けているから、ベテランである。私はパン生地をこねることにかけては、駆け出しのパン屋には負けないと思っている。
それでも、パンというのはなかなか奥が深い。その日の温度や湿度によって、天然酵母の状態も微妙に変化するし、いつでも同じ量の水を加えればいいというわけでもない。
手のひらを通じて伝わってくるパン生地の状態をしっかりと確認しながら、常に微修正を加えてこね上げる。それでも、できあがりはいつも一定というわけじゃない。日によって微妙な違いがある。
今日のパンの焼き上がりは、見た目が良くない。三流ベーカリーのパンだ。自分でもちょっとがっかりした。ところがスライスして口に入れてみたら、これがおいしいのである。食感も味も、いつも以上だ。
何事も見た目だけで判断してはいけないということだ。
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