« 緯糸(たていと)と経糸(よこいと)を組み合わせたる織目ほつれぬ日暮里の街 | トップページ | 柿の実の塀の外まで実りたる鳥の啄むままの赤さよ »

2012年11月10日

土手際のほほけ初めにし薄の穂小春日和の風に揺れゐる


Wl121110 小春日和の夕暮れ前の写真が撮れた。ススキの穂もかなりホヤホヤにほほけてきて、風になびく姿は晩秋から初秋に移る季節を感じさせる。

ちなみに 「ほほける」 というのは 「ほける」 と同義。「ほける」 は漢字では 「呆ける/惚ける」 と書く。「ぼける」 と同じ意味だが、少なくとも明治の頃までは 「古びて色褪せる/毛羽立つ」 というような意味も一般的だった。

唯一郎句集』 に 「唐辛子の花のほほけ見つくす六月の空」 と 「この春はほけたる蒲公英のみ見たり」 という句がある。庄内の地では、昭和初期でもこの意味で一般的に使われていたようである。

ほかに適切な言葉が見当たらないから、「ほほける」 は大切に保存しておきたいと思う。

(写真をクリックすると、拡大表示されます)

|

« 緯糸(たていと)と経糸(よこいと)を組み合わせたる織目ほつれぬ日暮里の街 | トップページ | 柿の実の塀の外まで実りたる鳥の啄むままの赤さよ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 土手際のほほけ初めにし薄の穂小春日和の風に揺れゐる:

« 緯糸(たていと)と経糸(よこいと)を組み合わせたる織目ほつれぬ日暮里の街 | トップページ | 柿の実の塀の外まで実りたる鳥の啄むままの赤さよ »