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2014年4月30日

雄々しくも物悲しくも腹の内に風くぐらせて鯉のぼり立つ


Img_8657今年も小貝川の両岸に鯉のぼりがずらりと上がっている。毎年この季節になると、各家庭で死蔵されかねない鯉のぼりの虫干しのように、思い切り飾られるのだ。

楽しいような物悲しいような、不思議な光景である。

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2014年4月29日

大手毬白き宇宙の如く咲け小さき花のまろき集合


Img_8655近所に咲いている花。ずっと 「ずいぶん早咲きのアジサイだなあ」 と思っていたが、これはアジサイにあらず、オオデマリというものと知った。コデマリよりずっと大きいから、オオデマリなのだろう。

本当に、世の中知らないことばかりである。

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2014年4月28日

じいさんもばあさんも皆夕暮れの土手の道行く犬の歩調で


2季節が穏やかになって、我が家の裏手の土手の道は、夕暮れ近くになると犬の散歩の人の往来が活発になる。大抵は年配の人たちである。

皆、急ぐでもなく、犬の気まぐれに任せて行ったり止まったり、のんびりと歩いている。

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2014年4月27日

著莪の花早咲き揃ひこの我を時の移りに追ひつけと呼ぶ


Img_8644気付いてみれば、もうシャガの花の咲く季節である。今年は寒い日が長く続いて、あっという間に春になり、今は初夏に向かって急いでいるという状態だ。それで私の意識は、季節の進行に追いついていない。

平成十年以後に生まれて、最近になって物心ついたような子どもは、夏は死ぬほど暑くて、冬はやたらと底冷えし、春と秋はあっという間に過ぎ去るものと思っているのだろう。

気候が穏やかだったなんていうのは、昔話と思っているに違いない。

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2014年4月26日

街灯の生暖かき宵の口の空気に染みておぼろなりけり


Img_8638仕事の帰りに、スーパー銭湯に寄った。我が家がリフォーム中で、現在は風呂場のリフォームに取りかかっているので、使えないのである。

スーパー銭湯の駐車場は、夜遅くなってもちっとも寒くなかった。春の宵の空気に、街頭が染みている。

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2014年4月25日

四国なる阿州の狸合戦の人の心に占むる大いさ


Img_8626四国の徳島というところは、「阿波の狸合戦」 で有名なところで、その民話に登場する金長 (きんちょう) という狸は、神社に祀られているほどである。

今日通りかかった公園にも、巨大な金長狸の像が建っていて、近所の人たちに親しまれていると聞いた。とにもかくにも、巨大な狸であった。

しかもセンサーが付いていて、大きな拍手の音が響くと、狸の背後から滝が流れ落ちるという仕掛けまであり、なかなかの見ものだった。

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2014年4月24日

海の青空の青との境目の白く霞める紀伊の水道


Img_8607阿波の徳島に来ている。眉山から紀伊水道を眺めている。

空の青が海の青に映っている。

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2014年4月23日

我が目には見えねどしかと鶯は梢の上でひたすら歌ふ


Img_8596枝垂れ桜の奥にある欅の若葉の中から、鶯の鳴き声が聞こえる。なかなか見事な囀りである。

声は見事に聞こえるが、姿は見えない。声のする先をじっと目を凝らしてみつめても、判別できない。しかし、姿は見えなくとも確実に鶯はいる。

目は欺かれるが、耳は案外確かだ。

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2014年4月22日

何物といふことなしに過ぎ去るはプラムワインと云ふものなりき


Img_8594某所でプラムワインなるものを頂いて、家に帰って試してみた。

アルコール濃度は八パーセント以下で、いわゆるフツーのワインと比べると、半分近い軽さだ。飲んでみると、まあ、軽くて口当たりはいいのだが、今イチで、自分で買ってまで飲むかといえば、恐縮ながら、それはないなという結論。

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2014年4月21日

水張られ空映しゐる田に接し不思議の緑麦畑なり


Img_8590今日は細かい雨が降ったりやんだりの一日だった。雨といっても、濡れて歩いていられるような暖かい春雨ではなく、冷たい雨である。季節は本当に行ったり来たりする。

写真は小貝川の土手から見下ろした景色。水の張ってあるのが田んぼで、緑なのは小麦の畑だ。

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2014年4月20日

逆らはずただ惹き込まれ眺めては時忘るなり真紅なる薔薇


Img_8586某所に飾ってあったバラがあまりにも見事だったので、つい写真に撮った。

本当に見事なものでる。どう歌にしようかと戸惑うほどだ。

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2014年4月19日

この年の最初の水を張られたる田は春の日を映し光れり


Img_8574今日は案外よく晴れたが、風の冷たい一日だった。夜になってますます冷たさが増して、寒の戻りの様相である。

寒さは戻っているが、季節は歩みを止めずに進展していて、今日は広く田んぼで水が張られていた。田植えも近い。

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2014年4月18日

潤ひといふ日本語のありがたき意味の伝はる小雨降る日よ


Img_8540今日は冷たい小雨が断続的に降る一日だったが、ここ数日は乾燥しすぎていたので、植物だけでなく、人間の体調にとっても恵みの雨だった。

小貝川の土手からみると、植物が急に元気になったようにみえる。これからすぐに初夏に向かう。

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2014年4月17日

坂東の桜は散りて何事もなかりし如く空は広がる


Img_8532本当に暖かくなった。今日などは汗ばむほどだった。こうなると、この春の陽気はあっという間で、ほどなく初夏になってしまうのではないかという気がする。

しかし一方で、今年はエルニーニョが発生するらしいという情報もありそうだとすると、冷夏になる可能性もある。

よくわからない季節の進展である。

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2014年4月16日

我が宿の階段登る踊り場に小さきギャラリー現はれてをり


Img_8528 階段の踊り場に、可愛いスクラップ写真が貼付けてあった。動物シリーズの一環だそうだ。

これから時々増えて行くようである。

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2014年4月15日

雀より小さき花の紫に慎ましく咲く雀野豌豆


Img_8526 裏の空き地で、四日前に画像で紹介したヒメオドリコソウとともにちょこちょこと咲いているのは、どうやらスズメのエンドウという野草らしい。

カラスノエンドウというのはかなり背が高く育つようだが、こちらはずいぶん小振りなので、スズメノエンドウという名がつけられたという。

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2014年4月14日

昭和期の面影残す仕舞た屋の彼方は超高層ビル聳ゆ


Img_8508東京というのはなかなか不思議な街で、まったく昔ながらの小路の両側が近代的なビルだったりする。まあ、ビルの裏側なのだがね。

そしてそのビルの隣に昭和どころか大正期からあるんじゃないかというぐらいのぼろぼろの仕舞た屋があり、その突き当たりに超高層ビルが聳えていたりするのだから、すごいものだ。

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2014年4月13日

春の陽は夏来ぬ前に菜の花で土手を染めむと急ぎゐるらむ


Img_8485小貝川の土手が菜の花色に塗りつぶされようとしている。ようやく「春になった」 と本気で言えるようになった。

この春も短くて、あっという間に初夏になってしまうのだろうが、しっかりと満喫しておこう。

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2014年4月12日

冷たさの消えたる風や田起こしの進む彼方に赤き陽は落つ


Img_8494風に吹かれても寒いと感じることはほとんどなくなった。うららかな春である。

田起こしの進む彼方に、大きな夕日が沈んでいく。この春も短いのだろうと思う。

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2014年4月11日

我が庭に明治の御代に来たるらしヒメオドリコソウてふ名の草よ


Img_8478ヒメオドリコソウというのは、帰化植物なのだそうだ。原産地はヨーロッパで、明治時代に日本に渡来したらしい。

我が家の周辺で春が来るたびにその数を増している。ヨーロッパ化しているみたいである。

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2014年4月10日

足元にオオイヌフグリ咲く頃となりたるを今日辛うじて知る


Img_8476我が家の裏の空き地に、オオイヌフグリの花がちらほらと咲き出している。あまりに小さな花なので、見過ごしてしまうところだった。

今日はとても暖かくなって、日中はほとんど Tシャツ一枚で過ごしたが、夕方過ぎから涼しくなって、日が暮れてからはフリースを重ねた。

着るものに苦労する時節である。

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2014年4月 9日

車輪梅の蕾膨らむ頃となり鼻水痒み和らぎ始む


Img_8471今日はいい天気ではあったが、「暖かくなる」 と予報で言われていたほどにはポカポカ陽気にはならなかった。風は案外冷たいままだ。

とはいいながら、我が家の裏のシャリンバイの蕾は確実に膨らんできている。例年、このくらいに蕾が膨らむと、杉花粉飛散のピークが過ぎて、私はかなり楽になる。

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2014年4月 8日

土手腹のやや遅咲きの菜の花の最初の花の風に揺れゐる


Img_8467あちこちに菜の花が咲いているが、我が家の裏の土手のはなかなか遅咲きで、今日になってようやく咲いた。

遅咲きだが、盛りになればむせ返るほどの花が咲くので、楽しみである。

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2014年4月 7日

散る桜残るも散ると云ふなれど散りて心に残るものあり


Img_8457関東南部の桜吹雪は、いよいよ本格的になっている。今日は昨日に比べて気温が上がったから、いよいよ散り時だ。明日はさらに暖かくなるというので、ますます見事な桜吹雪になるだろう。

「散る桜残る桜も散る桜」 という句があるが、良寛さんの辞世と伝えられる。ただ、太平洋戦争末期の特攻隊になぞらえられたりしたのが、ちょっと悲しい。

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2014年4月 6日

花冷えの中にありても花は散る桜吹雪といふ見せ場もて


Img_8455 桜がついに散り始めた。風が吹くと盛大な桜吹雪になっている。

今年の桜は先月末に急に暖かくなった時にどっと咲き始めたが、それから妙に花冷えになってしまったので、案外もった。しかし桜というのは不思議なもので、あんなに愛でられていたのに、もちすぎると飽きられる。

これ以上咲いていると、「なんだ、まだ咲いてたのか」 なんて言われかねない。そろそろ散った方がいい。どんどん桜吹雪になって散った方が、最後の見せ場になる。

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2014年4月 5日

黒雲の端をこじ開け漏るる日の素直に広がる春に至らず


Img_8444不安定な天気が続いている。今日も妙に肌寒くて、おかげで桜の花は長持ちしそうだが、すっきりとした晴天にはなりそうにない。

雲の隙間から漏れる光は、暖かな春になりたくて仕方がなさそうだが、まだまだ素直な穏やかさが表現しきれない。

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2014年4月 4日

春嵐に少しく花の散り始め見えぬ遠くを見むとする頃


Img_8427かなり不安定な天気で、大雨、強風にも見舞われた。宇都宮では雹が降ったというが、我が家の近所の桜はまだもっている。少し散り始めてはいるが、桜というのは散り始めが一番美しい。

明日は冬の寒さが戻るというので、もしかしたらそのおかげでもう少し桜が長持ちするかもしれない。

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2014年4月 3日

消費税増税告ぐる回覧板三日を過ぎて届く雨の夜


Img_8424消費税が四月から八パーセントになると告げる回覧板が、今日届いた。

こんなことは、別に回覧板で知らせなくても、知らない人はいないと思うがなあ。

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2014年4月 2日

みちのくを縦に貫く山中を横に辿れる雪の渓谷


Img_8410秋田への出張から帰ってきた。帰りは日のある明るいうちだったので、秋田から盛岡までの山の中の景色がきれいに見渡せた。まだ雪の残る渓谷美は見事だった。

そして関東に戻ると、汗ばむような暖かさで、花曇りの下で桜が満開の姿を見せてくれた。日本は狭いようで広い。

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2014年4月 1日

みちのくに春は来たれり吹く風の冷たき中にその音を聞く


Img_8369秋田での仕事が終わった。あとは明日帰るだけである。

昨日までの天気予報では、曇りのち晴れということだったが、実際には一日中上天気で、またしても晴れ男の面目躍如。

とはいえ、関東の季節感とはほぼ一ヶ月のタイムラグがあるようで、梅もこれから咲こうというところだ。まだ早春である。

写真は千秋公園のお堀の、二色にライトアップされた噴水。

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