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2014年11月30日

使い切り供養もなしに破棄さるる軽きトナーの重き黒色


Img_0689日が暮れてから帰宅したら、玄関に銀色の袋に入れられた使用済みのトナーが置いてあった。レーザープリンターのトナーを昨夜使い切り、交換したのである。

今日、訪問先の近くにある家電量販店で、トナーの回収箱の入れてしまおうと思っていたのだが、持って出るのを忘れてしまったのだ。

改めて袋から出してみると、小型とはいえ、結構ご大層なものである。何千枚 (もしかして何万枚?) もの印刷をするのだから、当然と言えば当然だが、針供養みたいなこともしてもらえないトナーも、気の毒なものだ。せめて和歌に詠み込んであげようかなどと思った次第である。

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2014年11月29日

それまでは霧に包まれゐたること空晴れ渡り気付きたるなり


Img_0685朝からどんよりとした曇り空で、昼頃にはかなり強い雨が降った。三時頃に雨が止んで、四時前には空が晴れ渡った。

我が家から二キロメートルほどのところにある高台が、霧に包まれている。雨が降っている時にはそんなことを意識しなかったが、晴れてみて初めて視界が悪かったのだなあと実感した。

今夜からはだんだん気温が下がるらしい。

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2014年11月28日

犬を連れ散歩する人影もなし雨降りさうで降らぬ夕暮れ


Img_0674今日は雲が多いが暖かかった。夕暮れの土手道、いつもは犬を連れて散歩する人で賑わうのだが、今日は森閑としている。

雨が降りそうで降らないのからだろう。

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2014年11月27日

天空に白き三日月残しつつ小春日和の日は沈み行く


Img_0672今日は久しぶり、といってもたかだか四日ぶりぐらいだが、小春日和が戻った。同じ十五度ぐらいの気温でも、一度寒さを経験してしまうと、かなり暖かく感じる。

夕日が沈みかけた空のてっぺん近くに、三日月がくっきりと浮かんでいた。

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2014年11月26日

揺れ揺るる白き薄の振幅の冷たき風に吹かるる帰宅


Img_0664夜になって仕事先から車で帰り着くと、結構な寒さだった。北風で薄が揺れに揺れている。

天気図を見ると、夏だったら山背が吹いて冷夏になるような気圧配置だ。それがそのまま冬にスライドしているのだから、寒いはずである。

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2014年11月25日

絶妙の間合いで不意に広がりて我が存在に届く菊の香


Img_0654写真は訪問先の棚に飾られていた花瓶の花である。菊を主体に、百合などもアレンジされて見事だった。

菊に顔を近づけると、絶妙の間合いで急にふわっとした香りを感じる。なかなかたいしたものだ。

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2014年11月24日

葉の散りし木槿を透かし対岸の冬枯れの色見ゆる夕暮れ


Img_0652小春日和は終わり、今日から天気は下り坂。いよいよ冬の寒さがやってくる。

土手際のムクゲの木は完全に葉を落とし、木枝を透かして向こう岸の冬枯れの色が見える。

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2014年11月23日

小春日は三日続かぬものなれば冬の深まる様をただ見む


Img_0645今日も小春日和だった。こんな天気が続くと嬉しいが、三日はもたない。一応西の空は僅かに夕焼けっぽいが、明日は下り坂になるという。

こんな具合で冬はだんだん深まり行くわけだ。冬を楽しんで、春を待つという具合に行きたいものである。

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2014年11月22日

信越の地震のニュース聞く夜に電源タップが小さく光る


Img_0639この写真は、私の仕事部屋のプリンターと棚の間の狭い空間で光る、電源タップ。接続する機器ごとに、電源を入れたり切ったりするスイッチ付きだ。

このタップにつないであるのは、Wifi ルータや照明など、いつも電源を入れっぱなしなので、スイッチの明かりも常に点いている。

常夜灯代わりになったりするが、普段はうっとうしいので、棚の方に向けて光が目に入らないようにしている。ただ、長野県北部の地震のニュースで、この明かりが妙にありがたく感じられたりした。

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2014年11月21日

ゆつくりと絵を見るうちに世の中は小春日和の日が傾けり


Img_0637今日は水戸の文化ホールの展覧会に行って来た。見終えたのは午後四時半頃だったが、小春日和の日が傾いて沈む一歩手前だった。

本当に冬である。

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2014年11月20日

長々き今年の秋は終はりたり影絵の如き細き梢よ


Img_0616山梨県の山の中への出張からの帰り、電車の中で関東平野はまだ暖かいだろうと思っていたが、ホームに降り立つとそれなりに肌寒い。

晩秋というよりは、完全に初冬と思った方がいい。

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2014年11月19日

白樺と唐松の木は葉を落とし青空のみの林明るし


Image_2今日は快晴。山梨県の高原は白樺と唐松が豊富だ。落葉が進み、林の中は明るい。

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2014年11月18日

晩秋の甲斐路の駅に吹き付くる三月季節を進みたる風


Image山梨県に出張している。山の中だけに、日の暮れるのが早い。

電車から降りると、驚くほど風が冷たい。

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2014年11月17日

冬枯れの色となりゆくこの土手を三十七年眺め来たりき


Img_0564このところ急に冷え込んで冬を思わせるようになった。立冬になっているのだから、当たり前と言えば当たり前だが、年を取ると本当に時の過ぎるのが早く感じる。

思えばこの土地に引っ越してきてから三十七年になる。田舎にいたのは十八歳までで、それ以後は短くて一年、長くても四年ぐらいで引っ越しを繰り返していたから、異例の長さである。

ただ、こんなに長く住んでも、自分のホームグラウンドはみちのく庄内という気がしているのは不思議だ。

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2014年11月16日

校庭の金網沿いの一本が葉を残しゐる桜の並木


Img_0551冬晴れの空の下、中学校の校庭の金網沿いにある桜の、一本だけがまだ葉を残している。色が変わって今にも落ちるしかないように見えて、なぜか一本だけが落葉し尽くさずに残っている。

立っている位置のせいなのか、特別丈夫な木なのか、とにかく一本だけである。

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2014年11月15日

冬用の分厚きカーテンは自らの重みで皺を伸ばし広がる


Img_0546リビングルームから庭に降りる戸のカーテンを、冬用に変えた。この分厚いカーテンは妻が生地を買ってきて自作したもので、かなり長く使っている。

フックに吊したばかりの時は畳み皺が残っているが、自らの重みで次第にすっきりとしてくる。

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2014年11月14日

人も鳥も腹は満たされ青空に鈴なりの柿獲る者もなし


Img_0538最近は本当に柿の実を食べる人が少なくなってしまったようで、田舎道を行くと写真のような光景が目立つ。

柿の実のみが、獲る者もなく青空の下で浮き立っている。

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2014年11月13日

赤緑金色の玉のクリスマスツリーに白きトナカイは跳ぬ


Img_0492街はだんだんクリスマス・モードに染まりつつある。

取手駅のステーションビルのショッピングモールも、クリスマスツリーが飾られていた。

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2014年11月12日

立冬の筑波を包む山霧に濡れにぞ濡れて咲く躑躅あり


Img_0530筑波山に登るロープウェイの駅は、つつじが丘と言われている。その名が付いただけあって、五月の盛時には一面につつじが咲くが、立冬を過ぎてもちらほらと咲いている。

どうして今になってもこんな風に咲くものなのか、自然の力というのは不思議なものである。

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2014年11月11日

市街地の忘れ去られし斜面には三十年の竹林青し


Img_0488常磐線取手駅をかすめる国道六号線沿いに、ちょっとした昔っぽい景色があり、竹林となっている。私が取手駅を利用するようになってからずっとあるから、少なくとも三十年、もしかしたら五十年以上、竹林なのかもしれない。

現在竹林になっているところというのは、実は昔は果樹園だったというのが多い。斜面の果樹園が放り出されると、竹林になってしまいやすい。

ここは昔はどんな果物が栽培されていたんだろうか。

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2014年11月10日

冬至過ぎて日は疾く入りて夕焼けと呼ぶほど燃ゆる空とはならず


Img_0485冬至を過ぎてしまうと、一日が早い。あっという間に日が暮れてしまう。

今日は天気は悪くなかったが、夕焼けというほどの夕焼けは見られなかった。これからどんどんつるべ落としの夕日になっていく。

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2014年11月 9日

街路樹の紅く染まりてこの年の分厚き秋の行くを見守る


Img_0483この辺りの街路樹は、もうほとんど紅葉、あるいは黄葉している。いつもの年に比べて、やや早いような気がする。

今年はやはり、秋の訪れが早かったのだろう。

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2014年11月 8日

日の射さぬ川の畔にほほけたる薄の穂揺れ冬がまた来る


Img_0478今日は曇りがちで時々霧雨。日が射さず、冷たい風が吹く。さすがに立冬を過ぎたとという気のする天気。

土手の薄の穂もかなりほほけてきて、また冬が来るのだなあと思わせる。

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2014年11月 7日

立冬の日は疾く暮るる夕暮れの過ぎたることも気付かざるほど


Img_0452秋の日はつるべ落としとはよく言ったもので、このところうっかりしていると、和歌ログ用の写真を撮るのを忘れているうちに、あっという間に日が暮れていた。

今日も仕事に夢中になっているうちに、日が暮れそうになったので慌てて写真を撮った。そういえば、今日は立冬だった。

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2014年11月 6日

裏庭は過ぎにし夏の終はりよりチェリーセージの散りてまた咲く


Img_0470我が家の裏の空き地に夏頃からずっと咲き続けている花は、チェリーセージというハーブのようである。前はパイナップルセージが咲いていたと思ったのだが、いつの間に入れ替わったのだろう。あるいは、私の勘違いだったのか。

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2014年11月 5日

木枯らしの吹きて冷え込む夜明けにも咲く寒菊のよき面構へ


Img_0468 寒菊の面構えはさすがに立派なもので、木枯らしが吹こうが、夜明けに冷え込もうが、咲く時は咲くのだという覚悟を感じさせる。

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2014年11月 4日

秋晴れの里の土手より北に望む筑波の嶺の際立ちてあり


Img_0462今日は昨日以上に秋晴れだった。こんな日は岡堰の土手から筑波山がきれいに望まれる。

私はこの辺りから見る筑波山が最も美しいと思っている。とはいえ、人は自分の地元から見る山が一番と思うものなので、それぞれ美しい角度があるのだろう。

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2014年11月 3日

夕暮れの雲と陸との隙間には紅く染まれる空深かりし


Img_0450本日は文化の日。晴れの特異日らしくいい天気だったが、夕方、一時的に雲が広がった。そして夕暮れ時を過ぎた頃に、北の空の雲が切れた。

北西に向かって車を走らせると、雲と陸地の間のすき間に、横に広がる紅い夕焼けが見えた。ちょっと不思議な光景だった。

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2014年11月 2日

秋といふ季節のかくも長き年は二度となからむ薄の穂揺る


Img_0444今年は本当に特別な年だと思う。きっともう、こんなに長く秋の季節感を楽しめる年はこないだろうという気がする。

秋風に薄の穂が揺れている。

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2014年11月 1日

白鷺は飛び去りてその白さのみ秋雨と薄霧のうち残りゐるなり


Img_0442朝から雨。気温は徐々に下がり続けているのではないかと思うほど、肌寒い。晩秋である。

今年は閏九月があるので、晩秋の季節感が長く続くのではないかと思っていたが、はたしてその通りとなった。最近は春と秋が短い傾向が続いていたので、秋をしっかりと楽しめる貴重な年になっている。これからしばらくは、こんな年はないかもしれない。

裏の川に白鷺が舞い降りていたので、写真を撮ろうと高倍率のコンデジを用意しているうちに、どこかに飛び去ってしまっていた。あとに白っぽい景色が残っている。

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