八月はぽろり落ち来て腹を見せジジジと鳴きて蝉死ぬる月
用があって市内の知り合いの家を訪ね、玄関のピンポンを押そうとしたら「ジジジ」という声とともに油蝉が目の前に落ちてきて、ちょっともがいたと思ったらすぐに静かになった。どうやらここで一生を終えたようだ。
似たようが場面に遭遇したことが過去にも何度かあって、その度に歌を詠んでいる。
鬱蒼とした木の中で鳴き尽くしぽとり落ち来て死ぬる蝉かな(2005年 8月 18日)
ひと夏の半ば過ぎざる朝まだき一生を閉じんと蝉は落ち来たり(2009年 8月 9日)
暑き日にぽとり落ち来て気持ちよく死ぬるものなり蝉てふ虫は (2019年 8月 24日)
このシリーズの歌が、また一つ増えた。
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