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2012年11月30日

冬枯れの色に染まりし川土手の彼方で鷺の鳴く声聞こゆ


Wl121130 十一月も今日で終わり、明日からは十二月だ。時の経つのは本当に速いもので、還暦なんてものを過ぎるとますますそれを感じる。下手すると、一年なんて一週間より短いんじゃないかという気さえする。

裏の土手はすっかり冬枯れの色になってしまった。今年は冬の訪れが早い。近頃は春と秋の一番気持ちのいい季節が短い。

冬がいつまでも寒くて、「春はまだか」 と待ちわびる。ようやく春になったかと思うと、すぐに汗をかき始めて夏になる。そして残暑が嫌というほど長引いて、ようやく涼しくなったと思うと、すぐに冬の寒さになる。

これで平均取ると年間の気温はじわじわ上昇しているというのだから、夏がいかに暑いかということだ。

さっきまですぐそこにいたアオサギがいなくなって、遠くで鳴くのが聞こえる。

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2012年11月29日

冬の陽は天気予報の言ふほどに暖かきにはあらざりしなり


Wl121129 天気予報では 「昨日とはうって変わって暖かい日射し」 なんて言っていたが、それほど暖かい日射しというわけでもなかった。

というのは、まだ胃腸風邪はすっかり治りきっているわけではないのかなあ。少し疲労感が残っている。昨日治ったと思って、いろいろ動きすぎた反動だろうか。

まあ、明日は本当に大丈夫だろう。

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2012年11月28日

冬空の厚き黒雲にぽつかりと開く穴より日は射し来たり


Wl121128 胃腸風邪はかなりよくなって、もう大丈夫という気がする。この写真のように、黒雲にぽっかりと穴があいて、日が射し込んできたような気分だ。

朝からちゃんと仕事ができるというのは、ありがたい。来月は早々からまた九州に二度飛ばなければならなくなったが、この分なら大丈夫だ。

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2012年11月27日

虚弱なりし子供の頃を思ひ出し半日を寝て過ごしにけるかも


Wl121127 今日はいつもの和歌ログらしくない写真で失礼。今日、処方された薬である。

どうも体がかったるくて、昨日の夕方からは胃がムカムカしてしんどいと思っていたのだが、今日念のために医者に行ったら、「胃腸風邪」 と診断された。

昼前に医者から戻って、夕方まで寝込んでしまったが、処方された薬をたった二回飲んだだけでかなり楽になって、こうして PC に向かってブログの更新をしていられる。

"Today's Crack" の方にも書いたが、虚弱体質だった子供の頃を思い出してしまった。近頃はこんなにも健康になって、ありがたい限りである。薬は五日分処方されたのだが、明日まで二日分飲めば、多分あとは要らないと思う。

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2012年11月26日

生け垣の上に降り積むもみぢ葉の紅色に影はさしたり


Wl121126 かなり疲れがたまっているようで、夕方から胃の調子が悪い。こんなことは今までなかったから、少し早寝しようと思う。

写真は、訪問先の生け垣に降り積もった紅葉。かなり寒くて、既に冬に突入して久しい気がする。

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2012年11月25日

冬の日のすべて際立つ青空に遅き朝日は昇り来たれり


Wl121125 今日は仕事で早出。まだ薄暗いうちに出発して、途中で日が昇ってくるのを拝んだ。

近頃少し疲れ気味だが、この素晴らしい朝日で少しは疲れが飛んだ気がする。なんとか頑張ろう。

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2012年11月24日

寒空に未だ開かぬ溝蕎麦の群れて薄桃色となるなり


Wl121124 今日の訪問先の近くに、薄桃色の金平糖のような見慣れぬ花が群生していた。、まだ花が開ききっておらず、小さな蕾状のままで丸くなっている。

iPhone アプリの 「花しらべ」 と、紙の本である 「花の名前の手帖」 を見比べて、「ミゾソバ」 だろうと見当を付けた。

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2012年11月23日

部屋干しのシャツを揺らすはエアコンの二十一か月振りの風


Wl121123 九州への出張から帰ってくると、今日は一日冷たい雨で、気温がずっと二桁にならないという冷え込みだった。

二泊三日の旅でたまった洗濯物を乾かすのも大変である。部屋干しをすると、今は洗濯物だらけになった。乾燥のためにエアコンのスイッチを入れたのは、昨年の震災以来だから、二十一ヶ月振りだ。

明日はまた晴れるらしいが、今年の冬は落差の大きな変化を見せるようだ。

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2012年11月22日

西海の潮風を受けもみぢ葉の紅き季節を横切る旅よ


Wl121122 九州でも福岡県や長崎県は、秋を過ぎればそれなりに寒い。いかにも南国という雰囲気の宮崎県や鹿児島県とは様相が違う。

長崎県では紅葉の進み具合も、茨城あたりとそれほど変わらない。山肌はなかなか綺麗に染まりつつある。

夜遅くになって、ようやく自宅に帰り着いた

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2012年11月21日

西海の遅き夜明けに照らされて葉も揺れず立つ一本の椰子


Wl121120 九州の長崎県に来ている。今回泊まっているのはちょっと贅沢なホテルで、窓から大村湾が綺麗に見える。

九州の夜明けは襲い。六時を過ぎた頃にようやく空が明るくなり始め、一本の椰子の木が、逆光でシルエットのように見える。

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2012年11月20日

空を飛ぶことがかくまで当然のこととなりたる世の中にゐる


Wl121121 また九州に出張である。写真は羽田空港の様子。

今年は何度飛行機に乗っただろう。空を飛んで移動することがこんなにまで当たり前のことになったのは、いつ頃からだったのだろう。

我々は今、あわただしい世の中に住んでいる。

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2012年11月19日

山の神が狙い澄まして染めしかと疑ふほどに紅きもみじよ


Wl121119 今日は仕事で茨城県の北部まで行った。さすがに緯度が上がると紅葉の進み具合が早くて、紅葉が真っ赤に染まっているところが多かった。

明日はまた仕事で九州に行く。九州とはいえ、北九州は今の季節、そんなに暖かいというわけではない。というか、きちんと寒い。

暖かい格好をしていこうと思う。

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2012年11月18日

坂東の青く抜けたる冬空を床の間に飾る菊と南天


Wl121118 仕事で行った某所に飾られていた、ゴージャスな生け花。

盛りだくさんの中に南天の赤い実があると、もう冬なのだなと思う。今朝はかなり冷え込んだが、明朝はさらに寒くなるという。

関東の冬の空は、抜けるように青い。

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2012年11月17日

土砂降りの雨の止みたる星空に冴えたる冬の輝きはあり


Wl121117 今日は仕事で水戸まで出かけた。昼前に常磐道で北に向かうと、次第に雨が強くなり、夕方頃には土砂降りになっていた。

日が暮れて七時過ぎに戻ってくる時も、常磐道は土砂降りだったが、つくば市内に入ったあたりから小降りになり、やがて雲が切れて星まで見え始めた。

写真は高速道路から降りたばかりのつくば市内の様子。路面は濡れているが、雨は降っていない。そのかわり、気温がどんどん下がってかなり寒くなっている。

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2012年11月16日

衆院の解散の日に白鷺は何が万歳だと魚を追ふ


Wl121116 衆議院が解散した。解散詔書というのは、紫の袱紗に包まれて衆院議長に手渡され、うやうやしく読み上げられる。

証書によると解散は 「憲法第七条に従い」 ということなのだが、読み上げ直後になぜか実行される 「万歳三唱」 は、どこにも規定されておらず、単なる 「慣習」 のようである。わけのわからない慣習だが。

我が家の裏を流れる川では、白鷺がそんなことには関わりなく、餌になる魚を追っている。

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2012年11月15日

丸裸の冬の桜の内に宿る圧倒的に花咲く力


Wl121115 郊外の並木道。春先に見事に咲いていた桜の葉が、紅く色付いて散っている。もう半分以上散ってしまった。

冬の間にどうやってエネルギーを貯えているんだか知らないが、これでまた春には見事な花を咲かせるのである。今の姿からは想像がつかないほどだ。

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2012年11月14日

急坂の丸き模様を柿の実に見立ててこびりつく枯葉かな


Wl121114 取手駅近くに借りている駐車場に車を停めて、急な坂道を登っていると、柿の枯葉が一枚コンクリートの路面にこびりついていた。

この道は急坂だから、滑り止めに水玉模様のような溝が切ってある。その上に、まるで柿の実の葉のようなデザインになっているのは、見事だった。

アップルのロゴほどではないけれども。

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2012年11月13日

対岸のエンジン草刈り機は石を頻繁に噛むぢゃいんぢゃいんと


Wl121113時々日が射すこともあるが、基本的には曇りがちの一日。七五三のあたりから、寒波が襲来するらしい。

裏の川の対岸で、エンジン草刈り機で草刈りをする人がいる。もう雑草が伸びる季節でもないのに、よほど短く刈り込んでおきたいと思っているようだ。

短く刈り込んでいるので、頻繁に小石を噛む。その度にヂャインヂャインという音が響く。対岸をどこまでも刈っていくので、その音がいつまでも鳴りやまない。

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2012年11月12日

振り向けば駅の周りにともる灯の初冬の風に際立ちてあり


Wl121112 夜が更けて、東京都心から取手駅に戻ってきた。車を停めてある駐車場に向かうために国道六号線を横切るのだが、その手前から振り返ると、取手駅はすり鉢の底のような低さにある。

駅前のビルやマンションが光って見える。晩秋以後は、空気が清冽になってきているので、建物のエッジが際立って見える。

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2012年11月11日

柿の実の塀の外まで実りたる鳥の啄むままの赤さよ


Wl121111 あちこちで、柿が実っている。柿という果実は、晩秋から初冬にかけての光景に彩りを添える。

今頃の季節に帰郷すると、山形県の家々の軒先には、干し柿にする柿がずらりとぶら下がって壮観である。昔は干し柿が冬の間の貴重なビタミン源だったのだろう。

今は冬の間でもいろいろな野菜や果物が手にはいるから、柿の重要性は地に落ちた。今は柿が嫌いという子が三割近くいるのだそうだ。昔の子たちは、近所の家の柿の木から 「柿ドロボー」 をしてまで食べたがったものなのに。

平成の世の柿の実は、冬になるまでたくさん木に残って、鳥に啄まれるままになっている。

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2012年11月10日

土手際のほほけ初めにし薄の穂小春日和の風に揺れゐる


Wl121110 小春日和の夕暮れ前の写真が撮れた。ススキの穂もかなりホヤホヤにほほけてきて、風になびく姿は晩秋から初秋に移る季節を感じさせる。

ちなみに 「ほほける」 というのは 「ほける」 と同義。「ほける」 は漢字では 「呆ける/惚ける」 と書く。「ぼける」 と同じ意味だが、少なくとも明治の頃までは 「古びて色褪せる/毛羽立つ」 というような意味も一般的だった。

唯一郎句集』 に 「唐辛子の花のほほけ見つくす六月の空」 と 「この春はほけたる蒲公英のみ見たり」 という句がある。庄内の地では、昭和初期でもこの意味で一般的に使われていたようである。

ほかに適切な言葉が見当たらないから、「ほほける」 は大切に保存しておきたいと思う。

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2012年11月 9日

緯糸(たていと)と経糸(よこいと)を組み合わせたる織目ほつれぬ日暮里の街


Wl121109 今日は日暮里の繊維街に行って、麻の生地を買った。家のカーテンに使うためである。縫うのは私ではなく、妻。私はミシンを使えないのである。

この辺りは、昭和の末期からあまり変わっていない。日本中にあまたあった洋裁用の生地屋さんが激減してしまった今、貴重な存在である。コム・デ・ギャルソンの川久保玲も、初期にはこの辺りで生地を仕入れたというぐらいのものだ。

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2012年11月 8日

電柱の遠近法で立ち並び消えゆく先に冬の筑波嶺


Wl121108田舎道に電柱が立ち並んでいる。その電柱が遠近法でどんどん小さくなり、消えてしまう先に、筑波山が見える。

さすがに山である。電柱如きよりずっと高く大きい。当たり前のことだが、大したものである。この当たり前が、胸に迫ってきてしまった。

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2012年11月 7日

今日からは冬晴れと吹く木枯らしの季節となるを待つ我ならむ


Wl121107 今日は立冬。もう秋というより冬に向かうのである。立春や立秋は実際の季節感とはかなりかけ離れるが、立夏と立冬は、なんとなく 「そうかもしれん」 と思わされる。とくに最近は天気が極端だからかもしれない。

天気予報では、今日は朝から晴れると言っていたのだが、実際にはなかなか雲が取れず、午後になってやっと晴れた。これからは冬晴れと木枯らしの季節になる。

近くの岡堰は、溜めていた水を放流して、本来の川だったところ以外は地面が露出している。冬の間はずっとこんな感じになる。

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2012年11月 6日

背の中に頭(かうべ)を埋め木枯らしを受け始めたる川に立つ鴨


Wl121106 このところの雨模様で、裏の川の水量が少しだけ増えている。増えているとはいっても、夏ほどではなく、少し川底の露出しているところもあるが。

鴨の集団がやってきて、羽を休めている。頭を背中の羽根の中に埋めているので、よく見ないと石ころのようにしか見えないが、確かに鴨である。

あれは水に浮かんでいるのではなく、川底に足をつけて立っているのだろう。ということは、まだまだ水量は少ないということだ。

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2012年11月 5日

晩秋の空は雲居に覆はれて店の灯りで暮るるとぞ知る


Wl121105 今日は曇りがちの肌寒い一日。昼過ぎに一時的に雲が晴れたが、またすぐに曇って日はほんの少ししか射さない。

ショッピングセンターに並んだ車も、寒々としている。店の灯りが目立ち始めたことで、初めて日暮れ時と知る。

 

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2012年11月 4日

見上ぐればすぐそこにある石鎚は険しき道を隠して聳ゆ


Wl121104 四国の西条から帰ってきた。西条は石鎚山の麓にある。石鎚山は、西日本の最高峰だそうで、そんなに高い山が小さな四国に存在するということは、その山容は急峻だということだ。

実際に西条の街から見ると、高い山がすぐそこにそびえ立っているように見える。登るのはさぞかし大変だろうという気がする。

伊予西条の駅では、登山装備に身を固めた人を何人か見かけた。きちんとした重装備である。山頂の気候は知床に相当するというのだから、それも当然だ。

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2012年11月 3日

石鎚の遠かりしかど空晴れて青空に際映ゆる日となる


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日記西条二日目の朝は曇りがちで、吹く風も冷たかった。まさか必要あるまいとは思ったが、念のためにともってきたマウンテンパーカとフリースのキャップが役に立った。

昼からは晴れて暖かくなった。天気に関しては、相変わらず問題なし。晴れ男伝説はまだまだ続く。

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2012年11月 2日

石鎚の伏流水の湧く街の石の水場に映る日影よ


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仕事で西条という街に来ている。石鎚山の麓の美しい街だ。

街は石鎚からの伏流水が豊富で、ちょっと井戸を掘れば美味しい水が湧く。これを 「うちぬき」 というらしい。

各家庭でもそれをしてポンプで汲み上げているので、水道代はかからないという。うらやましい話である。

写真は駅前の大理石で作った水のオブジェ。神社の手水場のようにも見えるが、噴水になるらしい。

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2012年11月 1日

秋の夜のコーヒーショップの店先のテーブルにつく人影もなし


Wl121101 ふと気付けば、今日から十一月だ。今年もあとたったの二ヶ月しかない。本当に、一年というのは一週間より短い気がする。

仕事帰りに立ち寄ったスタバも、店先のテーブルに座っている客は一人もいない。こんなに急に冷え込んでは、外の空気の中ではいくら暖かいコーヒーでも、ゆっくりとはしていられないだろう。

明日は仕事で四国に飛ぶ。いくら四国でも朝晩は冷え込むようだから、しっかりと身支度していこう。

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