晴れ渡る朝の空気をかき分ける如く薄は高く立ちゐる

朝のうちは写真のようにきれいに晴れていたがどんどん雲が増え、夕方には雨になった。

明日はまた晴れるらしい。県内での仕事が入っているので助かる。

秋となり裏の空き地に並びゐるは種類わからぬ茸なりけり

裏の空き地に、これまで見たこともないキノコが列をなすように生えている。初めは何かが捨てられているのかと思っていたが、よく見るとキノコだった。

インターネットで調べてみたが、種類はわからない。わかった人がいたらコメントで教えてもらいたい。

沈み行く西陽を受けて儚くも茜に染まる北の雲居よ

夕方、裏の川の上流方向にあたる北の空を見ると、放射状に広がった雲が夕焼け色を帯びていた。西（写真では左側）に沈む日を受けて染まっていたのだろう。

季節がどんどん進んで湿度が低くなっているので、遠くの景色が鮮やかに見える。そしてその分、はかなさも増している。

川岸の空き地の木槿葉を落とし隙間だらけとなりて立ちゐる

裏の空き地のムクゲの木の葉がだいぶ落ちてスカスカになってしまっている。

あれだけ夏が暑かったのに、長期予報では寒い冬になると言っている。秋が本当に短くて、もうすぐ終わる。

久方の青空のもと筑波嶺の全貌を撮るあたはざりけり

今日は久しぶりの好天で、筑波山も綺麗に望めたのでいい写真を撮りたかったのだが、クルマで走っているうちにベストアングルの地点を通り越してしまい、こんなような頂上がまともに見えないものになってしまった。

それでもまあ、手前の梅の木らしいシルエットも映ったから、いいか。

鴨たちの首を縮めて浮かびゐる川面に雨の波紋広がる

このところ、週末になるといつも雨だ。裏の川で鴨たちが首を縮め、身を寄せ集めるようにして雨と寒さに耐えている。

明日は少し暖かくなるらしい。

草陰に隠れ撮りたる青鷺は気配に気付き飛び去りにけり

昨日も寒かったが、今日はもっと寒い。この辺りは最高でも 14℃ にしかならなかったようだ。ただ月曜日には 23℃ ぐらいまで上がるようなので、しばらくは「秋の歌」としておく。

裏の川にアオサギが立っていた。シラサギと違ってかなり用心深い鳥なので、草の影からそっと撮影したのだが、すぐに気付いて飛び去ってしまった。

会津より寒々しくも夜は明けて冬といふ字の見えてくる頃

昨夜裏磐梯から帰ってきたわけだが、一夜明けてみるとつくばの方が寒いくらいで、たまらず暖房を点けた。

前にも書いたが、最近は本当に夏ばかり長くて秋が短い。そして冬がそれなりに続いて、春はあっという間に夏に変わる。

今日のところは「秋の歌」としておくが、間もなく「冬の歌」を詠むことになりそうだ。

会津なる裏磐梯で巡り合ふ噴煙の立つ荒ぶる顔よ

裏磐梯への旅から戻った。今日の写真は、裏磐梯スカイラインの名所「浄土平」から眺めた様子である。

噴煙が立ち上り、山肌は「日本のアリゾナ」と称されるほどの赤茶色だ。磐梯山の表側（郡山市から眺められる）と裏側はまるで別の山のようで、何度訪れても見飽きない。

秋の日の磐梯山の山頂にかかれる薄き雲は動かず

妻と磐梯山の麓まで旅に来ている。写真は猪苗代湖のほとりのコーヒーショップの窓から撮ったもの。薄い雲が磐梯山頂にかかってなかなか動かない。

明日は晴れ渡るという予報なので、裏磐梯のスカイラインをドライブする予定だ。

秋の田の彼方に続く電柱を繋ぎ繋ぎて伸びるワイヤー

今日もまた、降りそうで降らない曇り空が続いた。明日の関東は午前中は雨となるようだが、我々は東北の裏磐梯に出かけるので雨の心配はそれほどなさそうだ。

いかにも収穫の終わった秋の田んぼという風景の中で、電線（ワイヤー）がずっと彼方までつながっている。

筑波嶺を隠して小雨降らしたる雲は日暮れて薄くなりたり

明後日から一泊二日の予定で妻と一緒に裏磐梯に旅するので、溜まった仕事を大急ぎでこなしているうちに、あっという間に日が暮れた。

今日のつくばは時々小雨がぱらついたりしたが、明後日からの福島は晴れたり曇ったりの天気になるらしい。

日の射さぬ一日なれど肌寒きほどにはあらぬ十月半ば

朝から曇りがちで、昼頃には小雨がぱらついたが、肌寒いというほどのことはない。

明日の週明けからは少し涼しくなるようだ。

明けてよりにはかに秋とは思はれぬ雲の現れ消ゆる一日

明け方は肌寒いほどだったが、日が昇るにつれて汗ばむほどの陽気になった。気温だけを見れば「夏の歌」としたいほどだが、辺りの景色は秋に近付いているので、複雑な印象である。

日中も単純に晴れ上がるというわけではなく、途中では「大丈夫か？」と心配になるほどの雲も現れ、そしてそれもすぐに消えた。単純にはいかない天気である。

景色のみ秋らしくなり来たれども汗ばむほどの十月半ば

今日は昨日の涼しさとは打って変わって、汗ばむほどの陽気になった。岡堰はすっかり水位が下がっり、景色も秋の様相なのだが、陽射しだけは夏のようでしっくり来ない。

来週からは本当に秋らしい気候になるらしい。

霧雨の止むこともなき昼下がり豆より挽きたる熱きコーヒー

今日は朝から霧雨が降り、昼を過ぎても肌寒く感じるほどだった。

こんな日は、豆から挽いて淹れたコーヒーがとても暖かくおいしい。

三日ぶりのつくばの里は日も射さず秋の様相深めゐるなり

南国土佐から戻ってみると、つくばの里はすっかり秋の様相だ。今週末に少し夏の暑さの名残りみたいな陽気になってからは、週が明ければ本格的な秋になるという予報である。

裏の川もすっかり水位が下がり、冬に向かう準備を進めているようだ。

土佐を後に祖谷の谷間と瀬戸内を越えてつくばに戻り来たれり

二泊三日の高知への出張を終え、つくばの地に戻ってきた。三日間ともに天気に恵まれ、そして先月の入院のおかげか体調もかなり整ったので、とても快適な旅となった。

上の写真は、左上が祖谷渓の景色で流れる川は吉野川。そして右下が瀬戸大橋である。

疑問符と句点をあつけらかんとして使ひし歌の「傘」てふ漢字

高知での仕事を一段落したところ、高知城のすぐ下にある高知県立文学館で「短詩系文学 その魅力」という企画展が今月 4日から年明け 4日まで開催中と知った。『和歌ログ』なんてブログをやっている者としては、立ち寄らざるを得ないではないか。

上の写真がその観覧券とパンフレットである。表紙に紹介された作品の中で、「ほんとうにあたしでいいの？ずぼらだし、傘もこんなにたくさんあるし」（岡本真帆）というのがとても気に入ってしまった。

疑問符や句点のある短歌なんて、生まれて初めてみたような気がする。ひらがなだらけで、漢字は「傘」の一文字というのもおもしろいし。

というわけで、今日は私も「カギ括弧」を使って詠んでみた。

聳え立つ四国山地を横切りて土佐の高知に辿り着きたり

出張で高知に来ている。空路ではなくずっと鉄道の旅（特急「南風」）というのは初めてのことである。

岡山から瀬戸大橋を渡ったら、あとは海岸沿いに来るのかと思っっていたのだが、なんと四国山地のど真ん中を横切るルートだった。これまでは下から眺めるだけだった四国の山中に初めて分け入ったことになる。

かの有名な祖谷のかずら橋の近くを通ったりしたので、ちょっと感激である。次に来る機会があったら途中下車して、祖谷蕎麦をたぐってみたいものだ。

秋雨の止みてまた降る刈田には白鷺集ひ落ち穂啄む

今日は小雨が降ったり止んだりで、風も肌寒いほどの一日だった。

刈田にはいつもシラサギの姿が見える。落ち穂を啄んでいるようだ。

雲間より赤く射しゐる様見れば確かに秋の夕陽なりけり

昨日から急に秋らしくなり、今日は一日中 Tシャツの上に長袖シャツを羽織って過ごした。

雲の隙間から射す光を見れば、確かに秋の夕陽という気がする。

風止めば鷺は川面に影落とし初めて秋といふ心地せり

今日は伊豆七島付近を進んでいた台風 22号の影響で、朝から風が強かった。

風向きも北風のためかなり涼しく感じて、今年初めて「秋になった」と感じた。ようやくの実感である。

午後 3時過ぎになってようやく風が収まり、川面の波が静まって、シラサギの影がくっきりと鏡のように写っている、

目の前の空青けれど台風の二つ連なり迫りゐるとぞ

今日の写真は近所のスーパーの駐車場で撮ったもの。久し振りのくっきりとした青空だったので、iPhone のシャッターを切ってしまった。今日も結構暑い。

関東はこうして青空が広がったが、台風 22号の影響で伊豆七島は大変な天気になりそうだ。また 23号まで発生して日本に向かっているらしい。

私は 12日から 14日迄高知に出張予定なのだが、23号は 12日には高知の南方海上を通り過ぎてくれるようだ。なんとかなりそうでありがたい。

対岸に静かに立てる青鷺にレンズ向けしも飛び去りにけり

今日は気温的には 25℃ に達することがなかったが、結構蒸し暑さを感じた。まだまだ秋らしいというわけにいかない。

川の対岸にアオサギがいたので写真に収めようとしたが、残念ながらあっという間に飛び去られてしまった。シラサギはあまり人を怖れないのでゆっくりと撮らせてくれるが、アオサギはなかなかそうはいかない。

北西の風は吹けども今日もまた夏日となりて流るる川よ

朝から曇りがちで昼前には小雨がぱらついたりしたが、最高気温は 25℃ を越し、今日もめでたく「夏日」となった。

天気予報では夕方から北西の風が入って肌寒いぐらいになると言っていたのだが、そこまでは行かない。日が暮れてもやはり蒸し暑さが残っている。

10月とはいえ、中旬を過ぎないと秋らしくはならないようだ。今日は一応「中秋の名月」なのだが。

日が暮れて気温は二十五度のまま遠くに光る赤き信号

昨日と同様、今日もいつの間にか日が暮れてしまった。

19時になっても気温はまだ 25℃ で暑さが残る。明日は 27℃ まで気温が上がるようだ。

日中の暑さと暮るる早さとの折り合い付かぬ十月初旬

いろいろと用足しをしている間に、ふと気がつくと外は日が暮れて暗くなっていた。日中の暑さと日の暮れる早さとの折り合いが付かない。

こんなに日が短くなっても最高気温が 25℃ 以上の「夏日」なのだから、わけがわからない。

エンジンの音に驚きタイヤより飛び去り命拾ふ蟷螂

今日クルマで出かけようとしたところ、後輪にカマキリの止まっているのに気付いた。iPhone のカメラを向けても一向に気にせずそのままだ。エンジンをかければ音に驚いて逃げるかと思ったが、まだそのままでいる。

仕方なくゆっくりとスタートしてみると、エンジン音が大きくなってさすがに驚いたのか慌てて飛び去るのがサイドミラーで見えた。ひき殺さずに済んでよかった。

10月になり朝晩はしのぎやすくなったが、日中はまだまだ暑い。

遙か西の地平に沈む勢ひで雲の渦巻き作る夕陽よ

今日の夕暮れに北西の方角に見えた雲の様子がなかなかのものだった。まるで夕陽の沈む勢いで雲の渦が生じているような光景だ。

こんな夕焼けは生まれて初めて見た。上空にはどんな風が吹いていたのだろう。

川面に雨の波紋の広がるを見て降り止まずとぞ知る夕まぐれ

今日は朝からずっと小雨が降り続いている。雨音がしないので止んでしまったのかと窓から川面を見ると、ちゃんと雨粒の波紋が広がっている。

この辺りの気温は最高で 22℃ 程度なので、すっかり秋の様相だ。ただ湿度が高いので、動いている分には汗ばんでしまったりする。

予報を確認してみると明日からまたしばらく 25℃ 以上の夏日が続く。しっかりと秋らしくなるのは中旬以後のことのようだ。とりあえず「秋の歌」としておこうかとも思ったが、そんなわけでやはり今日も「夏の歌」としておく。